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アパート経営に必要な自己資金の目安はどのくらい?利用可能なローンも紹介

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アパート経営は、長期的に安定した収入を得られる資産運用方法ですが、始めるには多額の初期費用を必要とします。
その初期費用のなかで、自己資金がどのくらい必要なのか気になる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

そこで本記事では、アパート経営に必要な自己資金を、利用できるローンとともに詳しく紹介します。
自己資金の目安を知り、より具体的な経営の計画を立てたい方はぜひ最後までご覧ください。

 

アパート経営の概要

アパート経営とは、所有するアパートの部屋を貸し、家賃収入を得る貸家業のことです。
建売のアパートを購入したり、一から建てたりして経営を始めます。
賃貸の需要は広く存在しているため、株式投資よりも景気の影響を受けづらいのが特徴です。

 

アパートとマンションの違いは、構造や階層数です。
不動産会社ごとに定義は若干異なりますが、主に木造や軽量鉄骨造の3階以下の物件をアパートといいます。

アパート経営は、収入を得ることをはじめとして節税対策や生命保険の代わりなど、さまざまな目的で始める方がいらっしゃいます。

アパート経営を始めるまでの流れ

アパート経営は、以下の工程で始めます。

 

アパート経営を始めるまでの流れ

  1. 経営プランの相談・見積もりの依頼
  2. 契約・着工
  3. 土地・建物登記
  4. 各種書類の準備・提出
  5. 管理会社との契約・入居者の募集
  6. 竣工

上記の工程のなかでも、特に重要なのが最初の経営プランです。
検討しているエリアやアパートの規模、どのくらいの収益を得たいのかを具体的に考えたうえで不動産会社や建築会社に相談しましょう。
アパート経営の目的を明確化することで、より適切な提案を受けられます。

アパート経営を始める際の自己資金の目安

アパート経営を始めるために必要な自己資金の目安は、物件の規模や年収によって変わるものの、物件価格の10~30%程度といわれています。
自己資金で補えない分は、ローンを組んで支払います。

 

たとえば、1億円のアパートを購入するのであれば、自己資金は1,000万~3,000万円程度、ローンの借入額は7,000万~9,000万円程度です。

 

自己資金が多いほど、返済額が小さくなるうえ、金融機関からの審査も通りやすくなり、低金利でローンを組むことができます。
一方で、自己資金を過剰に投入して手元にお金を残さなかった場合、突然の修繕費や空室発生時のローンの返済が賄えない可能性もあります。

 

したがって、ご自身の手元にお金を残す余裕を持ちながら、経営できる規模のアパートを選ぶことが大切です。

アパートローンの種類

アパート経営を始めるにあたって、自己資金以外の資金はローンを組んで補います。
ここでは、アパート経営で利用できる主な4種類のローンを、その特徴とともに詳しく紹介します。

提携ローン

提携ローンとは、不動産会社が金融機関と提携し、独自のプランで提供しているアパートローンのことです。

 

提携ローンのメリットは、低金利で審査期間が短いため、利用しやすい点です。
また、不動産会社が手続きを仲介してくれるのでスムーズに進みます。
しかし、プランが限られていることが多く、ご自身に合ったローンを選べない場合があります。

 

ローンの審査が比較的通る傾向にあるので、資金面に不安を抱えている方におすすめです。

プロパーローン

プロパーローンは、金融機関が保証会社を通さずに、独自に融資を行うアパートローンです。

 

融資額や資金の用途が限定されず、柔軟に融資を受けられるのが特徴です。
そのぶん、保証付きのローンよりも自己資金や経営計画に対する審査は厳しく、審査期間が長い傾向があります。

 

審査を通過すれば、好条件で借り入れることができるので、資金や年収が多く、アパート経営の計画が綿密に立てられている方は、ぜひ検討してみてください。

ノンバンク

アパート経営の資金調達方法として、クレジット会社や信販会社などのノンバンクから融資を受ける方法もあります。

 

ノンバンクからの融資は、ほかのアパートローンに比べて審査のスピードが早く、返済期間が短いのがメリットです。
その反面、金利が高く、ローンの返済額が多くなるのが難点です。

 

このような特徴から、審査の長いアパートローンを組むときに、つなぎの役割として利用されます。

住宅金融支援機構

アパート経営を始めるにあたって、民間の金融機関だけでなく、独立行政法人の住宅金融支援機構から融資を受けることも可能です。

 

