収益物件とは?メリット・デメリットも解説
「貯蓄から投資へ」の風潮が強まりつつあるなかで、アパートの経営に興味がある方も少なくないことでしょう。
本記事では、収益物件の基礎知識やメリット・デメリット、物件の購入方法と選ぶ際のコツなどを詳しく解説していきます。
不動産投資を始めたいと考えている方や、仕組みにご興味のある方はぜひ最後までご覧ください。
Contents
収益物件とは
収益物件とは、不動産を所有し、賃貸や貸店舗などの収入を得る目的で購入される物件のことです。一般的にアパート、マンション、商業ビルなどが該当します。
収益物件は、定期的な家賃収入により運営費やローンの返済を行い、同時に不動産自体の価値も上昇する可能性があります。
投資家にとっては、安定した資産形成の手段です。
収益物件の種類
収益物件の種類は多岐にわたります。
まず、賃貸アパートやマンションなど、住宅として使用される不動産があります。
また、オフィスビルなど、事務所に使用される不動産物件もあります。
さらに、貸店舗や貸倉庫など、商業系の用途に使用される不動産物件も収益物件です。
これらの物件は、それぞれの用途に応じた需要と収益を生み出し、賃貸収入を得ることができます。
収益物件のメリット
ここからは、収益物件のメリットを解説していきます。
主なメリットとしては、以下の3つが挙げられます。
- 税金対策になる
- レバレッジが効く
- 収益の安定化を期待できる
それぞれ見ていきましょう。
税金対策になる
アパート経営は、税金対策に効果的な手段の一つです。
資産価値を有効活用し、収入源を確保することで、税負担を軽減することが可能になります。
たとえば、投資による収益と経費のバランスを適切に管理することで所得税の節税が期待できます。とくに新築アパートの建築における初期投資は、減価償却費として計上でき、節税に直結します。
さらに、アパート経営に関連する経費(修繕費、広告費、管理費など)も税金控除の対象となります。
これにより、実際の所得を下げることができ、所得税の負担を軽減できるでしょう。
しかし、節税効果を最大限に活かすためには、物件選びや経営計画の段階で慎重に検討することが重要です。
たとえば、立地や物件の質、入居率などによって収益性が大きく異なるため、これらの要因を考慮した上で、節税のメリットを享受できます。
アパート経営を通じて節税を行うことは、ただ単に税金を減らすだけではなく、長期的な資産運用戦略の一環として考えることが大切です。
適切な計画と管理により、節税効果を最大化し、持続可能な資産運用を目指しましょう。
以下の記事では、アパート経営で期待できる節税効果を解説しています。ぜひあわせてご覧ください。
アパート経営によって見込める節税効果と節税対策する際の注意点
レバレッジが効く
収益物件のメリットのひとつは、レバレッジの効果です。
つまり、自己資金に対して借入資金を活用することで、小さい資金で大きな投資効果を上げることができます。
不動産投資では、自己資金と借入金を組み合わせて物件を購入することで、見た目の利回り以上の収益を得ることができるのです。
レバレッジ効果は不動産投資家にとって魅力的な要素であり、資産成長の加速を促す重要な要素といえます。
収益の安定化を期待できる
アパート経営は、長期的な収益の安定化を図る有効な手段です。
とくに、実質利回りが2〜6%という相場からも、適切な物件選びと経営戦略を実行すれば安定した収益が見込めます。
たとえば、2000万円の物件で年間家賃収入が200万円なら利回りは10%となり、資産の有効活用を図れます。
しかし、税金や修繕費などの支出も考慮し、実際の収益力を正確に把握することが重要です。
また、アパートの立地や築年数によって家賃が変動するため、利回りの計算においてもこれらの要因を考慮する必要があります。
適切な利回りを実現するためには、物件の価格、立地、賃貸需要の3つの要素を総合的に評価し、賢明な投資判断を行うことが求められます。
収益物件のデメリット
次は逆に、収益物件のデメリットを見ていきましょう。
主なデメリットは、以下の2つです。
- 空室リスクがある
- 運用コストがかかる
それぞれ解説していきます。
空室リスクがある
収益物件のデメリットのひとつは、空室リスクです。
空室が続くとアパートの収益性は低下します。
このリスクを軽減するためには、物件の魅力を高めるためのリノベーションや、家賃の適正設定、マーケティング戦略の強化が重要です。
