アパート経営の効果的な防犯対策は?入居率アップにつながる対策と防犯カメラ
近年、アパートなどの賃貸物件を探す際に、セキュリティ面を重視する人が増えています。
どれほど気に入った物件でも、セキュリティに不安を感じる場合、候補から外す人も一定数います。
アパート経営においては、防犯対策を行うことで、居住者の安全を守り、さらに入居率を上げる効果も得られます。
アパートの空室対策にも効果的な「防犯対策」について、具体的な対策法や得られるメリットなどを詳しく解説します。
ぜひ効果的な防犯対策の参考にしてください。
Contents
防犯対策をしないリスク
アパートやマンションなどの集合住宅は、誰でも自由に出入りができ、複数の世帯が入居しているため、不審者の特定が難しいという現状があります。
そのため、セキュリティ対策が非常に重要です。
空き巣は、防犯対策がされていない、入りやすいと感じる物件を選ぶといわれています。
逆にいえば、防犯対策を施すことで、犯罪の抑止効果につながるということです。
アパートの防犯対策は、居住者が犯罪に巻き込まれることを防ぐだけでなく、アパートの資産価値を守る役割も担います。
例えば、一度空き巣に入られた部屋の入居者は、被害が少ないものだったとしても、その部屋に住み続けることを嫌がり、退去してしまうことが多いといいます。
さらに、空き巣などの犯罪が起きてしまった物件は、セキュリティ面での不安や心情的にも、避けられてしまう傾向があります。
このように、防犯対策をしないことで、犯罪やトラブルの被害に巻き込まれる確率が高まり、物件の入居率にも多大な影響を及ぼします。
空室は、アパート経営で最も避けたいリスクのため、しっかりと防犯上の対策を行いましょう。
以下の記事では、その他の重要なアパート経営のリスクと、押さえておくべき対応策について具体的に解説していますのであわせてご覧ください。
アパート経営とは?基本的な知識や概要について徹底解説!
防犯対策をすることのメリット
防犯対策をすることで得られるメリットは、アパート経営にとって重要なものばかりです。
それぞれ解説します。
入居率アップ
アパート経営では、空室(入居者が決まらない部屋)を作らないことが、最も重要です。
空室の状態が続いてしまうと、税金や融資の支払いなどで、経営が赤字になってしまう事態も考えられます。
アパートの空室対策としては、建物を修繕したりリフォームしたりすることで資産価値を上げ、入居者が住みたいと感じる物件にすることが効果的です。
しかし、今は新築物件もどんどん増えており、リフォームなどの対策だけでは厳しい現状もあります。
入居率を上げるために、今特に注目されているのは、セキュリティ面での対策です。
セキュリティ体制が充実しているかどうかを重視する入居者も増え、防犯カメラなどの防犯対策が施されているかどうかを、物件選びの条件に加える人が増えています。
セキュリティ面が強化されている物件は、犯罪やトラブルの抑止力が期待できるだけでなく、入居率アップの効果が見込まれます。
防犯カメラなどのセキュリティ対策を取っている物件は、その旨を入居希望者に伝わるようアピールしていきましょう。
退去率ダウン
実際に空き巣などの被害が起こった場合、心理的な不安要素が大きくなり、入居者は退去を考える傾向があります。
さらに、物件のイメージが悪化してしまうことも懸念されます。
また空き巣に狙われやすい物件は、一度に複数の部屋に侵入することも多く、一気に入居者が退去してしまうリスクも生じます。
防犯対策が施され、安全に暮らすことができる物件は、入居率も安定し、さらに安心感が得られるため、入居者は長く住み続ける傾向があります。
アパートの価値向上
このように、防犯対策を行うことで、アパートの入居率・退去率にも大きく影響します。
しかし意外にも、防犯対策がしっかり取り組まれているアパートは、まだまだ少ないという現状があります。
実際には、アパートでも可能な防犯対策が多く、セキュリティ面で安心できる物件は、非常に人気があります。
防犯対策を施すことで、入居率も安定し、アパートの物件的価値が大きく上がる効果が期待されます。
こちらの記事でリフォーム費用と工期について解説していますのであわせてご覧ください。
