アパート経営にひそむリスクとは?回避策も紹介
「貯蓄から投資へ」の風潮が強まりつつあるなかで、アパートの経営に興味がある方も少なくないことでしょう。
本記事では、アパート経営のメリット・デメリット、アパートを経営することで抱えるリスクなどを詳しくご紹介します。
不動産投資を始めたいと考えている方や、仕組みにご興味のある方はぜひ最後までご覧ください。
Contents
アパート経営とは
アパート経営とは、複数の住宅ユニットから構成される建物を所有し、それらを賃貸契約によって個別に貸し出す経営方法です。
アパート経営者は、不動産の運営や入居者の管理、家賃の収集などを行い、安定した収益を得ることを目指します。
ニーズの高い住宅市場においては、アパート経営はひとつの有益な投資手段とされています。
アパート経営のメリット
ここからは、アパート経営のメリットを解説していきます。
ここでは、以下の4つを取り上げます。
- 相続税対策になる
- 収益の安定化を図れる
- 節税対策になる
- 不労所得が得られる
それぞれ確認してください。
相続税対策になる
アパート経営は、その安定した収益と税制上のメリットにより、相続税対策として非常に魅力的です。
とくに、相続税対策の一環として、アパート経営を始めることは、多くのオーナーにとって有効な手段となっています。
アパート経営の大きなメリットのひとつは、その賃貸収入が生活費や相続税の支払いに充てられることです。
また、不動産の価値が時間とともに増加する可能性もあります。
さらに、アパート経営による安定収入は、相続が発生した際の税金支払いの負担を軽減するのに役立ちます。
しかし、アパート経営には専門的な知識が必要であり、適切な管理やメンテナンスが求められます。
これらを怠ると、収益性が下がり、最終的には相続税対策としての効果も薄れることになります。
したがって、相続税対策としてアパート経営を行う場合、専門家の意見を聞くことが非常に重要です。
収益の安定化を図れる
アパート経営は、長期的な収益の安定化を図る有効な手段です。
とくに、実質利回りが2〜6%という相場からも、適切な物件選びと経営戦略を実行すれば安定した収益が見込めます。
たとえば、2000万円の物件で年間家賃収入が200万円なら利回りは10%となり、資産の有効活用を図れます。
しかし、税金や修繕費などの支出も考慮し、実際の収益力を正確に把握することが重要です。
また、アパートの立地や築年数によって家賃が変動するため、利回りの計算においてもこれらの要因を考慮する必要があります。
適切な利回りを実現するためには、物件の価格、立地、賃貸需要の3つの要素を総合的に評価し、賢明な投資判断を行うことが求められます。
節税対策になる
アパート経営は、節税対策に効果的な手段のひとつです。
資産価値を有効活用し、収入源を確保することで、税負担を軽減することが可能になります。
たとえば、固定資産税や所得税の節税が期待でき、投資による収益と経費のバランスを適切に管理することで、税金の負担を減らせるからです。
とくに新築アパートの建築における初期投資は、減価償却費として計上でき、節税に直結します。
さらに、アパート経営に関連する経費(修繕費、広告費、管理費など)も税金控除の対象となります。
これにより、実際の所得を下げることができ、所得税の負担を軽減できるでしょう。
しかし、節税効果を最大限に活かすためには、物件選びや経営計画の段階で慎重に検討することが重要です。
たとえば、立地や物件の質、入居率などによって収益性が大きく異なるため、これらの要因を考慮した上で、節税のメリットを享受できます。
アパート経営を通じて節税を行うことは、ただ単に税金を減らすだけではなく、長期的な資産運用戦略の一環として考えることが大切です。
適切な計画と管理により、節税効果を最大化し、持続可能な資産運用を目指しましょう。
以下の記事ではアパート経営によって見込める節税効果と対策を解説しています。ぜひご覧ください。
アパート経営によって見込める節税効果と節税対策する際の注意点
