アパート経営が失敗するのはなぜ?その理由と対策方法
「アパート経営で失敗したくない」
「対策を事前に打ちたい」
「もし失敗してしまうとどうなるの」
このような不安を抱えている人は多いのではないでしょうか。アパート経営は、毎月安定した家賃収入を得られるため、メリットばかり注目されがちです。
しかし、知識がないままはじめてしまうと失敗に終わり、多額の負債を抱える可能性もあるでしょう。
ここからは、アパート経営で失敗しないために、失敗の理由と対策を紹介します。
不動産選びのポイントも紹介しているので、ぜひ最後までご覧ください。
Contents
アパート経営が失敗する理由
はじめに、アパート経営が失敗する理由と対策を紹介します。
アパート経営が失敗する理由は多数あり、どれか1つだけ気をつけていればいいわけではありません。満遍なく全ての対策を把握しておきましょう。
- 悪質な施工会社を選んでしまった
- 間取り選びを誤った
- 借入金を増やしすぎた
- 立地が悪かった
- 大規模修繕費用を準備していなかった
- 追加投資の効果が出なかった
- 内装を奇抜にしすぎた
- 管理会社選びに失敗した
- 入居者トラブルを防げなかった
- 表面利回りだけで決めてしまった
- サブリースの仕組みを理解していなかった
- 被災してしまった
それぞれ見ていきます。
悪質な施工会社を選んでしまった
アパート経営で多いのが、アパートを建設する施工会社選びの失敗です。施工会社の選択を誤ると、アパート自体の品質が悪くなり、水漏れや悪臭、音漏れなど、アパート自体に問題がでてきます。
質の悪いアパートは内見時に断られることがほとんどです。
空室が多いと収入を得られず、改善するにも修繕費がかかってしまうため、アパート経営は失敗してしまうでしょう。
対策
信頼できる施工会社に頼むことで、失敗を回避できます。比較的、地元の工務店よりも大手に依頼すると安心できるでしょう。
大手だと金額が気になる人も多いと思いますが、大手でも工業化工法を取り入れているところは比較的安く済みます。そのため、品質の高いアパートを安い金額で建てられるのです。
安い金額で品質の悪いアパートを建てても資金繰りに困ったり、後々修繕費にお金がかかってしまっては元も子もありません。そのため、施工会社選びは慎重に行いましょう。
間取り選びを誤った
次に多いのが、間取り選びのミスです。アパートを建てるとき、間取りは自分で決められます。
周辺にファミリー向けのアパートが少ないからといって、3LDKや2LDKにしても需要が少なければ空室の原因になります。
間取りは一度決めると変更ができないため、重要な選択です。
対策
間取りは、周辺地域の特性に合わせて選びましょう。たとえば、大学近くのアパートだと1人暮らしをする人が多い傾向があります。
そのため、3LDKや2LDKといった部屋数が多い間取りだと広すぎて住む人は少ないでしょう。
周りと同じにした方がいいわけではありませんが、ファミリー向けのアパートが少ない理由はなぜか考える必要があります。
地域の特性に合わせた間取りを考えるためには、土地付近の調査が必要です。
調査をするには、実際に付近を歩いてみたり住宅情報サイトでどんな部屋が空室になっているか確認したり地域の不動産会社に問い合わせたりしてみましょう。
借入金を増やしすぎた
借入金を増やし過ぎも、アパート経営を失敗に追い込む原因の1つです。アパートを建てるとき、金融機関から融資を受ける人がほとんどでしょう。
このとき、借入金が高額過ぎると毎月の返済に追われてしまうでしょう。
しかし、アパート経営は空室や共用部分の修繕で急に出費が増えることもあり得ます。
そのため、毎月の返済で精一杯になっていると急な出費に対応できず、借入金を返済できなくなってしまう可能性があるのです。
対策
借入金の返済スケジュールを立てるとき、余裕をもって返済できる額に抑えましょう。とくに建物は築年数が進むにつれ劣化部分が増えてきます。
劣化部分の修繕も加味してスケジュールを立てるといいでしょう。
土地も一緒に購入すると、借入金が高額になりやすいため、返済スケジュールは念には念をいれるくらい慎重に立てることをおすすめします。
立地が悪かった