住宅金融支援機構では、「子育て世帯向け省エネ賃貸住宅建設融資」と「サービス付き高齢者向け賃貸住宅建設融資」の2通りの融資を行っています。
どちらもアパート経営を始めるまでにかかる、ほとんどの費用を融資してもらえるため、自己資金が少ない方でも安心です。
また、固定金利で安定しており、15年と35年の2つの返済期間からご自身に合った方法を選べます。

 

一方でデメリットとして、建設基準が設けられているうえに、入居対象者が“子育て世帯”“高齢者”のように限定される点が挙げられます。

 

住宅金融機構の融資は、信頼性の高い公的機関で、ローンを組みたい方に向いているアパートローンといえるでしょう。

アパート経営でかかる初期費用

アパートの初期費用は、自己資金とローンを組むことで用意しますが、どのような費目があるのでしょうか?
ここからは、アパート取得にかかる初期費用を、建設費と建設費以外の2つに分けて詳しく解説していきます。

建設費

建設費には、本体工事費と建物付帯工事費の2種類が含まれます。
自己資金の目安となる「物件価格」は、この2種類を足し合わせた金額のことです。

 

ここでそれぞれの建設費について確認し、自己資金や全体の費用の相場感を掴みましょう。

本体工事費

本体工事費は、新築アパートの設計や建築にかかる取得費用で、建材の費用のほか、作業員の人件費も含まれます。
工事費用は、アパートの構造や規模によって異なります。

 

アパートの坪単価の目安を、構造別にまとめました。

 

構造別の本体工事費の坪単価

構造別 坪単価の目安
木造 70万~100万円程度
軽量鉄骨造 80万~110万円程度
鉄筋コンクリート 90万~125万円程度

実際の建築費は、階数や立地、建設会社によっても異なりますが、上記の坪単価を目安に考えるとよいでしょう。
たとえば、50坪の木造アパートを建てる場合の本体工事費は、3,500万~5,000万円程度です。

 

本体工事費は、初期費用の70~80%程度を占めており、アパート経営の初期費用のなかでもっとも高い費目といえます。

建物付帯工事費

建物付帯工事費とは、外構工事や給水工事などの、建物以外にかかる初期費用のことです。
大手の建築会社であれば、本体工事費に含めて工事できますが、中小の建築会社では施工できない場合があります。
そのようなときは、建物付帯工事として別の業者に依頼することが求められます。

 

主な建物付帯工事は、以下の通りです。

 

付帯工事の種類と内容

種類 内容
地盤調査・改良工事費 地盤を調査し、必要に応じて補強を行う工事
給水工事費 給排水管の引き込み工事
解体工事費 建て替えの際の解体に関わる工事
外構工事費 門や庭、駐車場に関わる工事

上記のほかに、施工会社によっては、空調や照明器具の取り付け工事を建物附帯工事費に含めるケースがあります。
付帯する設備によって相場は変わりますが、初期費用の15~20%が目安です。

建設費以外の初期費用

アパートの建設費のほかに、以下の初期費用がかかります。

 

建設費以外の費用一覧

  • 登記費用
  • 火災保険・地震保険
  • 不動産取得税
  • 印紙税
  • アパートローン関連費

上記のように、建設費以外にもさまざまなコストが発生します。
アパートの建設費以外でかかる費用の目安は、初期費用の5~10%です。

 

ここからは、それぞれの費用の内容や、どのくらいかかるのかを紹介していきます。

登記費用

アパート経営を始めるためには、「抵当権設定登記」「所有権保存登記」の届け出が必要となります。

 

アパートローンを組んだ場合に、アパートに対して抵当権を設定する登記を、抵当権設定登記といいます。
一方で、所有権保存登記は、アパートが自身の持ち物であることを証明する登記です。

 

建築するアパートの規模にもよりますが、上記の2つの登記費用で、20万~50万円程度かかります。

火災保険・地震保険

アパート経営では、火災や自然災害による損害に備えて、火災保険や地震保険に加入するのが望ましいです。

 

特に、火災保険はローンを組む際の条件となっている場合があるので、必須といっても過言ではありません。
また、地震保険は、火災保険に付帯して加入する保険なので、火災保険に加入する際に検討してみてください。

 

費用の相場は、10年契約の火災保険で50万円程度、地震保険付きの5年契約で30万~50万円程度です。

不動産取得税

土地やアパートを取得する際には、不動産取得税がかかります。

 