不労所得が得られる
アパート経営のメリットのひとつは「不労所得が得られる」ということです。
アパートを所有し、入居者から家賃を受け取ることで毎月の収益が得られます。
適切な管理と入居率の維持により、一定の安定した収入が期待できます。
また、入居者の問題や設備の修繕などの日常的な業務は、専門の管理会社に委託することで手間を減らすことも可能です。
これにより、自分自身の時間を他の活動や休息に充てることができます。
アパート経営のデメリット
次は逆に、アパート経営のデメリットを見ていきましょう。
ここでは、以下4つのデメリットを解説していきます。
- 運用工数が多い
- 築年数には抗えない
- 迅速なクレーム対応が求められる
- さまざまなリスクが伴う
それぞれ確認してください。
運用工数が多い
アパート経営のデメリットのひとつは「運用工数が多い」ということです。
管理業務や入居者とのコミュニケーション、定期的な修繕やメンテナンスなど、日常的な作業が必要です。
とくに初期段階では、テナント探しや契約手続きに時間と労力を要します。
また、トラブルの対応や賃料の集金なども運用者の責任となります。
これらの作業は継続的に行われるため、時間的な負担やストレスが発生することもあるでしょう。
適切な計画と効率的な運営体制を構築することが重要です。
築年数には抗えない
アパート経営のデメリットのひとつは「築年数には抗えない」ということです。
古い建物は設備や構造の劣化が進み、修繕・リノベーションの費用がかかる傾向があります。
また、新築物件に比べて入居者の需要が低下する可能性もあります。
より魅力的な環境を提供するために、定期的な改修や施設の改善が必要となるため、コストや手間が増えることもあります。
投資の際には建物の築年数や将来的なメンテナンス費用を考慮しましょう。
迅速なクレーム対応が求められる
アパート経営のデメリットのひとつは「迅速なクレーム対応が求められる」ということです。
入居者からの苦情や問題が発生した場合、すぐに対応する必要があります。
放置すると入居者の満足度が低下し、退去や口コミでの悪評につながる可能性もあります。
そのため、適切なコミュニケーションや問題解決のスキルが求められるでしょう。
また、クレーム対応には時間と労力がかかることもあり、運用者の負担が増えることも考慮すべきです。
さまざまなリスクが伴う
アパート経営のデメリットのひとつは「さまざまなリスクが伴う」ということです。
たとえば、入居者からの滞納やトラブル、火災や地震などの災害リスク、法律や規制の変更による影響などが挙げられます。
また、経済や不動産市場の変動による影響も挙げられるでしょう。
詳細は後述しますが、市況を把握し、潜在的なリスクも考慮しながら慎重に取り組む必要があります。
アパート経営が抱えるリスク
ここからは、アパート経営が抱えるリスクを紹介していきます。
一般的に、以下の3つに大別されます。
- 経済のリスク
- 運営リスク
- 建物のリスク
それぞれ見ていきましょう。
リスク①経済のリスク
まずは「経済のリスク」から見ていきましょう。
これには、以下の2つが含まれます。
- 金利変動
- 増税
それぞれ確認してください。
金利変動
アパート経営のリスクのひとつは「金利変動」です。
金利が上昇すれば、借入金の返済負担が増え、運用収益が減少する可能性があります。
また、金利変動により資金調達が困難になる場合も。
リスクを軽減するために、固定金利の借入や、金利に敏感な地域や需要の見込めるエリアでの投資などが考慮されます。
定期的に金利動向をチェックして、適切な対策を講じることが重要です。
増税
アパート経営のリスクのひとつは「増税」です。
政府の税制改革や経済状態により、不動産関連の税金や手数料が増加する可能性があります。
増税により、収益が減少する可能性があるため、資金計画や収支予測の見直しが必要です。
また、増税により入居者が家賃の減額を望む場合もあります。
