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アパートの工法は3種類!建築の構造や材料を紹介

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アパートを新たに建築する場合、ハウスメーカーから提案される工法や建築の構造には、様々な種類があります。これらの工法や構造の違いは、建築費にも大きな影響をもたらすといわれています。

 

工法や構造の説明をされたときに、分からない…では知らず知らずのうちに損をしてしまう可能性もありますし、しっかり理解できるようにしておくと安心です。

 

本記事ではアパートの建築構造や工法の種類をはじめ、使用されている材料についても詳しく紹介します。材料ごとにメリット・デメリットも解説するので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

 

アパートの工法の種類

アパートの工法の種類は、大きく分けて3種類あります。

  • プレハブ工法
  • ツーバイフォー工法
  • 在来工法

それぞれの特徴も紹介します。

①プレハブ工法

現在のアパートの工法で主流なのが「プレハブ工法」、別名「工業化工法」です。プレハブ工法は、建築で使用される材料・部材をあらかじめ工場で作り上げたのち、現場にもってきて組み立てることをいいます。
あらかじめ工場で機械を使って部材を作り上げるため、クオリティが高いのが最大の魅力です。

 

機械を使用するからこそ、人の手よりも精巧で、狂いの無い施工が実現できます。木造や鉄筋コンクリートなどどの素材にも使用できる工法で、汎用性が高いのも嬉しいポイントです。

 

そのほかにも一度に大量の部材を生産できるため、コストを抑えたいという方にもおすすめの工法と言えるでしょう。現場で行うことは搬入したパーツを組み立てる作業のみなので、工期が短く済むのも特長の一つです。

 

汎用性の高い部材が利用できるプレハブ工法ですが、だからこそ狭い土地や特殊な土地へのアプローチには欠けます。設計においての自由度はそれほど高くないことを覚えておきましょう。
後述するツーバイフォー工法や在来工法に比べると、コストや品質面、施工期間等の面でバランスがよく、ベーシックな工法といえます。

 

プレハブ工法という名前だけ聞くと、チープなイメージを持つ方もいるかもしれませんが、決してそのようなことはなく、優れた面が多いのです。

②ツーバイフォー工法

プレハブ工法が生まれる前からある、歴史ある工法なのが「ツーバイフォー工法」別名「枠組壁工法」です。ツーバイフォー工法とは、木材で壁・天井・床などに骨組みを組み合わせることで、建物を支える仕組みとなっています。
ベースになる木材が2インチ×4インチなので、そこからツーバイフォー工法といわれるようになったのです。

 

木造建築固有の工法で、各面において耐力があることや面同士の機密性があることで、地震などに効果的です。面で支えるため、部屋の中に柱が出ることがないといった外見的な要素でもメリットがあります。

 

名の知れたツーバイフォー工法ということもあって、すでにマニュアル化されており、職人の力に結果が左右されないのもメリットの一つと言えるでしょう。
現在では似た工法のプレハブ工法が主流となったため、ツーバイフォー工法を使用しないハウスメーカーも増えてきているのも実態です。

 

ツーバイフォー工法は、前述したとおり、面で作る工法が特徴なので部屋が仕上がった後に仕切りを作ったり間取りを変えたりするのが難しいというデメリットもあります。

 

プレハブ工法と似ているだけあって、施工期間が短く、それでいて品質は高くコストも抑えられます。
つまり、コストパフォーマンスが非常に高く、一番おすすめの工法です。

③在来工法

職人さんが一から現場で作り上げる、伝統的な工法なのが「在来工法」です。

今回ご紹介する中で最も歴史ある工法で、木造建築なおかつ戸建ての注文住宅で採用されるケースが多く、職人さんが壁や床、屋根などを一つひとつ取り付けていきます。

 

ツーバイフォー工法は面で作る工法でしたが、在来工法は柱や梁で支えるので、部屋が出来上がった後でも改修工事をすれば新たな間取りや空間を作ることができるのが魅力です。

手順としては家の骨組みを作ったあと屋根を張った状態で、取り付けていきます。雨が多い日本ですから部材が濡れずに保管できるというのは、在来工法ならではのメリットといえるでしょう。

 

とはいえ、在来工法は戸建てで用いられる工法としては有名ですが、アパートの工法としては採用されることはほとんどありません。

なぜならアパートの建築において、在来工法ならではの自由な設計へのニーズがないからです。

 

