TOP > お役立ちブログ > 【シミュレーションつき】アパート経営のレバレッジ効果とは

【シミュレーションつき】アパート経営のレバレッジ効果とは

公開日:
更新日:
marimo_banner_240328_5
marimo_banner_240328_5

アパート経営について調べていると、「レバレッジ」という言葉を目にする機会があるかもしれません。
しかし「具体的にどのような意味なのかがよくわからない」と、お困りの方もいらっしゃるでしょう。

 

そこで本記事では、アパート経営を行ううえで押さえておきたいレバレッジの概要を紹介します。
レバレッジを効かせるメリットやリスクも紹介するので、これからアパート経営を始めよう!とお考えの方はぜひ最後までご覧ください。

 

アパート経営におけるレバレッジとは

レバレッジには、小さな力で重い物を動かすことが可能な「てこの原理」という意味が含まれています。

 

そこから転じて、アパート経営において使われるレバレッジには、少ない資金で大きな金額の資産運用を行い、収益性を高めるという意味があります。
具体的には、もともと持っている自己資金に借入金を加えることで、実質利回り以上の収益が得られるようになるということです。

 

よりイメージしやすいように、2,000万円の自己資金のみで投資を始める方と、3,000万円の借入金を加えた、5,000万円で投資を始める方を例に解説します。

 

【投資における条件】

自己資金のみ 自己資金と借入金
自己資金 2,000万円 2,000万円
借入金額 3,000万円
物件価格 2,000万円 5,000万円
実質利回り 5.0% 5.0%
年間収益 100万円 250万円

 

年間収益は「物件価格×実質利回り」で計算することができるため、自己資金のみを持っている方は100万円、そして自己資金と借入金を持っている方は250万となります。
同じ金額の自己資金を持っている場合でも、借入金を利用している場合のほうが、大きな収益を生み出せることがあるのです。

 

このように、同じ金額の自己資金に対して、大きな収益が得られることを「レバレッジ効果」とよびます。

 

レバレッジ効果の具体的なシミュレーション

レバレッジ効果の概要を押さえたところで、より具体的なシミュレーションを行ってみましょう。

 

一般的に、レバレッジを効かせるためには、実質利回りが借入金利を上回っていることが最低限の条件とされています。
この、実質利回りと借入金利の差を「イールドギャップ」とよびます。
たとえば、実質利回りが10%で、借入金利が3%であった場合のイールドギャップは、7%ということです。

 

イメージしやすいように、シミュレーションの内容を確認していきましょう。

 

レバレッジ効果が得られるケース

ここでは、投資の条件を、自己資金のみを利用した場合と、自己資金と借入金を利用した場合に分けてシミュレーションを行います。

 

まずは、それぞれの投資における条件と、シミュレーションの結果を確認していきましょう。

 

【投資の条件ごとのシミュレーション】

自己資金のみ 自己資金と借入金
自己資金 1,000万円 1,000万円
借入金 4,000万円
物件価格 1,000万円 5,000万円
実質利回り 10% 10%
借入金利 3.0%
返済期間 30年間
年間返済額 約200万円
年間収益 100万円 500万円
手残り 100万円 300万円

 

自己資金のみで投資を行った場合に得られる年間収益と、借入金を追加して投資を行った場合に得られる年間収益の差は、400万円であることがわかります。
さらに借入金を、月々の返済額が一定の「元利均等返済」で返済した場合、年間の返済金額は約200万円です。

 

続けて、年間収益の500万円から年間返済額の200万円を引くと、返済完了後の資金の手残りは300万円になります。
自己資金のみで投資を行った場合と比べると、手残りが増えていることがわかるでしょう。

 

なお、借入金の年間返済額は、以下のサイトでシミュレーションできるのでぜひ確認してみてください。

 

参照元:金融広報中央委員会「暮らしに役立つ身近なお金の知恵・知識情報サイト」

 

レバレッジ効果が得られないケース

反対に、どのようなケースであればレバレッジ効果が得られないのかを、前述したシミュレーションの条件と同様の数値をもとに、実質利回りの数値のみを変更して比較します。

 

【投資の条件ごとのシミュレーション】

自己資金のみ 自己資金と借入金
自己資金 1,000万円 1,000万円
借入金 4,000万円
物件価格 1,000万円 5,000万円
実質利回り 5.0% 5.0%
借入金利 3%
返済期間 30年間
年間返済額 約200万円
年間収益 50万円 250万円
手残り 50万円 50万円
自己資金における利回り 5.0% 1.0%

 