増税リスクを軽減するためには、税金や法律の変更に敏感に情報を収集し、適切な対応を行う必要があります。
リスク②運営リスク
次に「運営リスク」です。
具体的には、以下の5つが挙げられます。
- 空室
- 家賃下落
- 滞納
- トラブル
- 管理会社のサービス品質
それぞれ見ていきましょう。
空室
アパート経営のリスクのひとつは「空室」です。
人口減少や物件の飽和、建物の老朽化などにより入居者の需要が減少すると、空室率が上昇し、賃収入が減少します。
空室による収益減は、運営費用のカバーも困難になる可能性があります。
空室リスクを軽減するために、需要の高い地域での物件選定やリフォーム、入居者の需要に合わせたサービスの提供などが重要です。
また、マーケティングや広告活動を通じて、入居者の獲得を積極的に行うことも大切です。
家賃下落
アパート経営のリスクのひとつは「家賃下落」です。
需要の低下や競争の激化などにより、地域の家賃相場が下がると、入居者からの家賃収入が減少します。
家賃下落により、運営収入が減少し、経営の安定性が損なわれる可能性があるでしょう。
家賃下落リスクを軽減するためには、市場動向や需要の変化を常にモニタリングし、適切な価格戦略やマーケティングを展開する必要があります。
また、入居者満足度の向上や提供する付加価値サービスの充実も重要です。
滞納
アパート経営のリスクのひとつは「滞納」です。
入居者が家賃を滞納すると、賃収入が減少し、キャッシュフローに影響を及ぼします。
滞納の程度や頻度によっては、運営コストをカバーすることが難しくなる場合もあります。
滞納リスクを軽減するためには、徹底的な入居者審査や債権管理、入居者との円滑なコミュニケーションが重要です。
また、滞納対策としての早期債権回収や滞納予防の取り組みも欠かせません。
以下の記事では、家賃滞納住民の対処法を解説しています。ぜひあわせてご覧ください。
アパート経営の不安要素!家主なら知っておきたい家賃滞納住民の対処法
トラブル
アパート経営のリスクのひとつは「トラブル」です。
入居者同士のトラブルや不法侵入、修繕やメンテナンスに起因する問題などが発生する可能性があります。
これらのトラブルは、入居者満足度の低下や法的な問題に発展する恐れがあり、経営に悪影響を及ぼすことがあります。
リスクを軽減するためには、入居者間のコミュニケーションを活発化させるとともに、適切な法的措置や予防策を講じる必要があります。
定期的な点検や早期対応なども重要です。
管理会社のサービス品質
アパート経営において、管理会社のサービス品質は重要なリスクです。
管理会社のサービスが不適切であると、入居者からの苦情やクレームが増え、入居率や退去率に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、適切な管理ができないことで、修繕やメンテナンスの遅延、賃貸契約の違反などの問題が生じる恐れもあります。
リスクを軽減するには、信頼性のある管理会社を選定し、契約内容やサービス品質について明確な合意をすることが重要です。
また、定期的な監査やフィードバックの受け入れも重要です。
リスク③建物のリスク
最後に紹介するのが「建物のリスク」です。
具体的には、以下の3つなどが挙げられます。
- 老朽化
- 修繕費の増大
- 災害
それぞれ確認してください。
老朽化
アパート経営におけるリスクのひとつは「老朽化」です。
年数が経つにつれ、建物の設備や構造物が劣化し、修繕や改修が必要になります。
老朽化が進むと、入居者の安全や快適さに影響を与える可能性があります。
また、修繕費用の増加や入居者の退去リスクも高まるでしょう。
リスクを軽減するためには、定期的な点検やメンテナンスを行い、必要な時には適切な修繕やリノベーションを行うことが重要です。
修繕費の増大
アパート経営において、修繕費の増大は重要なリスクです。
建物や設備の老朽化や故障などが生じると、それに対する修繕や交換が必要となります。
修繕費が増大すると、経費が増加し利益が減少するだけでなく、資金不足やキャッシュフローの問題が生じる可能性もあります。