不動産取得税は、「固定資産税評価額×税率(3%)」で求められます。
固定資産税評価額は、各市区町村が管理している不動産の公的な価格のことで、一般的に時価の7割程度の金額です。
なお、アパートの床面積が40㎡以上240㎡以下の場合は、1,200万円の控除を受けられる軽減措置があります。

 

例として、5,000万円のアパートを取得したケースの、不動産取得税を算出してみましょう。
時価が5,000万円なので、固定資産税評価額は7割の3,500万円です。
不動産取得税の計算式に当てはめて計算してみると、「3,500万円×3%=105万円」で105万円と求められます。
軽減措置の要件を満たしている場合は、「3,500万円-1,200万円×3%=69万円」となります。

 

不動産取得税はアパートの購入時や完成時でなく、購入後半年~1年半のあいだに請求されるので、支払時期に注意しなければなりません。

印紙税

アパート購入の売買契約書や、アパートローンの金銭消費貸借契約書は、課税文書に該当するため、印紙税を納める必要があります。

 

印紙税は、印紙税法で定められた文書や契約書を作成するときに課される税金です。
契約金額に応じて収入印紙を貼付し、消印することで納税します。
アパート経営に関する、契約金額ごとの印紙税額は以下の通りです。

 

契約金ごとの印紙税(一部抜粋)

契約金額 税額
300万円超500万円以下 2,000円
500万円超1,000万円以下 1万円
1,000万円超5,000万円以下 2万円
5,000万円超1億円以下 6万円
1億円超5億円以下 10万円

アパート購入やアパートローンの契約では、数千万の金額を要することが多いので、そのぶん支払う印紙税も高額になります。

アパートローン関連費

アパートを経営するにあたってローンを組む場合は、初期費用として保証料と事務手数料がかかります。

 

保証料とは、ローンを完済できなくなった際に、ローン残高を肩代わりしてくれる保証会社に支払う保証料のことです。
保証料の目安は、借入額の2%程度で、4,000万円のローンを組んだのであれば80万円程度かかります。

 

一方で、事務手数料はローンを組んだ金融機関に支払う費用で、料金がもともと定まっている定額制と、借入額に応じて変動する定率制の2つがあります。
定額制の場合であれば3万円程度、定率制の場合は借入額の1~3%程度が費用の目安です。

 

以下の記事では、これからアパート経営に挑戦しようという方へ向けて、発生する初期費用の内訳や月々のランニングコストを紹介しています。ぜひあわせてご覧ください。
アパート経営にかかる初期費用の内訳と目安を徹底解説!

アパート経営を維持するのに必要な費用

アパートを経営していくうえでは、初期費用だけでなく、維持費もかかります。
特に経営を始めて間もないときは、収益が見込めず、自身の手持ちの資金から費用を賄わなければならない可能性もあります。

 

そのような場合に備えるためにも、どのような維持費がかかるのか、ここで把握しておきましょう。

 

アパート経営でかかる主な維持費

  • 賃貸管理費
  • 修繕費
  • リフォーム費
  • 光熱費
  • 退去後の原状回復費
  • 広告費
  • ローンの返済金
  • 仲介手数料
  • 損害保険料
  • 専従者への給与
  • 租税公課

上記のなかでも、賃貸管理費やローンの返済金、租税公課は維持費の大半を占めるので、適切に管理することが求められます。

 

なお、安定してアパートを経営していくためには、家賃収入に対する維持費の割合を15~20%に抑えることが理想とされています。
ご自身が、アパート経営を始める際の目安にしてみてください。

アパート経営に潜むリスクと対策

アパート経営は、長期的に安定した収入を得られる人気の資産運用方法ですが、その一方でリスクがあることも忘れてはなりません。
ここからは、アパート経営で注意すべき3つのリスクと、その対策方法について詳しく解説していきます。

空室によるリスク

アパート経営における最大のリスクは、空室によって家賃収入が下がることです。
空室が続き、当初計画した家賃収入を得られなければ、ローンの返済金や必要経費の負担が大きくなり、最悪の場合は赤字を招いてしまいます。

 

空室を作らないために重要なのは、「地域に適したターゲティングを行うこと」「ニーズを満たした間取りや構造を設置すること」の2つです。

 