アパートを建てる場所を見誤ると経営が失敗する可能性があります。そのため、自身が所有している土地の有効活用方法としてアパート経営をしようとしている人は注意が必要です。
アパートを建てようとしているところの周辺環境や立地が悪いと、どんなに良いアパートでも入居者が増えない可能性があります。
入居者が増えやすい立地の特徴は、周りに公共交通機関やショッピングセンター、病院などがある地域です。
周りに何もない地域は敬遠されてしまう可能性が高いでしょう。
対策
アパートを建てる前に周辺環境を実際に自分の目で見て確認したり、不動産会社に確認しましょう。ほかには、「人口推移数」を参考にする方法もあります。
人口推移数とは、総務省が統計を取っている人の増減を表したものです。この統計を参考に人口の増減が激しい地域にアパートを建てることをおすすめします。
人口の増減が大きいところは常に新しい人が入ってきているため、賃貸を探している人も多いです。
そのため、人口推移数が多い地域にアパートを建てましょう。
大規模修繕費用を準備していなかった
修繕費用を準備していないことが原因で、アパート経営が失敗に終わったケースもあります。アパートは必ず経年劣化をするため、定期的に修繕工事が必要です。
20年や30年使っているアパートは大きな設備が壊れる可能性があります。
設備不足のアパートに住みたい人はいないため、住む人が減ったり家賃を減額する可能性があるのです。
対策
修繕費用は必ず支払うと念頭に置き、修繕費を貯めておくようにしましょう。アパート経営をはじめる前に建築資金の3割程度を貯めておくと安心です。
追加投資の効果が出なかった
追加投資の効果がでなかったため、経営を失敗してしまう可能性もあります。既存アパートの空室が目立つとき、追加で物件を購入して収入先を増やすことで破産を免れる方法があります。
しかし、この方法は追加で物件を購入するため一時的な出費が増える方法です。
購入した物件から家賃収入が得られれば立て直せますが、追加投資する物件の判断を誤ってしまうと、収入を得られず負債が増えてしまう可能性があります。
対策
投資先を増やすのではなく変える方法も視野に入れましょう。既存のアパートを売って、その収入で新しいアパートを購入する方法です。
そうすることで、ローンの割合を減らしながら収入を増やすことができます。
しかし、既に赤字が続いているときは、アパートの売却額が低くても売りに出さざるを得ない場合があります。
内装を奇抜にしすぎた
アパートを建てるとき内装を奇抜にし過ぎたことで入居者が集まらない可能性があります。とくに注意したいのがクロスの色です。
華やかにしたいからといって奇抜な色や柄もののクロスを選ぶと好みが分かれてしまいます。
これは部屋の雰囲気を替えようとリノベーションしたときも同じです。
対策
奇抜な色や柄は避けるようにしましょう。さらに、ペンダントライトや内装の装飾もおすすめしません。
付けたい気持ちもわかりますが、入居者が部屋を自分の好きなようにアレンジする楽しみが減ってしまいます。
どうしても取り入れたいときは、派手になりすぎないようにプロのデザイナーに確認してもらいましょう。
壁紙一枚でもサンプル冊子で見るのと壁一面に張られるのではイメージが変わります。そのため、プロと相談しながら決めるようにしましょう。
管理会社選びに失敗した
管理会社選びに失敗すると、経営も失敗する可能性があります。
管理会社が行う主な仕事は以下の4つです。
- 入居者の募集
- 入居者の審査
- 物件の維持管理
- 家賃の回収
とくに入居者の募集が重要で、良い管理会社なら空室が続いたとき家賃の引き下げやリフォームなど何かしらのテコ入れを提案してきます。
そのため、このようなテコ入れを提案してこない管理会社は失敗だと思っていいでしょう。
対策
管理会社を選ぶとき、その会社が管理しているほかの物件情報を確認しましょう。さらに、実際にアパートを見に行って掃除が行き届いているか設備が壊れたままになっていないか空室はないかまで確認することをおすすめします。
また、実際に相談して親身になって相談に乗ってくれるか、二人三脚で頑張ってくれそうかも確認しましょう。
入居者トラブルを防げなかった
入居者トラブルが原因で経営が困難になるケースもあります。