また、地域の需要や競合物件の調査なども行い、テナントの入居率を上げる努力が求められます。
空室リスクを最小限に抑えることで、収益物件の安定的な収入獲得が可能となります。
以下の記事では、アパート経営の全体像と具体的な空室対策の方法について、詳しく解説しています。ぜひあわせてご覧ください。
アパートの空室対策アイディア13選!空室対策をする際の注意点も紹介
運用コストがかかる
収益物件のデメリットのひとつは、運用コストがかかることです。
運営や管理には人件費や維持費、修繕費が必要となります。
また、テナントとのトラブルや空室対策などもコストを要することも。
これらの費用は、収益を上回る場合もあり、投資家にとって負担となることがあります。
適切な予算計画や運営戦略の立て方が重要であり、効率的なコスト管理を行うことが求められます。
収益物件が抱えるリスク
ここからは、収益物件が抱えるリスクを解説していきます。
基本的には、以下の3つが挙げられます。
- 経済のリスク
- 運用のリスク
- 建物のリスク
それぞれ確認してください。
リスク①経済のリスク
アパート経営は多くの機会を提供する一方で、経済の変動に伴うリスクに敏感でなければなりません。
とくに金利の変動や増税は、アパート経営の経済的基盤を揺るがす要因となる可能性が高いからです。
たとえば、金利が上昇した場合、借入れに依存する経営者は返済コストの増加に直面し、これが収益性にマイナスの影響を及ぼすことがあります。
また、税制の変更、とくに不動産に関する増税が実施されると、運営コストの増大により利益が圧迫されることが懸念されます。
加えて、経済全体の動向や地域的な要因による家賃収入の不安定さも無視できません。
とくに地方の物件では、人口減少や若年層の流出が進む中、家賃収入の低下リスクが高まっているからです。
これにより、アパート経営者は空室率の増加や家賃の値下げ圧力に直面する可能性があります。
したがって、アパート経営においては、経済状況の変化に対する敏感さと柔軟な対応策が不可欠です。
また、新しい税制に対応するための戦略的な計画、たとえば資産の再配置や運営方法の見直しなども重要です。
経済環境の変動に伴うリスクを最小限に抑えるためには、市場動向を注視し、柔軟な経営戦略を持つことが求められます。
アパート経営は単なる収益源以上のものであり、経済状況の変化に対して敏感で、適応可能なアプローチを取ることで、成功を収められるでしょう。
リスク②運用リスク
アパート経営におけるリスクの中で、とくに注意が必要なのが運用リスク、とくに家賃の滞納問題です。
このリスクは、オーナーの収益性に直接的な影響を及ぼし、経営の安定性を脅かす要因となります。
家賃の滞納はオーナーのキャッシュフローに直接的な打撃を与えます。
一例として、新築アパートの実質利回りは地域や物件の条件によって異なりますが、一般的には2~6%程度とされています。
この利回りを実現するためには、滞納や空室のリスクを効果的に管理することが不可欠。
滞納リスクの管理には、入居者の信用調査や、入居前の家賃保証制度の導入などが効果的です。
さらに、信頼できる不動産管理会社の選定は、このリスクを緩和し、経営の効率化を図る上で重要な要素と言えるでしょう。
アパート経営の成功は、これらのリスクをいかに効率的に管理し、最小化するかにかかっています。
滞納問題へ早期に対処することで、安定した収益を確保し、長期的な経営の成功へとつなげることが可能です。
アパート経営を行う際は、このリスクを常に念頭に置き、継続的なリスク管理の徹底が求められます。
リスク③建物のリスク
アパート経営の成功の鍵は、建物のリスク管理にあります。
主なリスクには、修繕の必要性や災害対策が挙げられます。
新築アパートの表面利回りが5~7%、実質利回りが3~5%とされる中で、適切なリスク管理は収益の安定化に直結します。
- 修繕のリスク:アパートの建物は時間と共に劣化します。定期的なメンテナンスは、長期的な資産価値の維持と収益性の確保のために不可欠です。外壁の塗装、屋根の点検、設備の更新など、計画的な修繕を行うことで、建物の魅力を保ち、入居者の満足度を高められるでしょう。
- 災害リスク:日本は地震や台風などの自然災害が多い国です。災害に対する十分な保険を掛けること、耐震性の高い建築を行うことが重要です。また、定期的な安全点検を行い、緊急時の対応計画を準備することも、リスク軽減のために欠かせません。
