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アパート経営の収入はいくら?目安と収支項目について解説

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マリモ240801_10
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「アパート経営を始めよう!」と思い立った方のなかには、経営を安定させられるかどうかという点で、不安をお抱えの方もいるのではないでしょうか。
賃貸経営の収益性を判断するうえで、まずしっかりと押さえておきたいのが、収入と支出の項目です。

 

本記事では、アパート経営における収入と支出の内訳を解説します。
経営計画を立てる際に、ぜひお役立てください。

 

アパート経営とは

アパート経営とは、アパートを入居者に貸し出して行う賃貸経営を指します。
ひと口にアパート経営といっても、下記に挙げる管理の各手法によって、その経営実態は大きく異なります。

 

アパート経営の種類

  • 自主管理
  • 管理委託(一般管理)
  • サブリース

自主管理とは、賃貸経営に関わる日々の業務を、オーナー自身ですべて行う管理手法です。
オーナーが行う業務には、広告宣伝や入居時の諸手続き、物件の清掃、クレーム対応、集金、退去立ち合いなどがあります。
業務の負担は大きいものの、家賃収益は基本的にすべてオーナーのものとなるので、その利益率の高さは魅力です。

 

対して、物件の管理を不動産管理会社に委託する手法は、管理委託(一般管理)とよばれます。
上述した業務をすべて委託する代わりに、家賃収入の総額の5~10%程度を管理手数料として、不動産管理会社に支払う決まりです。
手数料ぶんだけ収益は減るものの、業務委託により、オーナーは「大家」業の大部分から解放されるという利点があります。
また、不動産管理会社は管理業務にくわえて、物件への入居促進も行ってくれるので、特に賃貸経営が初めての方にとっては、心強い味方といえるでしょう。

 

専門業者に物件を一括で借り上げてもらい、全面的に経営を委託することも可能です。
サブリースとよばれるこの経営手法は、日本語で“又貸し”を意味しており、サブリース会社が物件の管理ならびに運営を代行します

 

10~20%程度の手数料が発生しますが、管理の完全な手離れが実現します。
そのため、物件が遠方にあったり、副業として賃貸経営に挑戦したりするケースでも問題ありません。
また、入居率にかかわらず、契約に基づいて毎月一定の保証賃料が支払われるため、賃貸経営の安定化のみならず、経営計画の見通しを立てやすくなるといった利点もあります。

アパート経営を行うメリット

ここでは、アパート経営によってもたらされる、3つのメリットを紹介します。

メリット➀収入源を確保できる

アパート経営のメリットの筆頭は、やはり収入源を確保できることでしょう。
一定の入居率を維持している限り、毎月安定した収入を得られます。
くわえて新築から数十年は経営を行えるので 、中長期的な収入源の確保という観点でも申し分ありません。

 

管理委託方式やサブリース方式であれば日々の業務はほとんどないので、本業とは別のあらたな収入源としてもうってつけです。

メリット②税金対策になる

不動産経営は住民税や所得税、相続税などの節税にも効果を発揮します。

 

更地を相続するよりも、その土地にアパートを建てたうえで譲り受けるほうが、相続税を抑えられます。
これは、アパートを建てることで土地の評価額が下がり、相続税の課税額が少なくなるためです。

 

また、不動産経営における収益である「不動産所得」で赤字が出てしまった場合は、ほかの給与所得などとの損益通算が可能です。
これにより、翌年以降の所得税・住民税の節税も図れます。

 

このように、不動産経営は税金対策としても有効なのです。

メリット③資産を作ることができる

アパートローンの返済を終えたのち、物件は資産としてオーナーの手元に残ります。

 

これは無借金の資産であるため、収益性も高く、家計における強力な収益の柱となります。
ご家族に資産として贈与、相続させることも可能です。

 

売却により現金化するという選択肢もあります。

オーナーの収入額の目安はどれくらいか

国税庁が実施した申告所得税標本調査によれば、令和2年における全国のアパート経営の平均収入額は約540万円でした。
また、賃貸経営を行うオーナーの収入額は年々増加傾向にあることもわかっています。

 

物件の戸数や募集家賃、管理手法によっても収入額は上下するので、後述する賃貸経営における収入や支出の項目を押さえたうえで、詳細を試算してみてください。

参照元:国税庁『申告所得税標本調査結果』

アパート経営の収入項目

ここからは、アパート経営における収入項目を4つ紹介します。
賃貸経営における収支を計算するためにも、しっかりと把握しておきましょう。

収入➀家賃・共益費

家賃および共益費は、賃貸経営の収入のうち、もっとも大きなウェイトを占める“収益の柱”です。
毎月、入居者から直接、もしくは管理会社を通してオーナーへ支払われます。