どちらかといえば施工期間の短さやコストのよさを重視する傾向にあります。

アパートの建築の構造と特徴

ここからはアパートの建築構造と特徴についてご紹介します。

①軸組構造・ラーメン構造

軸組構造・ラーメン構造とは、建物自体を柱と梁で支える構造のことを指します。両者の違いは、使用されている材質によるものです。

 

軸組構造は木造建築の際に使用される構造で、ラーメン構造は鉄骨・鉄筋コンクリートの際に使用される構造で、呼び名が異なります。呼び名こそ違うものの、仕組み自体に変わりはありません。

設計における自由度の高さが特徴的で、建物ができた後であっても間仕切りの変更ができるメリットも。

 

前述したように柱と梁で支える構造ですから、部屋の空間に柱などが飛び出てしまうのがデメリットといえます。

②壁構造

壁構造とは、その名の通り、壁(面)を用いて建物を構築していくことを指します。平面の板を部材として組み立てていくため、軸組構造・ラーメン構造に比べるとコストを抑えられるメリットがあります。

また面で組み立てていくので、空間を最大限広くすることができたり、柱や梁が飛び出てきたりすることがありません。

 

デメリットとしては1枚あたりの板が大きいことから、出来上がったあとに間取りや仕切りを変更することが難しかったり、変えるとなると大規模な改修工事が必要になったりといった融通が効きにくい点が挙げられます。

板で作るからこそ、作業する人によって仕上がりの差が出にくく、一定のクオリティを維持できるのが魅力的です。

アパート建築の材料と特徴

ここからはアパート建築の材料とその特徴について詳しく解説していきます。アパート建築に用いられる主な材料は「木造」「鉄骨造」「鉄筋コンクリート造(RC造)」の3つです。

 

それぞれメリット・デメリットがあるので、何を優先すべきか、どのメリットがアパート建築によい影響をもたらすのかをよく考えて選びましょう。

①木造

柱や梁に木材を使用したものを木造といいます。

木造と聞くと一見古い印象を受ける方もいるかもしれませんが、現在でもよく取り入れられている材料です。アパートで使用する木造は、1階から最高でも3階までの低層アパートのみで用いることができると法律で決められています。

 

木造建築の歴史は古く、だからこそあらゆるノウハウがあったり、天然素材だからこその温もりを演出することができるのです。

 

詳しいメリット・デメリットは以下です。

 

メリット

木造のメリットは、風通しのよさを感じられる通気性・寒さを防ぐ断熱性に優れている点です。これらの要素は人が住むうえでの居住性の良さを後押ししてくれるので、迷ったときは木造で間違いないでしょう。

 

また木材は手に入りやすい傾向にあるため、鉄骨や鉄筋に比べると建築費のコストを下げることにもつながるのです。そのほかにも木造は耐用年数が短いといわれています。

 

耐用年数が低いことはデメリットだと思われがちですが、耐用年数に応じた減価償却を毎年計上していくわけですが、耐用年数が短ければその分だけ減価償却費は高くなります。

 

見た目の利益は少なく見えてしまうものの、支払うべき税金は減るわけです。そうすると結果的に手元に残るキャッシュは増えるということになるので、経営者としてもメリットは大いにあるといえるでしょう。

 

デメリット

木造のデメリットは、市場価値が低い点です。

かつてから使用されている木造ではあるものの、最近では防音に効果的な鉄素材などが重宝されやすいため、その点において家賃を高く設定できない、売却時に相場より低めの金額になりやすいといった事が挙げられます。

 

また木材は火災を起こしやすいため、火災保険料が高くなることもデメリットです。白アリによる害虫被害を受ける対策として、定期的なメンテナンスも必要となります。

②鉄骨造

骨組みや柱・梁に鉄を用いたものを、鉄骨造といいます。

 

鉄骨造の中でも「軽量鉄骨造」「重量鉄骨造」「高耐震鉄骨造」の3種類があり、それぞれ建てる建物の特徴に合わせて使い分けます。法定年数も種類によって異なります。

 

木造をすべて鉄骨に置き換えたものだと思えばわかりやすいかもしれません。

 

以下の記事では、アパートの耐震性を判断する基準を解説しています。ぜひあわせてご覧ください。
アパート経営で物件の耐震性を判断する基準や責任範囲を紹介

 

メリット

鉄骨造のメリットは、火災保険料が低く抑えられる点です。建物の火災基準が木造よりは低く、鉄筋コンクリート造よりは高いといった位置づけになります。

 

一口に鉄骨造と言っても種類が豊富にあるので、種類によって低層アパートから高層アパートまで幅広く対応してくれることや耐震性を兼ね備えているのがメリットです。

 