- 管理の効率化:管理費用はアパート経営の大きな割合を占めます。効率的な管理を行うことで、余計な支出を抑え、利益を最大化させることが可能です。たとえば、賃貸管理会社との契約の見直しや、デジタルツールを活用した管理方法の導入などが考えられます。
これらのリスクを軽減することにより、アパート経営はより収益性の高い、安定した投資へと変わります。
計画的な資産管理と、災害への備えが、長期的な成功の鍵となるでしょう。
収益物件における利回りの考え方
アパート経営における利回りには「表面利回り」と「実質利回り」の2種類が存在します。
それぞれの概要は以下の通りです。
- 表面利回り
物件の年間家賃収入をその購入価格で割った割合です。
物件の収益性を示していながら、コストを考慮していない値のため、実際の利益を反映する実質利回りよりも高くなる傾向にあります。
たとえば、5,000万円の物件が年間500万円の家賃収入を得る場合、表面利回りは10%になりますが、固定資産税や管理費、修繕費などのコストは考慮されていません。
表面利回りは物件を比較する際には便利ですが、不動産投資の実態を理解するためには、これらのコストも考慮した実質利回りを把握することが重要です。
表面利回りの目安としては、新築アパートで5~7%、中古アパートでは7~8%が相場とされています。
ただし、これらの数値はあくまで一般的な指標であり、立地や物件の状態によって異なります。
投資判断を行う際は、表面利回りだけでなく、実質利回りやその他の要因も総合的に考慮することが肝心です。
- 実質利回り
実質利回りは、年間家賃収入から必要経費を差し引いた実質的な収入と、購入建築時の諸費用を合算した物件価格で割ることで算出します。
新築アパートでは、表面利回りが5~7%、実質利回りが3~5%が適正範囲です。
この数値が高いほど収益性が高いとされています。
しかし、実際の経営を始めるまではあくまで想定値であり、空室リスクや修繕費など将来必要と思われる費用をすべて考慮することが必要です。
アパート経営を成功させるためには、実質利回りを正しく理解し、物件選びや経営計画に反映させることが不可欠です。
アパート経営における実質利回りの重要性を理解し、賢い投資を行いましょう。
収益物件の購入方法
収益物件の購入は、基本的に以下の流れで行われます。
- 物件の選定
- 現地調査
- 買付申込書の提出
- 融資の仮審査の申し込み
- 売買契約の締結
- 賃貸管理会社の選定
- 融資の本審査の申し込み
- 金銭消費貸借契約の締結
- 決済と引き渡し
まずは不動産会社へ相談しましょう。
収益物件の選び方のコツ
収益物件の選び方には、いくつかのコツがあります。
とくに、以下の6つが重要です。
- 利回り(アパート建築や購入にかかる投資額に対する利益の割合):理想の利回りは、表面利回りで約8%、実質利回りで4〜7%ほど
- 立地:周辺施設やアクセスなどを考慮する
- 物件の状態:アパートの設備や空室率などを考慮する
- 市場の動向:地域の賃貸市場の状況などを考慮する
- 将来の資産価値の見込み:将来の売却を視野に入れる
- メンテナンスの容易さ:容易さのみならずメンテナンス費用も重要
物件の種類(新築や中古)によって利回りの基準は変わりますが、立地条件や投資額による変動も考慮すべきです。
なお、利回りは、経費を考慮した実質利回りを重視することが重要です。
賢い物件選びで、安定したアパート経営を実現しましょう。
収益物件を選ぶ際の注意点
収益物件を選ぶ際の注意点は以下の通りです。
- キャッシュフローの考慮:実質利回りを確認し、赤字にならないかを確認する。
- 物件の周辺環境のチェック:駅との距離や騒音、振動、その他施設へのアクセスを確認する。
- 建物内部・外観のチェック:清潔感や間取り、メンテナンス状況を確認する。
- 適切な不動産投資会社への相談:信頼できる不動産投資会社を選ぶ。
収益物件とは資産形成の魅力的な手段
今回は、収益物件とは何かについて解説してきました。
収益物件とは、資産形成の魅力的な手段であり、物件の購入により定期的な家賃収入を得ることができます。
さらに、資産価値の増加や税制上の優遇措置も期待できるでしょう。
収益物件は長期的な投資として安定性を持ち、将来の退職資金や遺産として活用できます。
ただし、地域やテナントの選定、適正な管理などが必要です。
計画的に運営すれば、資産を増やす魅力的な手段となります。
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