2棟目のアパート経営を行うメリット・デメリットと始めるタイミング
アパート経営は1棟の経営状況にあわせて2棟目、3棟目と拡大し、収益を増やしていく方法が一般的です。不動産投資家の多くは1棟経営からスタートし、実績を積み重ねながら経営対象を増やしていきます。
「最初のうちは慣れていないから、1棟だけ経営してじっくり様子を見よう」と考える方も少なくありませんが、家賃収入を増やして確実に経営を軌道に乗せていきたい場合、最初から2棟目の経営を視野に入れておくことが大切です。
ここでは、アパート経営で2棟目をはじめるメリットとデメリットをそれぞれ詳しく紹介します。長所と短所を押さえたうえで、2棟目をスタートするタイミングや注意しておきたいポイントについてもぜひチェックしてください。
Contents
アパート経営で2棟目をはじめるメリットとデメリット
アパート経営で2棟目をはじめるメリット・デメリットについて、それぞれ詳しくみていきましょう。
2棟目経営のメリット
アパート経営を拡大し、2棟目をはじめるメリットは大きく分けて5つです。
- 融資が受けやすい
- 収益を増やせる
- ノウハウが増える
- 節税効果が高まる
- 穴埋めが可能になる
1棟目の経営状態が良好であれば金融機関から安定的に経営ができると判断され、融資が受けやすくなります。2棟目への進出も1棟目よりスムーズになり、不動産経営に弾みがつきます。
教訓やノウハウを活かしながら経営を続ければ、収益が得やすくなります。
空室リスクなどが発生したとしても1棟より2棟のほうが貸し出し可能な部屋数が多くなるため、空室が少ないうちに収益を使い物件の維持管理を徹底します。
入居希望者にとって魅力的な物件としてアピールを続ければ、家賃収入アップも期待できるでしょう。
2棟目には1棟目の経営で培ってきたノウハウを活かすこともできます。物件選び・不動産会社選び・空室率や経費率の計算など、さまざまな投資判断も2棟目ではフルに活かせるため、収益性の向上に役立てられます。
節税のために2棟以上を経営しているケースも多くみられます。たとえば財産を相続する場合、現金よりも不動産のほうが評価額を低く抑えられるため、収める税金を少なくできるのです。
現金の場合評価額は手持ちのぶんが100%反映されてしまいますが、土地は約80%、建物は約70%で、現金で持つよりも節税に効果的です。
1棟のみのアパート経営は、空室やその他のリスクが反映されやすいものです。
しかし2棟以上を経営していれば、物件のいずれかに問題が起きたときにすばやく判断し、入居者の新規募集や売却などの対策がとりやすくなります。
1棟のみではできることが限られてしまいますが、2棟以上の経営ではリスクヘッジ効果が得られるため、不動産経営をさらに効率化してくれるのです。
以下の記事では、経費率の概要について詳しく解説しています。気になる方はぜひあわせてご覧ください。
アパート経営を始める前に確認しておきたい経費率の計算方法や目安
2棟目経営のデメリット
2棟目経営には家賃収入や経営ノウハウが高まるメリットが考えられる一方で、押さえておきたいデメリットも。大きく分けて3つのポイントをみていきましょう。
- 物件管理に手間がかかる
- 経営状況の悪化の問題
- リスク管理に工夫が必要
物件数が2倍になるということは、そこにかかるコストも2倍になります。1棟目と2棟目の経営状況がどちらも悪化し、不動産経営を拡大した結果失敗した、というケースも想定しておかなければなりません。
1棟目で得た教訓やノウハウがフルに活かしきれれば良いのですが、それが難しければせっかくの2棟目経営を始めたにも関わらず収益が上がらなくなるおそれもあります。
空室が増えるほど経営にも影響を及ぼしてしまいますが、日本では空室に加えて災害のリスクも非常に高いため、万が一の保証や防災体制を整えておかなくてはなりません。
災害リスクを想定したうえで、入居者が安心できるような設備も整える必要があります。
入居者目線での経営こそが重要であり、経営中の物件すべてが「共倒れ」にならないように、リスク管理を工夫して行う必要があるでしょう。
