アパート経営者はプロパンガス会社を見直すべき?業者の選び方を紹介
住宅に供給されるガスの種類には、都市ガスとプロパンガスの2種類があります。都市ガスとは東京ガスなどの一部の大会社によって供給されるものです。
それに対して、プロパンガスを供給するガス会社は数え切れないほど存在するのをご存じでしょうか。
プロパンガスというと都市ガスよりもガス料金が高いイメージがあり、あえて選ぶ人は少ないですが、実はアパート経営ではプロパンガスを選ぶメリットがあります。
そこで、不動産投資としてアパート経営を考えている方のために、実際に経営を始める前に押さえておきたいガス会社の見直しメリットやガス会社の選び方などをお伝えしていきます。
Contents
アパート経営におけるプロパンガス会社の見直しメリットとは
プロパンガスの一番の特徴は、それを供給する会社が数多く存在していることです。
そのため、ガス会社によってガス料金にもかなりの違いがあります。
それを利用して、アパート経営においてガス会社の見直しがどのようなメリットを生むかを確認しておきましょう。
料金が安くなったりアフターフォローが充実する可能性がある
プロパンガス会社は全国に多数あるため、どの会社も他社よりも少しでも良い条件を提示して、契約者を集めようとしています。
その一環として、料金を安くしたり、契約者に対してのアフターフォローを充実させたりしている会社もあるのです。
プロパンガスはボンベに入れて供給されるため、都市ガスと比較して災害時の復旧が早いという特徴があります。
入居者が離れないよう、より料金が安く、安心して利用できるプロパンガス会社を選べるので、プロパンガス会社の見直しはメリットがあると言えます。
プロパンガス会社の選び方
プロパンガス会社を見直すことで大きなメリットが生まれることはわかりましたが、当然ながら大切なのはどの会社を選ぶのかということです。
今よりコストが増加するようなガス会社に切り替えても意味がないですから、ここでは、メリットを生むためのガス会社の選び方をお伝えします。
ガス料金のチェック
まずはガス料金のチェックです。いかに光熱費の節約になるかは入居希望者へのアピールにもなるところですから、具体的にどのぐらいの節約になるのか、ガス会社の切り替え前後のシミュレーションをしておきましょう。
しかし、なかには、契約後数か月だけのキャンペーンで通常料金より安い料金を大きく宣伝している会社もあります。そのような宣伝に惑わされず、本当に今後ずっとお得になることを確認しておきましょう。
アフターフォローやサポートはしっかりしているか
一度契約してしまえば、ガス会社とはそれほど頻繁にコミュニケーションを取る必要はありません。
しかし、大家としては何かあった時のために、しっかりサポートが得られる会社でないと不安です。
コストダウンはもちろんながら、アフターフォローやサポート体制の充実ぶりまでチェックしておきましょう。
ガス会社を切り替える際のステップ
切り替えたいガス会社が見つかったら、実際にどうやって既存のガス会社から新規の会社へと切り替えるかを確認しておきましょう。
ガス会社による実地調査
こちらか見ると申し分ないガス会社が見つかったとしても、物件によってはそのガス会社では対応していないことがあります。
また、申し込み段階でOKと言われても、実際には状況次第でガスの提供ができないということもあり得ることです。そのため、申し込みを受け付けた後、本当にガスを提供できる物件かどうかの調査が行われることになります。
なお、「これまで契約していたガス会社への連絡はどうすればいいの?」と思うかもしれませんが、そちらは心配無用です。
ガスの切り替えでは新規の会社に申し込めば、あとはその会社がこれまでのガス会社への解約手続き等、一切を引き受けてくれます。
ガスの切り替え工事
調査の結果、ガスの提供がOKの物件とわかったら、実際に切り替えるための工事を行いますが、大家さんがしなければならないことは特にありません。
工事に立ち会う必要もないため、ガス会社に任せておけば予定日にガスの切り替えが完了するはずです。ただ、工事完了後、ガス漏れがないかなど設備の点検はあります。
プロパンガス会社の見直しで注意しておきたいポイント
ガスの切り替え自体は簡単ですが、ガス会社を選ぶ段階で失敗のないように注意しておくべきポイントがいくつかあります。
見落すとのちのちトラブルに発展しかねませんので、以下のことはしっかり確認しておいてください。