借入金を活用しても手残りが増加せず、自己資金における利回りは低下していることがわかります。
上記のシミュレーションのように、借入金を使っても、収益が上がらないことを「逆レバレッジ」とよびます。

 

逆レバレッジの概要は後述しますので、ぜひそちらを参考にしてみてください。

逆レバレッジには注意が必要

ここまで、自己資金に借入金を追加して投資を行うことで、レバレッジが効かせられることを紹介しました。
しかし、レバレッジを効かせようとして借入金を利用した場合に、注意したいものが「逆レバレッジ」です。

 

逆レバレッジとは、借り入れを行ったことで、かえって収益が下がってしまうことです。

 

逆レバレッジが起こるケースとしては「金利が高い」「利回りが低い」の2点が挙げられます。
それぞれのケースを、詳しく確認していきましょう。

 

なお、前述したレバレッジ効果のシミュレーションで使用した条件と、同様の数値をもとに紹介します。

 

ケース①借入金利が高い

借入金利が高い場合、どのようなことで逆レバレッジが起こるのかを、自己資金と借入金を利用したケースで解説します。
以下のシミュレーションにおいて、借入金利の数値のみ変更しており、ほかの条件はすべて同じです。

 

【投資の条件ごとのシミュレーション】

①     自己資金と借入金 ②     自己資金と借入金
自己資金 1,000万円 1,000万円
借入金 4,000万円 4,000万円
物件価格 5,000万円 5,000万円
実質利回り 10% 10%
借入金利 3.0% 11%
利息 120万円 440万円
年間収益 500万円 500万円
実質年間収益 380万円 60万円

 

上記のように、同じ資金を使って同じ条件の物件を購入した場合でも、借入金利の数値によって必要な利息が大きく変わることがわかります。
借入金利が3.0%の場合、実質年間収益が380万円であることに対して、借入金利が11%の場合は実質年間収益が60万円しかありません。

 

借入金利が高くなるほど、手元に残る年間収益の金額が低くなり、収益が下がってしまうといえるでしょう。

 

ケース②実質利回りが低い

実質利回りが低い場合に起こる、収益の変化を確認してみましょう。
前述した、借入金利が高いケースと同様の条件を用いたうえで、比較対象として自己資金のみで投資を行った条件も追加しています。

 

なお、②と③は、同じ条件ですが、比較するために実質利回りの数値を変更しています。

 

【投資の条件ごとのシミュレーション】

①     自己資金のみ ②     自己資金と借入金 ③     自己資金と借入金
自己資金 1,000万円 1,000万円 1,000万円
借入金 4,000万円 4,000万円
物件価格 1,000万円 5,000万円 5,000万円
実質利回り 10% 10% 3.0%
借入金利 3.0% 3.0%
利息 120万円 120万円
年間収益 100万円 500万円 150万円
実質年間収益 100万円 380万円 30万円

 

上記の②と③を比べると、実質利回りが10%の場合に得られる実質年間収益は380万円であり、3.0%の場合に得られる実質年間収益は30万円であることがわかります。
また、③のように実質利回りが低いと、借入金を利用しても、①の自己資金のみで投資を行った場合よりも実質年間収益が低く、逆レバレッジが起こることも明確になりました。

 

このように、同じ条件でも実質利回りが7.0%と違うと、実質年間収益に350万円もの差があることから、実質利回りは高ければ高いほどよいといえます。

 

なお、上記のシミュレーションは実質利回り以外の条件が同一であることから、実質利回りが低いと実質年間収益も低くなり、逆レバレッジが起こりやすいということもわかります。

 

レバレッジ効果を得られる実質利回りの目安

実質利回りが低いと逆レバレッジが起こることを前述しましたが、具体的にどの程度の実質利回りであればレバレッジ効果があるのでしょうか。

 

レバレッジを効かせるためには、実質利回りがある程度高い物件を選ぶ必要があります。
ただし、実質利回りが低い物件でもレバレッジ効果を得られるケースはあるため、一概に、実質利回りが低い物件ではレバレッジ効果が得られないというわけではありません。

 

実質利回りの数値によって変化するレバレッジ効果を、以下で詳しく解説します。

 

実質利回りによって異なるレバレッジ効果の有無

ここからは、実質利回りの大きさに対するレバレッジ効果の有無を、借入金利が2.0%の場合と、4.0%の場合に分けて紹介します。
なお、ここでは借入金を返済したあとの手残りにおける利回りが、実質利回りを上回ったときにレバレッジ効果があると判断します。

 

借入金利が2.0%の場合と4.0%の場合では、実質利回りがどのくらいの数値であればレバレッジ効果があるのかを、以下の表で確認してみましょう。

 