 

なお、共益費は物件の共用部分の清掃や、共有設備のメンテナンスの名目で、入居者から徴収する費用のことですが、この項目を設けるか否かは、基本的にオーナー次第です。
たとえば、「月額家賃70,000円+共益費5,000円(月額計75,000円)」とするか、「月額家賃75,000円、共益費なし(月額計75,000円)」とするかは自由に決められるわけです。
このような具合で、家賃の設計はオーナーに一任されています。

収入②礼金

礼金は、物件の契約時に、入居者からオーナーに対して支払われる費用の一つです。

 

不動産業界における古くからの慣習の一種であり、家賃の1~2か月分を礼金として設定することが一般的です。

 

多くの方が新生活をスタートさせる3~4月においては、支払われる礼金の合計も相当の額に上り、全収入のなかでも大きな割合を占めます。
一方で、新規の入居を見込みにくい閑散期には、収入項目としてあてにできるというわけではありません。

 

なお、契約時に入居者からオーナーへ支払われる費用として、ほかに敷金がありますが、敷金はオーナーの収益ではなく、あくまで“預かり金”という位置づけです。
退去時に、原状回復費用の入居者負担分を差し引いたのち、返還する義務があります。

 

そのため、敷金は収入としてカウントせず、退去時を見据えてプールしておくのが賢明です。

収入③更新料

更新料は、賃貸借契約の更新時に、入居者からオーナーへ支払われる費用です。
アパートの賃貸借契約は1~2年程度で満期を迎えますが、更新料を得るためには、このタイミングをまたいで入居者に住みつづけてもらう必要があります。

 

更新料の目安は、おおよそ、家賃の1~2か月分程度です。
基本的にはオーナーが定期的に見込める収入項目ですが、物件における入退去のスパンが短い場合などは、この限りではありません。

収入④駐車場代

入居者が駐車場を契約した場合は、月々の駐車場代も収入項目として見込めます。
特に、移動の足として車が必須のエリアであれば、駐車場代の総額もかなり大きなものとなります。
物件の敷地内に駐車スペースを設けられなくとも、近隣に土地を所有している、あるいは確保できる場合は、これを入居者へ貸し出すことが可能です。

 

以下の記事では、アパート経営で手に入れられる収入の目安や、税金などの経費、収入を増やす方法について解説しています。ぜひあわせてご覧ください。
アパート経営の収入目安はいくら?手取り収入を増やす方法と経費・税金の内訳も解説

アパート経営の支出項目

賃貸経営における収入項目を押さえたところで、支出についても知っておきましょう。
以下で、アパートを経営するにあたって発生する支出を、7つお伝えします。

支出➀ローン返済

全支出のうち、大きな割合を占めるのが、ローン返済です。

 

アパート経営を始める際は、多くのケースで金融機関から建築費等の融資を受けます。
この借入額は、毎月の賃貸経営の収入から返済していきます。
ただし、全額自己資金で建築費を賄った場合、あるいは返済が完了した場合、親族から無借金の状態で相続した場合などは、この限りではありません。

 

なお、毎月の返済額は、借入額や返済方法、トータルの返済期間により異なります。
満室時の想定賃料に対してギリギリの返済額を設定すると、入居率が低下した際や、募集賃料を下げた際に、経営が赤字転落しかねないので注意が必要です。

支出②広告宣伝費

賃貸経営を管理委託方式で行う場合はもちろん、オーナーが自主管理する場合においても、物件の広告宣伝や紹介は、地域の不動産会社に依頼するケースが主です。
この際にオーナーが不動産会社へ支払うのが、広告宣伝費です。

 

物件の広告宣伝依頼を受けた不動産会社は、“マイソク”とよばれるチラシを作成して、顧客に対して物件の紹介、入居斡旋を代行します。
こうして入居が決まった暁には、契約者が支払う初期費用から、不動産会社が広告宣伝費を受け取るという仕組みです。
閑散期など、空室を埋めるために積極的な入居促進を行う場合は、この広告宣伝費を家賃の2~3か月分支払うケースもあるなど、決して少なくない出費といえます。

支出③管理手数料・サブリース手数料

先述の通り、不動産会社に物件の管理を委託する管理委託方式を選ぶ場合は、毎月、不動産会社へ管理手数料を支払うこととなります。
この管理手数料の目安は、物件の家賃収入の総額の5~10%程度です。

 

また、サブリースの場合は、手数料として家賃収入の総額の10~20%程度がかかります。

 