契約期間と解約金
切り替え工事に大家さんが立ち会う必要はなく、基本的にその時点で費用が生ずることもないでしょう。
しかし、設備の設置作業は機器の費用や人件費などもありますので、ただでできるわけではありません。
大家さんに負担がないのは、ガス会社が代わりに必要なコストを負担するサービスだからです。
それでは、どうやってガス会社は工事や設備の設置等にかかったコストを回収するのでしょうか。それは、契約者の使用したガス料金によってです。
したがって、ガス会社としては、最初に負担する設置費用を取り返すために、できるだけ契約期間を長くしたいと考えます。実際、契約期間が10~15年と長期間のガス会社が多いです。
アパート経営者としては、一度切り替えると少なくとも数年単位の長期契約となることを知っておくことが大切です。契約期間の満了以前に解約しようと思ったら、解約金等の費用がかかることを覚悟しておかなければなりません。
ただ、その費用が法外なまでに高いガス会社を選んでしまったら、実際の解約時だけでなく、悪徳業者の可能性もありますので、のちのち何かとトラブルを生む元となってしまいかねません。
そのようなガス会社に当たらないよう、契約を交わす際は期間の確認はもちろん、解約時の費用の有無や金額までしっかり確認することが大切です。
入居者に切り替えの事実を通知すること
アパートの契約するガス会社を変更した時は、入居者に必ずそのことを通知しなければならないという決まりがあります。
また、現入居者に通知することは当然として、忘れないようにしたいのが募集中の広告の記載内容です。入居者の募集中にガス会社を切り替えたら、募集内容にも変更を反映させるため、必ず管理会社に連絡しましょう。
法改正と無償貸与サービスの終了
経済産業省は、「液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律施行規則の一部を改正する省令」を2024年4月2日に公布し、その3ヶ月後の2024年7月2日に施行しました。
これまで、プロパンガス会社のなかには、無償貸与サービスを提供していたところがあり、
切り替え工事の費用が無料になることに加え、給湯器などの住宅設備を無償で貸与する営業手法を取っていました。
ただし、無償貸与サービスを利用した際には、入居者からLPガス料金として設備費用を回収していたので、入居者の負担が大きくなっていたのです。
法改正が施行され、電気エアコンやWi-Fi等、LPガス消費と関係のない設備費用をLPガス料金に計上することが禁止されました。
また、賃貸向けLPガス料金においては、ガス器具等の消費設備費用についても計上禁止になったので、入居者には適正なガス料金が課されることになります。
参考:「液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律施行規則の一部を改正する省令」を公布しました (METI/経済産業省)
プロパンガス会社の見直しの際は入居者目線を忘れない
プロパンガス会社の切り替えによって最も大きな影響を受けるのは、そのガスを使用する入居者自身です。
アパートオーナーとしては、収益改善などのメリットで切り替えを検討することになりますが、あくまで入居者目線で考えることを忘れないようにしましょう。
入居者が利便性を感じないのであれば、ガス会社の切り替えの意味がありません。ガス会社の見直しを行う際は、実際に入居する人にとってメリットがあることを第一にしてください。
火災保険と地震保険の選び方や相場
プロパンガス会社を見直す理由をご紹介してまいりました。
アパート経営するうえで、火災保険や地震保険も大切になってきます。しっかりと確認しましょう。
火災保険と地震保険の選び方や相場について下記記事に詳しい内容をまとめていますので、参考にしてみてください。
アパート経営においてほぼ必須の火災保険と地震保険の選び方や相場
プロパンガス会社の見直しでアパート経営の収益をアップ
プロパンガス会社をより安くサービスの充実した会社に切り替えることによって、アパート経営者にも大きなメリットがあることがわかりました。
ただ、入居者にとってコストダウンや利便性向上などのメリットがあるからこそ、大家さんにとってもメリットが生まれるわけです。ガス会社を見直す際は入居者目線を忘れないようにしましょう。
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