アパート経営におけるリフォーム費用と工期は?メリットと注意点も解説
防犯対策としてできること
具体的な防犯対策を、5つ紹介します。
- オートロック
- ディンプルキー
- モニター付きインターホン
- 防犯ペアガラス/防犯フィルム
- 防犯カメラ
オートロック
賃貸物件の防犯に効果的な設備として、まずオートロックが挙げられます。
建物のエントランスに設置されているオートロックは、基本的には入居者だけが開錠することができる防犯設備です。
不審者や迷惑な業者が入りにくいとして、オートロックのついた物件は特に女性に人気ですが、オートロックは決して万全の防犯設備ではありません。
ほかの入居者や宅配業者と一緒に、不審者は建物内に簡単に入ることができてしまいます。
オートロックを過信せず、部屋の鍵は必ず施錠するなど、入居者の防犯意識を高めておくことが不可欠です。
ディンプルキー
玄関の鍵がディンプルキーであれば、一般的なシリンダー錠よりも防犯性が高くなります。
ディンプルキーは、ピッキングの被害に遭いにくく、プロの業者(鍵屋)でもピッキングは困難といわれています。
ディンプルキーを採用している物件は、防犯性の高い物件として、入居者に選ばれるポイントとなります。
ただし、近年の空き巣被害は、ピッキングをして侵入するものは減っており、無施錠のドアやガラス窓を割って侵入するものが増えています。
空き巣対策としての効果は、ディンプルキーだけでは万全とはいえません。
モニター付きインターホン
インターホンをモニター付きのものにすることで、犯罪の抑止効果も期待できます。
空き巣は、入居者が留守か否かを確認するためにインターホンを鳴らして確認することも多く、顔が映ってしまうモニター付きのものは非常に嫌がります。
インターホンを使ってドアを開けさせようとする不審者や、留守を確認しようと考える空き巣対策には、とても効果の高い防犯設備といえます。録画機能付きであれば更に良いでしょう。
迷惑業者の対策にもなるため、モニター付きのインターホンは、ほとんどの入居者が物件選びの必須項目に挙げる設備です。
逆に、モニター付きインターホンが設置されていない物件は、物件選びで不利となってしまうため、導入の検討をおすすめします。
防犯ペアガラス/防犯フィルム
近年、窓を割って侵入する空き巣が増えているため、窓からの侵入を防ぐ対策が重要といわれています。
窓からの侵入を防ぐためには、防犯ペアガラスや防犯フィルムの使用が効果的です。
ペアガラスは、複層ガラスともいわれ、ガラスが二重構造になっています。防犯加工が施されたものは、ガラスが非常に割れにくくなっていて、さらに二重になっていることで高い防犯性能を発揮します。
防犯フィルムを既存のガラスに貼って、ガラスを割れにくいものにすることも、防犯対策として効果的です。
防犯ガラスは、割れにくいだけでなく、ひびが入っても貫通しにくいため、ガラスの破壊に時間がかかることを嫌う空き巣は、侵入を諦めます。
さらに、ペアガラスは二枚のガラスの間にある空気層が熱を遮断し、高い断熱効果を発揮します。
冷暖房効果を高め、結露を防ぐ効果もあり、カビの発生も抑えるというメリットもあります。
防犯カメラ
防犯カメラは、犯罪の抑止効果が絶大で、最も有力な防犯対策設備といえます。
防犯カメラが設置されているアパートは、セキュリティが管理されているアパートとして、居住者の安心感と満足度を高め、入居率アップにもつながります。
不審者は、カメラが設置されている場所に近づくことを避けるため、犯罪を未然に防ぐことができます。
万が一犯罪が起こったときも、撮影された映像をもとに、犯罪者や不審者の早期検挙にもつながります。
防犯カメラは、設置に費用がかかるものの、居住者に支持される物件としてアパートの価値も向上し、入居者の安全にもつながるため、ぜひ設置を検討したい設備です。
防犯カメラの設置場所と設置方法
防犯カメラは、設置する場所によっては十分な防犯効果が得られない可能性もあるため、どこに設置するかが重要なポイントになります。
設置する場所としては、エントランス付近、ベランダや窓の周辺といった「外部からの侵入経路」となる場所を撮影できるポイントに設置します。