たとえば、通勤・通学の方が多い地域であれば、駅やバス停の近くのアパートのほうが需要は高いでしょう。
ファミリー層を住人に想定するなら、余裕のある間取りや防音性に優れた構造が求められます。

 

このように、ターゲットに寄り添ったアパート経営を行うと、地域内での人気が高まり、空室を発生させるリスクを下げることができます。

老朽化によるリスク

アパートを経営していくなかで、建物の老朽化は避けられません。
建物の老朽化を放置しておくと、修繕費の増額や入居者の減少、家賃の低下などのリスクを招きます。

 

これらのリスクを回避するために、必要な時期に修繕工事を実施したり、こまめにメンテナンスしたりすることでアパートの老朽化を遅らせましょう。
また、大規模な工事に備えて、家賃の一部を財源として修繕費を積み立てておくことも大切です。

災害によるリスク

アパートを経営していくなかで、洪水や大雪、地震など、さまざまな災害に遭う可能性があります。
建物が浸水、また倒壊した場合は、多額の修繕費がかかり、原状回復するまでの収入の確保も困難です。

 

このようなリスクに備えて、火災保険や地震保険に加入しておきましょう。
火災保険には、水害や雪害などの損害に対しての補償が含まれており、幅広い災害に対応できます。
地震保険は、地震による被害に特化した保険で、火災保険だけでは補うことのできない部分もカバーします。

 

地域のハザードマップからどのような災害が多いのかを確認し、ご自身のアパートに必要な保険への加入を検討してみてください。

健全なアパート経営を行うコツ

アパート経営を成功に導くためには、健全な経営を続けていくことが求められます。
そこでここでは、健全にアパートを経営していくための3つのポイントを解説します。

ポイント①収支計画を入念に立てる

アパート経営を健全に行っていくためには、業者に現実的な収支計画を作成してもらうことが大切です。
アパート経営は、アパートの築年数が経つにつれて家賃が安くなり、空室率も下がっていくものです。
このような事情をシミュレーションしていない収支計画では、少しずつ計画がずれていき、取り返しのつかない状況に陥ってしまうかもしれません。

 

ですので、業者には、少し厳しいと感じるくらい保守的な収支計画を立ててもらうことが望ましいです。
シミュレーションを繰り返し、納得のいく収支計画を完成させましょう。

ポイント②自己資金を多く入れる

初期費用における、自己資金の割合を高くすることも健全なアパート経営につながります。

 

その理由は、自己資金を多く用意することでローンの借入額を抑え、月々の返済額を軽減できるからです。
ローンの返済額が多く、充分な収益を得られていないと、修繕や空室などによる突然の出費で経営が苦しくなってしまいます。

 

アパート経営は、最低でも初期費用の10%程度の自己資金があれば始められますが、余裕を持ちたいのであれば、30%程度用意できると安心です。

ポイント③良質な管理会社を選ぶ

アパート建設後は、管理会社による管理が、経営を成功させるためのカギとなってきます。

 

アパート経営のリスクの大半は、良質な管理会社に委託すれば回避できます。
たとえば、空室のリスクは、入居率の実績が高く、営業力のある管理会社と提携することで解決できるものです。
管理事業に携わる人員が豊富な管理会社であれば、入居者トラブルも早急に対応してくれます。

 

このように、管理会社選びは、健全なアパート経営を行っていくうえで欠かせません。
管理会社を選ぶ際は、手数料の金額だけでなく、サービス内容も念入りに精査してみましょう。

アパート経営を始めるのにかかる資金は、物件価格の10~30%程度

本記事では、アパート経営を始める際に必要な自己資金を、利用できるローンとともに紹介しました。

 

アパート経営を始めるためには、物件価格の10~30%の自己資金を用意する必要があります。
残りの費用は、金融機関でローンを組み、家賃収入で月々返済していくのが一般的です。
提携ローンやプロパーローンなどのなかから、ご自身の状況に適したアパートローンを選びましょう。

 

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この記事の監修

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マリモ投資住宅事業本部

不動産事業を50年以上続けてきたマリモが、お客様目線でお役に立つ情報をお届けしています。 不動産投資初心者の方に向けての基礎知識から、経験者やオーナー様向けのお役立ち情報まで、幅広い情報の発信を心がけています。 部内の資格保有者(宅地建物取引士、一級建築士、一級施工管理技士、二級ファイナンシャル・プランニング技能士、管理業務主任者など)が記事を監修し、正しく新鮮な情報提供を心がけています。

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