物件の管理を業者へ依頼するのであれば、支出項目としてこれらの手数料も見込んでおきましょう。

支出④巡回・清掃費

物件の巡回・清掃を業者に委託する場合は、巡回・清掃費も発生します。
オーナー自らが行う場合であっても、各種清掃機器の購入や、薬剤等の出費が想定されます。

 

入居者が気持ちよく暮らせるよう、物件を清潔に保つ努力は欠かせないため、巡回・清掃にかかる費用も、しっかりと心づもりしておきましょう。

支出⑤修繕費

共用部の照明やオートロックなどの設備に不具合が生じた際の修理・交換費用は、オーナー負担となります。
また、居室内の機器や設備の不具合のうち、入居者の過失に該当しないものも同様です。
たとえば、経年劣化による水漏れや、給湯器の故障などが該当します。

 

入居者が退去する際は、原状回復工事が必要になりますが、オーナー負担の費用項目が多い場合は、まとまった出費が発生することも少なくありません。
くわえて、十数年に一度は、外壁を塗り替える外壁塗装を行わなくてはならないほか、リフォームの必要性が出てくる場合もあるので、これらの費用も準備しておきたいところです。

支出⑥保険料

賃貸経営を進めるうえでは、各種保険料も必須といえるでしょう。
なお、入居者自身も、家具や所有物に対する補償を目的とした火災(家財)保険への加入が義務付けられていますが、ここで述べるのは、物件に対してオーナーが加入するものです。

 

加入する保険の種類や、数によって費用は増減するので、物件の立地や構造も鑑みながら、想定される保険料を見積もっておくことをおすすめします。

支出⑦税金

賃貸経営に際しては、各種税金が発生する事実も忘れてはなりません。
アパートの建築費ないし購入費や、収入に対して課税されるのです。

 

物件の取得にあたっては不動産取得税や登録免許税が、初期費用としてかかります。
一方で、毎年コンスタントに発生するものとしては、固定資産税や所得税、住民税などが挙げられます。
これらに関しては、その年のアパート経営の収入をもとに確定申告を行い、それに応じた額を、翌年に納めなければなりません。

 

なお、賃貸経営で得られる収益は不動産所得とよばれますが、仮に賃貸経営が赤字の場合、ほかの給与所得などと損益通算して、節税を図ることも可能です。
詳しくは後述します。

アパート経営における利回りの考え方

アパート経営における収入項目と支出項目を押さえたところで、利回りの概念についても知っておきましょう。
賃貸経営における利回りとは、満室想定での、初期投資額に対する1年間の収益の割合を指し、「表面利回り」と「実質利回り」の2つに分かれます。

 

表面利回りは、初期投資に対する、1年間の収入額の割合のことです。
専門業者へ支払う手数料や、設備の修繕費といった支出は加味されません。
あくまで、「何年程度で資金回収できるか」という収益性を比較するための、“ものさし”としてのみ役立ちます。

 

一方、実質利回りは、1年間の収入額から管理料やメンテナンス費用などの支出を差し引いた「純利益」の割合です。

表面利回りが、物件の大枠の収益性を判断する指標として用いられる一方で、実質利回りは、より現実的で細かいシミュレーションに近しいものといえるでしょう。

 

アパートを建てたり、選んだりする際には、「何年で費用が回収できるか」という観点が非常に大切です。
想定される収入や支出をもとに、利回りを算出したうえで比較検討しつつ、自身に合った物件を探してみてください。

アパート経営の節税効果

先述した通り、アパート経営を行うことで、一部の税金の支払額を削減できる場合があります。
詳しくは、下記をご覧ください。

 

アパート経営で節税できる主な税金の種類

  • 相続税
  • 固定資産税
  • 所得税
  • 住民税

親族から土地を相続する場合、更地の状態よりも土地にアパートを建てたほうが、相続税を抑えられます。
なぜなら、土地の上に建築物があると、土地の評価額が下がり、結果的に課税額も低くなるためです。

 

また賃貸経営を行えば、小規模住宅用地などの特例措置の対象となり、固定資産税の節税にもつながります。
条件にもよりますが、更地のまま保有している場合と比較して、支払う税額を5割程度にまで抑えられるケースもあります。

 

損益通算や青色申告により、所得税や住民税を節税することも可能です。
アパート経営の収益は“不動産所得”とよばれ、仮に不動産所得がマイナスの場合は、赤字額をほかの所得と通算する損益通算を行えます。
また、賃貸経営のオーナーには青色申告が認められており、最大65万円の控除を受けられます。

 

このように、税制面でも何かとメリットの多いアパート経営ですが、その仕組みや計算方法は複雑です。
不明点が解決しない場合は、一度、不動産会社や税理士などに相談してみることをおすすめします。