主なトラブルは以下の5つです。
- 騒音
- 入居者からのクレーム
- 共有設備の破損
- 水漏れ
- 異臭
とくに多いのが騒音です。メゾネット式のアパートだと騒音トラブルはほとんどありません。しかし、1階と2階で住んでいる人が違う場合はこのトラブルが多いです。
とくに夜間の足音や扉を閉める音、洗濯機の音や話し声が挙げられます。
この騒音が原因で空室が増えてしまうのです。
対策
アパートを建てるとき、騒音対策をしっかり行いましょう。また、入居者を審査するときトラブルのもとになりそうな人を入れないよう配慮する必要もあります。
審査は管理会社が行うケースがほとんどですが、自分も介入して確認すると安心です。
提出物の正確さや期限を守るかなども確認項目に入れ、トラブルに発展しなさそうな人を選ぶ必要があります。
表面利回りだけで決めてしまった
表面利回りだけで判断すると、アパート経営が失敗に終わってしまうでしょう。表面利回りとは、アパートが満室の時の収入のことです。
まれに、この表面利回りだけを聞いて利益が高いアパートだと勘違いし、購入を決めてしまう人がいます。
表面利回りだけきいて購入してしまうと、当初の予定と実際手元に貰える金額に相違がでてしまうでしょう。
そうすると、収入が減り経営が回らなくなってしまうのです。
対策
実質利回りを確認しましょう。実質利回りとは表面利回りから諸経費を引いた金額のことです。
しかし、利回りの計算方法は賃貸の需要まで反映できていません。
そのため、最低でも5部屋埋まると聞いていた物件がふたを開けたら2部屋しか埋まらなかったという事態も考えられます。
アパート経営を成功させるには、購入前に物件の需要を地道に調べる必要があるのです。
サブリースの仕組みを理解していなかった
サブリースとは、不動産管理会社に物件を又貸しする管理形態のことです。この管理形態を理解せず、不動産管理会社に全て任せていると経営を失敗する可能性があります。
サブリースをすることで、不動産管理会社がアパートの管理を行い、空室数に影響されることなく一定の収入を得ることが可能です。
しかし、空室が続きすぎたり、破損している部分があると家賃の引き下げが行われる可能性があります。さらに、家賃の1〜2割は管理会社の収入になるため、家賃を全額貰えません。
そのため、サブリースを行うことで、収入が当初の予定より少なくなってしまうでしょう。
対策
サブリースをお願いするとき、契約内容を隅々まで確認しましょう。
確認内容は以下の3点です。
- 引かれる額
- 家賃引き下げの条件
- 管理内容
これらがあいまいだと契約後に後悔する可能性があります。そのため、契約前に必ず確認しておきましょう。
被災してしまった
災害の発生によって経営が失敗に終わる可能性があります。大規模な災害で建物が全壊してしまうと、その建物の撤去と再築に多額の費用がかかってしまうからです。
これは、自然災害以外にも入居者の不注意で起こる火災もふくまれます。
対策
保険に加入しましょう。とくに火災保険と地震保険は必ず入っておくと安心です。保険の加入が任意の場合もありますが、必ず入っておきましょう。
火災保険に全て加入している場合、もし全壊してしまっても建物の時価80%が支払われます。
そのため、再度経営をはじめられるでしょう。
失敗を防ぐアパート経営の手順
アパート経営をはじめたいけど、何から始めればいいのかわからないですよね。
経営をはじめるときは、以下の手順から始めてみましょう。
- 経営の目的・建築プランを決める
- 周辺環境について調べる
- 複数の建築会社に見積もりを依頼する
- 建築会社を決める
- ローンを申し込む
- 契約・着工
- 管理会社を決める
- アパート完成
- 経営開始
あらかじめ、経営の目的や建築プランを決めてから建築会社や管理会社を選びましょう。
このように、手順通り進めることで効率よく経営を開始できます。
失敗しないアパート経営のカギとは
アパート経営を成功させるためには、自分の経営プランや建築プランをかなえてくれそうな信頼できる不動産会社を選びましょう。はじめてのアパート経営の場合、建築面だけでなく経営面からもアドバイスをもらえる不動産会社が望ましいです。