【借入金利が2.0%の場合】

自己資金 3,000万円 3,000万円 3,000万円 3,000万円
借入金 5,000万円 5,000万円 5,000万円 5,000万円
運用額の総額 8,000万円 8,000万円 8,000万円 8,000万円
実質利回り 4.0% 5.0% 6.0% 7.0%
借入金利 2.0% 2.0% 2.0% 2.0%
借入期間 30年間 30年間 30年間 30年間
年間の返済額 約220万円 約220万円 約220万円 約220万円
年間収益 320万円 400万円 480万円 560万円
返済終了後の手残り 100万円 180万円 260万円 340万円
自己資金の利回り 3.3% 6.0% 8.6% 11.3%
レバレッジ効果 なし あり あり あり

 

【借入金利が4.0%の場合】

自己資金 3,000万円 3,000万円 3,000万円 3,000万円
借入金 5,000万円 5,000万円 5,000万円 5,000万円
運用額の総額 8,000万円 8,000万円 8,000万円 8,000万円
実質利回り 4.0% 5.0% 6.0% 7.0%
借入金利 4.0% 4.0% 4.0% 4.0%
借入期間 30年間 30年間 30年間 30年間
年間の返済額 約285万円 約285万円 約285万円 約285万円
年間収益 320万円 400万円 480万円 560万円
返済終了後の手残り 35万円 135万円 195万円 275万円
自己資金の利回り 1.1% 4.5% 6.5% 9.1%
レバレッジ効果 なし なし あり あり

 

このように、実質利回りが5.0%もしくは6.0%を超えた場合は、レバレッジが効いていないことがわかります。
上記のシミュレーションの結果を踏まえると、実質利回りの目安は5.0~6.0%であるため、この数値を目安に物件を選定するとよいでしょう。

 

アパート経営でレバレッジ効果を活用するメリット

アパート経営を始める際、投資の収益性を高めるために、レバレッジを効かせたいとお考えの方もいらっしゃるかもしれません。
ここでは、アパート経営でレバレッジを効かせる2つのメリットを紹介します。

 

メリット①投資の効率がよい

レバレッジを効かせると、投資の効率を上げることができます。
すなわち、少ない自己資金で、効率よく投資規模を拡大できるということです。

 

物件を自己資金のみで購入したケースと、自己資金と借入金を利用して購入したケースで比較してみましょう。

 

【ケースごとの投資シミュレーション】

自己資金のみ 自己資金と借入金
自己資金 500万円 500万円
借入金 900万円

(自己資金100万円のみ使用)

物件価格 500万円 1,000万円
実質利回り 5.0% 5.0%
借入金利 2.0%
返済期間 30年間
年間返済額 約84万円
年間収益 25万円 100万円
手残り 0円 16万円

 

上記を参照すると、500万円の自己資金を持っている場合でも、使用する自己資金を100万円に抑えて、借入金900万円を利用すると、レバレッジが効いていることがわかります。
さらに、自己資金のみで物件を購入すると手残りがほとんどない状態になりますが、借入金を利用する場合は自己資金が400万円残るため、別の投資を行うことも可能です。

 

このように、レバレッジ効果をうまく活用することで、自己資金を抑えて投資規模を拡大できることは、大きなメリットだといえるでしょう。

 

メリット②保険の効果が高い

アパート経営におけるレバレッジには、高い保険の効果が得られるというメリットもあります。

 

借入金を利用すると、団体信用生命保険に加入できることがほとんどです。
団体信用生命保険とは、借入金の返済期間中に契約者本人が死亡したり、高度の障害状態になったりした場合に、借入金がゼロになる保険のことです。

 

メリット①で紹介したケースを例に、物件の購入者が亡くなり、配偶者や子どもに相続されたとして考えてみましょう。

 

自己資金500万円を使って物件を購入した場合、借入金を利用していないので、物件をそのまま相続することができます。
一方、自己資金100万円で、借入金を利用して1,000万円の物件を購入した場合、団体信用生命保険によって、借入金の900万円がゼロになります。
そのため、物件を相続する方には、自己資金の残り400万円と、借入金を返済する必要がない物件を残せるというわけです。

 

このことから、アパート経営においてレバレッジを効かせて団体信用生命保険に加入できれば、高い保険の効果が得られる場合があるといえるでしょう。

 

アパート経営でレバレッジ効果を活用するリスク

アパート経営でレバレッジを効かせることには、さまざまなメリットがある一方で、リスクがあることも押さえておきましょう。
メリットだけを確認すると、かえって赤字になる可能性もあるので注意が必要です。