2棟目のアパート経営を始めるタイミング
2棟目のアパート経営をスタートするタイミングとしては、1棟目のアパート経営が順調になり、経営状態が黒字化したタイミングが理想的です。
赤字の状態では2棟目の購入にかかる費用の融資が受けにくく、資金が十分に用意できない可能性があるためです。黒字化した状態で金融機関に相談すれば、経営が安定していると判断されやすいのです。
自己資金にもある程度のゆとりをもちましょう。融資を受けることが前提であっても、自己資金が確保できていなければ赤字になった際に経営失敗のリスクが伴います。
1棟目が満室に近いほど経営拡大のチャンスとなりますが、黒字で確定申告を行ったとしても自己資金にゆとりがなければまだ2棟目に入るタイミングではないため注意が必要です。
不動産経営は物件の維持・管理が重要な柱となります。そのためには資金をしっかりと確保しておく必要があり、1棟目で得た収益を自己資金としながら、2棟目の経営をスタートさせるようにしましょう。
アパートを購入する際に、金利の状態も忘れずにチェックしなくてはなりません。
市場金利が下がっている時ほど購入のタイミングとなり、低金利での契約によって物件費用の返済額も低く抑えられます。
市場金利は常に変動していますから、社会情勢や各金融機関の金利情報をチェック・比較しながら、購入のタイミングをみるようにしましょう。
2棟目を選ぶ際に押さえたいポイント
2棟目の経営に乗り出す場合、物件の選び方ひとつで収益性が変化することがあります。ここからは、2棟目の選定時に押さえておきたいポイントをみていきましょう。
資金にゆとりをもつ
不動産経営によって得られた資金は、必ず自己資金として手元に確保しておきましょう。2棟以上の経営ではさまざまなリスクを想定し、万が一に備えておく必要があります。
資金にゆとりがなければ、アパートのローン返済や共用部分の維持管理にかかる費用の捻出が難しくなり、突発的な災害や破損、アクシデントへの支出にも対応しきれなくなります。
特に古いアパートは老朽化のリスクが伴います。建て替え・改修・修繕は必須ですし、大規模にリノベーションや耐震工事を施す場合は十分な自己資金が必要です。
立地や周辺環境を確認
憧れの街や住みたい街の上位に入るエリアは注目度が高い反面、興味関心やトレンドが別の場所に移ってしまう可能性があります。
反対に、防災の観点から安全性が高い場所や、警察署・交番が近い区域はファミリー層や女性からも支持を得られるため、空室リスクを抑えやすいメリットがあります。
事故や事件が少ない場所、大学などが多く立ち並んでおり独身者が多いエリアもワンルームをはじめとするアパートの経営に適しています。
2棟目を選ぶときはトレンドだけではなく、周辺環境・交通網・立地・安全面などを含めながら比較を行ってください。
投資に適した物件を探す
アパートの購入に際して意識したいポイントに「収益価格」が挙げられます。収益価格とは、その不動産から将来的に得られる純利益の予測と、現時点での不動産としての価値を合計した金額です。
物件の収益価格は専門家に依頼して評価を受けるのが確実です。見積もりがとれたら運用の可能性を検討し、自己資金にゆとりがもてる範囲で投資を考えていきましょう。
不動産会社の選定や連携
複数の物件を経営する場合、不動産会社との連携も重要になります。空室リスクに強い会社や、防災・防犯体制を整えている管理会社を選ぶようにします。
経営しているアパートを複数の不動産会社に任せることは法律上可能ではありますが、契約が複雑になるため、依頼先は増やしすぎないほうが良いでしょう。
建物の手入れや管理状況が悪い・トラブル対応がずさん・管理費ばかりかかって思うような収益が上げられていない会社については、将来的に空室のリスクを高めるおそれがあります。不動産会社選びも経営判断の一環として、慎重に進めることをおすすめします。
メリットとデメリットを押さえて経営判断を行う
今回は、2棟目からのアパート経営のメリットとデメリットを中心に解説しました。
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