下記記事では火災保険・地震保険について解説しています。あわせてご覧ください。
アパート経営で必要な火災保険・地震保険の選び方と保険料の相場

 

デメリット

鉄骨造のデメリットは、鉄の輸入コストや相場が上がれば、建築コストも上がってしまう点です。木材はそれほど相場の上がり下がりが顕著ではありませんが、鉄はそのときの価格相場に建築コストも左右されがちです。

 

例えば東京オリンピックなどがあった際には、多くの鉄が使用されたため、同時期に鉄骨造の建築をするとなると費用はかさんでしまいます。

 

そのほかにも鉄は熱を伝えやすい素材なので、寒いときは寒くなりやすく、暑いときは暑くなりやすいなど外的気温に左右されやすい傾向にあります。

③鉄筋コンクリート造(RC造)

コンクリートの内側に鉄筋となる芯を入れ込んだ構造のことを、鉄筋コンクリート造といいます。その名の通り、鉄とコンクリートの掛け合わせです。

鉄骨造よりも強度が高く、頑丈なアパート作りに効果的で、比較的高い建物に使用されます。

 

メリット

前述したように鉄筋コンクリート造は、鉄とコンクリートで出来ている素材なので、強度・耐久性に優れています。日本は台風や地震といった災害が多い国だからこそ、強度の高さへの需要はとても高いです。

 

鉄骨造は外的気温の影響を受けやすいとされていますが、それに比べ鉄筋コンクリート造は熱による変形がしづらいのもメリットといえます。

またこれまでご紹介した素材の中で最も防音性に優れており、入居者も安心して生活できます。

 

機能性の面でも木造に比べ家賃を高めに設定できるメリットもあるのです。

 

デメリット

鉄筋コンクリート造のデメリットは、建築コストがかかる点と施工期間が長い点です。

 

頑丈にできている鉄筋コンクリート造ですから、組み立てるまでに費用と期間がかかるのはデメリットといえます。

頑丈だからこそ、法定耐用年数も47年とかなり長めです。法定耐用年数が長いということは、それだけ毎年計上できる減価償却費は低くなります。

 

キャッシュフローの面を考慮すると不利になるのは免れません。

失敗しないアパート工法の決め方

選択する工法によって、将来間取りを変更する場合、改修工事が必要なのかどうかといった間取りの自由度、リフォーム等のしやすさなどに影響が出てきます。

アパートを建てたあとに、どのような過ごし方や管理の仕方を理想とするのかによって決めてくださいね。

アパートを設計するときのポイント

アパートを設計するときに気を付けるべきポイントは「地盤の調査と対策」です。いくら素材がよく適切な工法のアパートを設計したからといって、地盤が緩かったり軟弱だったりすると建物にトラブルが出てきます。

そのためアパートを建てる土地の地盤調査をするのがおすすめです。

 

もし地盤に問題があるときは地盤の改良、基礎工事を行い、建物がしっかりと支えられるように対策しておきましょう。

地盤調査をしないまま建ててしまうと、そのときは浮いたと思っているコストも、地震によって地盤沈下したり、建物にキズが入ったりする可能性があり、結局大がかりな改修工事が必要になります。

アパートは工法と構造が大事

今回は新築アパートを建築する際に考えなければならない「工法」と「構造」についてご紹介しました。工法も構造もアパートを作る上で、慎重に考えたい要素の一つです。

何階建てのアパートにするのか、どのようなことを重視しながら施工を進めたいのか、仕上がり後の管理体制なども含めて検討する必要があります。

 

また工法や構造について十分に理解しておかなければ、ハウスメーカーや施工会社のいいように進められる可能性もあるのです。

工法・構造について知っておくことで、対等に話ができるため、ぜひ建築を考えている方は参考にしてみてくださいね。

 

株式会社マリモでは、長期に渡って安定したアパート経営をご提案するための、愛され続けるアパート造りを目指しております。
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この記事の監修

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マリモ投資住宅事業本部

不動産事業を50年以上続けてきたマリモが、お客様目線でお役に立つ情報をお届けしています。 不動産投資初心者の方に向けての基礎知識から、経験者やオーナー様向けのお役立ち情報まで、幅広い情報の発信を心がけています。 部内の資格保有者(宅地建物取引士、一級建築士、一級施工管理技士、二級ファイナンシャル・プランニング技能士、管理業務主任者など)が記事を監修し、正しく新鮮な情報提供を心がけています。

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