 

ここでは、レバレッジを効かせる前に押さえておきたい、2つのリスクを紹介します。

 

リスク①借入金の返済リスクがある

レバレッジを効かせる場合、借入金を返済しなければなりません。

 

アパート経営における、基本的な収入源は入居者からの家賃です。
入居者で埋まっている満室の状態であれば、毎月安定した家賃を得られるので、借入金の返済は問題ないでしょう。
しかし、空室が埋まらない状態が続けば、得られる収入が少なくなるので、借入金の返済が厳しくなることが想定されます。

 

月々の返済額が数万円程度であれば、空室があっても返済できる可能性はありますが、仮に返済額が数十万円に及ぶ場合は、返済できずに自己破産してしまう危険性もあります。
このような事態を回避するためには、空室リスクの低い物件を選ぶことが大切です。

 

リスク②金利が上昇する可能性がある

アパート経営を行ううえで借入金を利用する場合は、借入金利の数値も考慮する必要があります。

 

たとえば、5,000万円の物件を借入金利2%、返済期間30年で購入した場合で考えてみましょう。
この場合、月々の返済額は、約18万円となりますが、借入金利が3%に上昇すると、月々の返済額が約21万円になります。

 

このように、借入金利が1%上昇するだけでも、毎月返済しなければならない金額は大きく増えることがわかるでしょう。

なお、借入金利が上昇するリスクにおいては、予測できないため回避することが困難です。
レバレッジを効かせるためにも、借入金利が上昇するリスクを押さえたうえで、余裕のある返済計画を立てることが大切です。

 

レバレッジ効果を活用してアパート経営を成功させるためには

アパート経営で、レバレッジを効かせる場合には、借入金利を低く、実質利回りを高くすることがポイントです。
くわえて、イールドギャップをできるだけ高く、実質利回りが借入金利を上回っている状態を保ちつづけられるように意識しましょう。

 

借入金を低金利で利用するためには、すでに付き合いのある金融機関へ打診したり、物件の購入を検討している業者に紹介してもらったりすることがおすすめです。
また、実質利回りの高い物件を探す際は、入居者の状態や、家賃の下落リスクなどを考慮して、さまざまな条件の物件を確認することが大切です。

 

なお、イールドギャップには、借入金の返済期間が含まれていません。
そのため、アパート経営を成功させるためには、イールドギャップだけで収益性を判断するのではなく、借入金の返済期間も考慮することも重要です。

 

以下の記事では、アパート経営の基本的な知識を解説しています。自己資金を抑えてのアパート経営であれば挑戦してみたいと思ったものの知識がなく不安だと感じる方は、ぜひご覧ください。

アパート経営とは?基本的な知識や概要について徹底解説!

 

アパート経営のレバレッジ効果とは自己資金を抑えて高い収益性を得ること

いかがでしたか?
レバレッジ効果とは、自己資金を抑えて大きな資産運用を行い、収益性を高めることです。

 

同じ金額の自己資金でも、借入金を利用している場合のほうが、大きな収益を生み出せることがあります。
このように、同じ金額の自己資金に対して、大きな収益を得られることがレバレッジ効果だというわけです。

 

なお、借り入れを行ったことで、収益が下がってしまう逆レバレッジには注意しつつ、実質利回りや借入金利などの条件を考慮して物件を選びましょう。

 

株式会社マリモでは、多くの物件を提供しており間取りの種類も豊富です。
また、優良物件を多く抱えており、利用される方に最適な物件を提供しています。
豊富な経験から、初めてアパート運営される方でも安心してご利用してもらえます。

 

弊社の木造アパート経営の情報はこちらからご確認ください。

この記事の監修

監修者の写真

マリモ投資住宅事業本部

不動産事業を50年以上続けてきたマリモが、お客様目線でお役に立つ情報をお届けしています。 不動産投資初心者の方に向けての基礎知識から、経験者やオーナー様向けのお役立ち情報まで、幅広い情報の発信を心がけています。 部内の資格保有者(宅地建物取引士、一級建築士、一級施工管理技士、二級ファイナンシャル・プランニング技能士、管理業務主任者など)が記事を監修し、正しく新鮮な情報提供を心がけています。

この記事を読んだ人におすすめの記事

物件の詳細情報・資料請求はこちら!Contact & Document Request

販売価格・利回り・想定年間収入をはじめ掲載物件の詳細情報をまとめた資料(無料)をご用意しております。
興味をお持ちの投資家の皆様、この機会にぜひご覧ください。