大手企業は税金対策にも詳しく、様々なアドバイスが期待できます。
中小企業でも親身になってくれるところはありますが、当たり外れが大きいため、しっかりリサーチする必要があるでしょう。
二人三脚で経営を行ってくれるような不動産会社を選びましょう。
以下の記事ではアパート経営にかかる費用を抑える方法も紹介しています。ぜひあわせてご覧ください。
アパート経営にかかる税金一覧!経営にかかる費用を抑える方法も紹介
アパート経営に失敗しないための不動産会社選びのポイント
良質な不動産会社を選ぶためには、以下のポイントに注意して選びましょう。
- 入居者を集えそうな立地を提案してくれるか
- 選ばれやすい間取りやデザインを提供しているか
- 経営面でも相談はできるか
- メンテナンスコストを抑えられる建物か
- 長期経営に適した強い建物か
とくに、アパートの立地や間取りは重要なため、その部分から親身になって提案してくれる不動産会社がおすすめです。
これらのポイントに注意して不動産会社を選ぶことで、アパート経営の失敗を防げます。
アパート経営に失敗するとどうなる?
最後に、もしアパート経営に失敗したらどうなるのか紹介します。
- 退職金や貯金でローン返済することになる
- 借金がさらに増える
- 債務整理が必要になる
細かく見ていきましょう。
退職金や貯金でローン返済することになる
アパート経営に失敗すると、満足のいく収入を得られない可能性があります。しかし、ローンの返済は毎月支払わなければいけません。
そうなると、退職金や貯金を切り崩してローンの返済に充てる必要が出てきます。
この状況が続くと、貯金が底をついてしまい、アパート経営自体が困難になるでしょう。
アパートを売却する選択肢もありますが、アパートの価値がなくなってしまうと売却してもまとまったお金にならない可能性があります。
借金がさらに増える
アパートを売ってもローンが残ってしまうと、ローン返済のためにさらに借金を抱えることになります。
経営に失敗すると、お金を借りたくても大手の金融機関では審査に引っ掛かって借りられない可能性が高いです。
そのため、金利の高い消費者金融に借りるしかなくなり、借金が増えていって返済に追われることになるでしょう。
債務整理が必要になる
借金を返済できなくなると債務整理が必要です。
債務整理を行うと最大10年間、信用情報機関のブラックリストに登録され、クレジットカードや賃貸契約の審査に通らなくなります。
債務整理にも3種類あり、ここからはそれぞれの債務整理について紹介します。
- 任意整理
- 民事再生
- 自己破産
それぞれ内容や行える人の特徴が異なるため、違いについて見ていきましょう。
任意整理
任意整理は、安定した収入や5年程度で完済できる見込みがある人が行える制度です。任意整理を行うことで金利が下がり、最大5年をかけて返済することになります。
自宅や車など、資産となるものを差し押さえられることもありません。
どこかに通知が行ったり名前が載ったりすることもないため、誰にもバレずに債務整理が行えます。
民事再生
民事再生は、継続的な収入を得られている人が行えます。さらに、手続きに50〜60万円ほどかかるため、その支払いができる人ではないと行えません。
民事再生を行えば借金を1/5に減らし、3年かけて返済を行うことになります。
任意整理同様、自宅や車など資産となるものを差し押さえられることはなく、任意整理より借金を減額できるメリットがあります。
しかし、官報に名前と住所が載り、全ての債権者に通知が行くため、周りにバレてしまう可能性が高いです。
自己破産
自己破産は借金の支払いができない場合に限り行えます。自己破産によって借金をゼロにできますが、資産となるものは差し押さえられてしまうため、車や自宅は手放すことになるでしょう。
さらに、官報に名前と住所が載り、保証人に残りの借金が一括請求されるため周りにバレてしまいます。
アパート経営を失敗させない不動産会社選びが重要
アパート経営が失敗するのはなぜか、理由と対策方法について紹介しました。経営を成功させるためには信頼できる不動産会社選びが重要です。
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