ポストやゴミ捨て場、駐車場・駐輪場付近など「いたずらされやすい場所」も撮影できると安心です。
建物に外部から侵入しようとするときに、どこが侵入しやすく狙われやすいか、もしくはどこに防犯カメラがあると侵入を諦めるだろうか等、実際に建物の周りをチェックしてみてください。
死角ができてしまうと、防犯効果が薄れてしまいます。撮影の死角を作らないよう、場所や角度を工夫し、設置に最適なポイントを見つけましょう。
また、防犯カメラは、容易に手の届かないような高い場所に設置しましょう。
さらに、目に入りやすい場所に設置することで、不審者に警告を与える効果も発揮します。
不審者の顔が撮影できるような位置や角度で配置することも大切です。
防犯カメラを設置するときの注意点
セキュリティ対策にとても効果的な防犯カメラですが、設置にはいくつかの注意点があります。
入居者のプライバシーを守る
アパートに防犯カメラを設置するときは、入居者への配慮も欠かせません。
防犯カメラは、入居者も映りこむため、監視されているように感じてしまう入居者もいます。
入居者のプライバシーを保護するよう、撮影する範囲には十分注意する必要があります。
特に窓やベランダ側などは、入居者の室内やプライベート空間が映り込まないよう、設置場所や設置角度は慎重に検討しましょう。
また、入居者とのトラブルを避けるためにも、設置前もしくは入居前に、防犯カメラについて説明することが重要です。
事前の説明があることで、防犯カメラに抱くイメージを大きく左右し、安心感につながります。
あらかじめ防犯カメラの運用規則を定める
防犯カメラが撮影した映像の取り扱いにも、注意が必要です。
安易に映像を閲覧したり公開したりすることのないよう、撮影した映像は慎重に扱いましょう。
防犯カメラの管理者や、どのようなときに誰が閲覧するかなど、運用の規則をあらかじめ決めておき、曖昧にしないことが重要です。
入居者のプライバシーを守るためにも、映像の閲覧は限られた者だけにするなど、取り扱いには十分注意しましょう。
運用規則を定めるときには、自治体のガイドラインなども参考にしてください。
防犯カメラの設置を知らせるステッカーを貼る
意外と省いてしまいがちですが、防犯カメラを設置していることを知らせるステッカーを目立つ場所に貼ることも、防犯効果を高めます。
防犯カメラは、不審者に認知されることで、犯罪の抑止力を発揮します。
しかし、防犯カメラは高い位置に設置することが多く、通常は視界に入りにくいものです。
カメラに気付かない場合も、ステッカーが目に入ることで、不審者への心理的な警告にもなり、防犯効果も上がります。
ステッカーは、入居者へのアピールともなり、入居者間とのトラブル防止にも役立ちます。
カメラの機能を確認する
防犯カメラを選ぶときは、必要な機能や性能が備わっているものを選びましょう。
夜間でも映像がある程度鮮明に映るタイプか、画素数や撮影可能範囲はどれくらいかなど、設置場所に応じて求める効果をチェックします。
一般的には、約200万画素のものであれば、部分的にズームアップしても映像を確認することができ、約400万画素であれば、かなりの精度で細部まで確認できます。
さらに、防犯カメラは夜間や暗がりでも問題なく不審者を撮影できるよう、赤外線暗視機能が付いているものを選びます。通常のカメラでは、光がない暗い場所では何も撮影できません。
カメラを選ぶ際は、カメラの機能や性能を吟味し、購入だけでなくレンタルの活用も検討することをおすすめします。
防犯体制を整え、入居者から選ばれる物件に
アパートのセキュリティを強化する、防犯対策についてお伝えしました。
犯罪は、被害に遭ってから対処するよりも、未然に防ぐことが重要です。
居住者が、戸締りを徹底するなどの防犯意識をもつことが何より大切ですが、オーナー側でしっかりと対策することも欠かせない時代です。
セキュリティ対策は、入居率や退去率にも影響します。
どのような防犯対策が必要か、効果や注意点などをしっかり吟味し、アパートの防犯体制を整え、物件的価値を高めましょう。
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