一見したところ、敷居が高く難しそうに感じられる不動産投資も、どこにリスクが潜んでいるかを認識し、その回避方法を知ることで、グッと成功に近づくことができます。ここでは「立地・物件」という観点から、不動産投資のリスクについて紹介します。
- この記事の目次(読了までの目安時間:3分)
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- ・「東京=集客に強い」一概にそうは言えません
- ・状況次第で、地方でも収益物件が得られる!
- ・「人気のない都会」よりも「人気のある地方」!
- ・現地の「リアル」を知ることが、成功への近道!
「東京=集客に強い」一概にそうは言えません
静岡県で公務員として働くOさん。ある日、携帯に一本の営業電話がかかってきました。「東京で不動産投資をしませんか?」 続けて営業マンが言うには、「東京郊外の新築マンションのワンルームを全額ローンで購入可能。ローンは家賃収入から返済できる。納税や管理も管理会社が全部やります」とのこと。実はOさん、東京に不動産を持つということにかねてから憧れを持っていたのです。金銭的な負担感もないし、東京なら空室になるようなこともないだろう。そう考えたOさんは、物件購入を決意しました。
3年後、Oさんの状況は一変。賃料が取れなくなってきたのです。この間、物件のあるI市では、大企業の工場と大学の校舎の移転が立て続けに起き、ワンルームマンションの需要が一気に落ち込んでいました。これにより、賃料と返済額のバランスも激変。なんと、返済額が収入を上回るという事態に陥ってしまいました。
実はI市は、都内でも「陸の孤島」と呼ばれるほど交通の便が悪く、地価も路線価も下落傾向。たとえ家賃を見直しても、近々で満室になる可能性は低そう。危機感を感じたOさんは物件の売却を検討しましたが、見積額は購入時の「約半額」。まだローンはほとんど残っているため、売るに売れない状況に陥ってしまいました…。
状況次第で、地方でも収益物件が得られる!
香川県出身で、今は東京でサラリーマンとして働くTさん。ある年参加した同窓会で、不動産業を営む同級生からこんな話を持ちかけられました。「K駅徒歩3分の築浅中古マンションを購入しない? 利回りは15%とお得だよ」。 ゆくゆくは地元に帰ることを考えていたTさん。K駅は高松市内繁華街の中心にあり、地元を知るTさんにとっては、投資対象として「十分に元が取れるだろう」という安心感がありました。また、香川を離れて時間の経つTさんですが、現在も友人知人が多数住んでおり、「何か」あったときに頼める存在が多いのも魅力でした。実際に、友人の一人に日当たりや周囲に競合物件ができそうな空き地がないか、騒音や悪臭を放つ“嫌悪施設”がないことを確認してもらったそうです。
一方で懸念事項はありました。Tさんが東京に出ている間に、地元の人の流れは大きく変わっていたのです。郊外に大型ショッピングモールができ、買い物はそちらが中心になりました。ただ、高松市内の経済状況が回復傾向にあることで、少しづつ市内回帰の動きが見られるようになっていました。また、K駅ビル近くのデパートがリニューアルし、四国初出店のテナントも多数入るという情報を入手。「これからはK駅近くが熱い!」と確信し、物件の購入を決意しました。結果は大成功! デパートのリニューアル前後から物件は満室状態が続き、Tさんはここから得た家賃収入で、新たな物件の入手を検討し始めています。Tさんのご両親もTさんと地元の接点ができたことを喜んでいるそうです。
「人気のない都会」よりも「人気のある地方」!
Oさんの失敗は、東京のイメージばかりが先行し、土地勘のない土地で投資を始めてしまったことが原因です。I市のワンルームのニーズが特定の施設に依っていたこと、交通の利便性にかけ、人気の土地とは言い難く地価も路線価も下落傾向にあったこと…。失敗に至る要素はいくつもありますが、それらは調べれば、普通の人でも簡単に分かることでした。
「首都圏で人気のない立地」よりも「地方でも人気のある立地」のほうが、はるかに投資効果が高いのは言うまでもありません。Oさんがお住まいの静岡にも、隣県にも、人気のスポットはきっと存在します。不動産投資は「どこに何を買うか」で決まると言われます。「どこ」にあたる立地選びは、十分な時間と労力をかけて行いましょう。インターネットや雑誌を見れば、どの地域でどこが人気を集めているスポットなのかということも、容易に確認が可能です。
現地の「リアル」を知ることが、成功への近道!
気にった物件が見つかったら、なるべく現地での確認を行いましょう。「行かないと分からない」情報は必ずあります。Tさんの場合、もともと地元で地縁があったということだけではなく、友人・知人の協力を得て地域の状況を念入りに確認することができたのがポイントです。たとえ自分で現地に赴くことができなくても、何らかの縁をたどってみるという方法もあります。実際に現地に住む人の話は、物件の将来性に関するヒントとなることもあります。「リアル」を知り、効果的な不動産投資へと活かしましょう!