健全なアパート経営を行うために

健全な賃貸経営を行ううえでは、下記のようにいくつかのポイントがあります。

 

健全な賃貸経営を行うためのポイント

  • 建築計画・物件選定を慎重に行う
  • 入居促進に力を入れる
  • 優良な不動産管理会社を探す(管理委託する場合)
  • 入居者が住みやすい住環境を提供する

アパート経営は、建築計画あるいは物件探しから始まります。
特に、中古物件を選ぶ際は、間取りや構造のみならず、エリアの人口や入居率、競合物件の多寡のほか、災害リスクなども含め、総合的に勘案しておきたいところです。

 

ニーズの高い優良物件を建築・購入したのちは、「いかに入居者をとらえて離さないか」が賃貸経営のカギとなります。

 

せっかく良い物件を確保しても、入居者がいなければ意味がありません。
入居促進は言わずもがなですが、長く住んでもらうことにより空室リスクを回避できますし、家賃下落の防止にもつながるため、既存入居者の満足度向上にも努めましょう。

 

なお、不動産会社に物件の管理を委託する場合、上述した入居率向上のための施策も一任することとなります。
それゆえ、物件の魅力度や、入居者満足度の向上を図れるよう、できる限り優良な不動産管理会社に依頼したいものです。

アパート経営におけるリスク

アパート経営でつまずかないためには、そこに潜む脅威も知っておくことが大切です。
リスクを理解し、適切な備えを講じることが、賃貸経営における「転ばぬ先の杖」となります。

 

最後に、賃貸経営における主なリスクを4つ紹介します。

リスク➀空室増加・家賃下落

物件の空室率の増加や、募集賃料の下落は、ダイレクトに収入の減少につながるため、オーナーとしては決して看過できない問題です。

 

空室が増える要因としては、その地域での人口流出や物件の魅力度の低さ競合物件の乱立などさまざまなものがあります。
原因を見極めつつ、必要に応じて地場の不動産会社と連携するなどして、適切な対策を講じることが肝要です。

リスク②経年劣化

竣工から年月が経過すれば、経年劣化による弊害も起こりはじめます。

 

物件の設備や機器類の不具合は、築年数経過とともに徐々に目立ちはじめ、修繕・交換費がかさみます。
くわえて、物件の外観を美しく保つためには、十数年に一度の定期的な外壁塗装・大規模修繕も欠かせません。

 

築年数が経過するにつれて、このようなメンテナンス費用も増大してくるので、将来に備えて資金を積み立てておきたいものですね。

リスク③金利上昇

金利上昇も、安定したアパート経営を実現するうえでの大きな脅威です。

 

アパート経営を考えはじめる段階では、将来の金利変動のリスクと言われても、あまりピンと来ないかもしれません。
しかし、ひとたび金利が上がれば、月々のアパートローンの返済額が増大して、経営に重くのしかかります。

 

ローンの借入時には、返済のシミュレーションを慎重に立てたうえで、金利に左右されない返済方法なども検討しておきたいところです。

リスク④災害

災害に対する備えも、しっかりと講じておきましょう。

 

エリア一円の、洪水や津波などの災害リスクを調べ上げたうえで、なるべく安全な物件を選定することが欠かせません。
火災保険や地震保険に加入しておけば、万が一の事態が発生した際にも、経営に対するダメージを最小限に抑えられます。

 

災害大国である日本にいる以上、災害の発生も見越したうえで、盤石な経営計画を立ててください。

アパート経営の収入と支出の内容を押さえて、利回り計算に活かそう!

今回は、アパート経営における収支の内容をメインテーマとして取り上げました。

 

賃貸経営における主な収入は、家賃と共益費、駐車場代などです。
また入居時の礼金や、数年に一度の更新料も、スポットで見込める収益となります。
一方で、支出としては巡回・清掃費やメンテナンス費、管理会社に支払う手数料、税金などが挙げられます。

 

これらの項目を把握しないことには利回り計算もできませんので、健全な賃貸経営のためにも、ぜひ押さえておきたいところです。

 

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この記事の監修

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マリモ投資住宅事業本部

不動産事業を50年以上続けてきたマリモが、お客様目線でお役に立つ情報をお届けしています。 不動産投資初心者の方に向けての基礎知識から、経験者やオーナー様向けのお役立ち情報まで、幅広い情報の発信を心がけています。 部内の資格保有者(宅地建物取引士、一級建築士、一級施工管理技士、二級ファイナンシャル・プランニング技能士、管理業務主任者など)が記事を監修し、正しく新鮮な情報提供を心がけています。

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