リスクを軽減するためには、定期的な点検やメンテナンスを行い、予防的な措置を取ることが重要です。
また、適切な予算計画や修繕積立金の設置も検討するべきです。
災害
アパート経営におけるリスクのひとつは「災害」です。
自然災害や火災などが発生すると、建物や設備が被害を受ける可能性があります。
被害により入居者が避難したり、修繕や再建が必要になったりします。
これにより入居率の低下や収入の減少、損害賠償責任の問題も発生するかもしれません。
リスクを軽減するためには、適切な保険の加入や防災対策の徹底、緊急時の対応計画の策定が重要です。
アパート経営を成功させるためのコツ
アパート経営を成功させるためのコツは、利回りの理解と物件選びです。
利回りはアパート建築や購入にかかる投資額に対する利益の割合で、適切な利回りを知ることが成功のための第一歩となります。
理想の利回りは、表面利回りで約8%、実質利回りで4〜7%とされています。
物件の種類(新築や中古)によって利回りの基準は変わりますが、立地条件や投資額による変動も考慮すべきです。
また、表面利回りと実質利回りの違いを理解し、経費を考慮した実質利回りを重視することが重要です。
ちなみに、新築アパートの理想的な実質利回りは一般的に2〜5%程度で、最低ラインは3%と言われています。
一方、中古アパートの場合、利回りは築年数によって変わり、首都圏では築10年以下で7%程度、築10〜20年で7〜8%、築20年以上で10%程度が相場となります。
これは、新築物件が最新の設備やデザインを提供する一方で、建築費用が高くなる傾向があるためです。
一方で中古物件は、物件価格が低いため、比較的高い利回りを実現しやすくなります。
ただし、中古物件はメンテナンスコストや空室リスクを考慮する必要があります。
アパート経営において、利回りは重要な指標ですが、物件の選択や管理戦略によって大きく変わる可能性があるため、慎重な検討が必要です。
たとえば、家賃収入以外の方法を検討するのもひとつの手です。
駐車場や駐輪場の貸し出し、自動販売機の設置、管理費の見直し、ホームステージングの実施などが有効です。
また、入居者に人気の設備を追加し、空室率を減らすことも重要です。
利回りのみに注目せず、立地条件、物件の状態、市場動向などを総合的に考慮することが、賢明な投資判断につながるでしょう。
当然ですが、物件選びでは、利回りだけでなく、立地や物件の状態、市場の動向も考慮しましょう。
とくに、アパートの設備や空室率、地域の賃貸市場の状況を詳細に調査することが、長期的な安定した収益を生み出すために不可欠です。
また、将来の資産価値の見込みや、メンテナンスの容易さも検討すべきポイントです。
賢い物件選びで、安定したアパート経営を実現しましょう。
アパート経営において気をつけるべきポイント
アパート経営において気をつけるべきポイントはいくつかあります。
まず、入居者募集時には適切なテナントスクリーニングを行い、信頼性の高い入居者を選ぶことが重要です。
また、定期的な点検・メンテナンスを行い、建物や設備の状態を確認し、早期対応することも大切です。
さらに、賃料や家賃収入の適切な設定や適切な保険の加入も見逃せません。
これらのポイントに注意し、効果的な管理を行うことが成功への鍵です。
アパート経営のリスクは経済のリスクと運営リスクの2種がある
今回は、アパート経営のリスクについて解説してきました。
アパート経営のリスクは大きく経済のリスクと運営リスクの2つに分けられます。
経済のリスクは景気変動や増税、賃料滞納など経済状況に起因するリスクであり、収入が減少する可能性があります。
一方、運営リスクはテナントトラブルや設備の故障、災害などの予期せぬ事態によって直接的な影響を受けるリスクです。
両者のリスクを適切に管理し、安定的な運営を目指す必要があります。
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