アパート経営は何年で黒字化できる?黒字化するコツと赤字になる人の特徴を紹介
アパート経営を始めるにあたって、どのくらい経過したら元がとれるのか気になる方も多いのではないでしょうか。
今回はアパート経営の黒字化には何年かかるのかについてみていきます。
その中でより早い段階で黒字化を目指すためにはどういった点に注意しなければいけないのか、またどういう工夫をすればいいのかについてまとめていきます。
アパート経営が赤字にならないよう経営をするための知識を身につけておきましょう。
Contents
アパート経営は何年で黒字化できるか
アパート経営が黒字化になるまでの年数の目安としては約10年でみておくとよいでしょう。
もちろん取得するアパートの価格や家賃をいくらで設定するのか、空室率といった経営状況によって黒字化できる年数は変わってきます。
アパート経営は金融機関からの借り入れをすることも多く、初期費用が大きくかかります。
そのため、始めてからすぐに黒字化することは難しいため、長期的な資産運用だと考えてアパート経営の収支を考える必要があります。
アパート経営の成功率
アンケート調査によるとアパート経営の成功率は76%といわれています。
ここでいう成功とは黒字化をしているという成功ではなく、自身がおこなっているアパート経営に満足しているかどうかでの成功率になります。
ただ赤字が続いているような状況だと満足度も低くなるでしょうから、そういった点ではアパート経営をしている方は経営を始めてよかったと思われているかたは多いことがうかがえます。
アパート経営は何年で元が取れる?
アパート経営で元を取るためには一般的には約10年といわれています。何年で元が取れるのかは購入をしたアパートの価格であったり、家賃をいくらで設定するのかであったり、空室率といったことで変わります。
アパート経営を始めるまえに概算でもいいので、年間の収支計画を作成してみるとどのくらいで黒字化することができるのかが分かります。
もし黒字化するのに相当な期間を要する場合にはほかの物件を探してみるといいでしょう。
アパート経営で黒字にする方法
アパート経営を黒字化する方法はどういった方法があるのでしょうか。まずは黒字化するための方法について理解をしておきましょう。
そのためには、アパート経営の収益のあげ方に着目する必要があります。アパート経営で収益を得る方法としてはインカムゲインとキャピタルゲインがあります。
まずはインカムゲインとキャピタルゲインの違いについてみていきます。
インカムゲイン
インカムゲインとは家賃収入のことを指します。空室がなく家賃収入が得られれば、そこから借入金の返済や経費の支払いが可能です。そしてその差額があれば収益となります。
アパート経営を始めようとする多くの方はこのインカムゲインが稼ぎのメインだと考えているでしょう。
しかしインカムゲインの場合は、一度で得られる収益はそこまで大きくないため、長期的な運用をしていかなければいけません。
また空室が多いとインカムゲインが発生しないケースもあるため、注意しましょう。
キャピタルゲイン
キャピタルゲインとは、アパートを売却することで発生する収入を指します。たとえばアパートを購入した金額よりも高い金額で売却ができればその差額が収益となります。
インカムゲインである家賃収入とは違って、一回で得られる収益も大きくなるケースがあります。
しかし、必ずしも購入した金額よりも高く売れる保障はありません。
また利益が出たとしても、譲渡所得として税金が課税されますので注意しましょう。
アパート経営で黒字にするコツ
インカムゲインとキャピタルゲインどちらで黒字化を目指すかにもよって、購入すべき物件も変わってきますので注意しましょう。
それではアパート経営をするうえで黒字化を目指すためのコツとしてどういったものがあるのでしょうか。ここではアパート経営を黒字化するためのコツをいくつか紹介していきます。
アパート経営の経費
アパート経営をするうえで経費がかかってきます。この経費を抑えれば早く黒字化できるのではないかと考える方もいるでしょう。
しかし、アパート経営の場合には経費を削減するとかえって黒字化が遠のいてしまう可能性があります。
まずアパート経営で発生する経費としては固定資産税や損害保険料、減価償却費に、修繕費、管理維持手数料、公共部分の水道光熱費といったものがあります。
たとえば経費削減のため、修繕を怠ったり、不動産管理維持を削減するために管理維持手数料が安い不動産会社を変えたりすると、かえって入居者が決まらなくて空室になる恐れもあります。
それであればしっかりと建物のメンテナンスをしたうえで、信頼できる不動産会社に管理を依頼したほうが家賃を値下げせずに済み、入居率もよくなるでしょう。
経営する物件を吟味
アパート経営においては情報収集が大切です。どの物件に投資をするのか吟味しましょう。可能であればインカムゲインとキャピタルゲイン両方得られる物件を選ぶとよいでしょう。
物件価格も大切ですが、周辺相場を調べたり、利回りを計算してみたりしましょう。アパート経営の場合は購入した後に手を加えて利回りをよくするのは至難の技です。
そのため、事前に情報を調べて自分の納得できる利回りや家賃設定ができる物件を見つけるのが重要です。
買ったあとにこんなはずではなかったと思っても不動産の場合にはすぐに買い替えたり、売却したりするのは難しいので注意しましょう。
以下の記事では、適正家賃の設定方法について詳しく解説しています。気になる方はぜひあわせてご覧ください。
アパート経営をする際の家賃設定はどれくらい?算出方法などを詳しくご紹介
利回り重視は失敗する
不動産投資において利回りは物件選びの重要な要素です。一方で利回りだけ重視するのもよくありません。不動産運用で使われる利回りは表面利回りや実質利回り、想定利回りとさまざまなものがあります。
表面利回りは大まかな収益力を判断するための利回りです。広告などで表記されている利回りは表面利回りで表記されていることが多いです。
次に実質利回りは不動産運用するうえでかかる経費も含めて利回り計算をするため、表面利回りよりも詳細な利回りの計算ができます。想定利回りは住居がすべて満室の状態で計算される利回りです。
不動産運用においては借り入れをする方も多いでしょうから、その返済を含めて利回り計算をすることが大切です。
広告等に表記されている利回りを鵜呑みにするのではなく、自身で利回り計算をして判断できるようにしましょう。
以下の記事では、アパート経営における利回りの相場目安と計算方法を解説しています。ぜひあわせてご覧ください。
アパート経営における利回りの相場目安と計算方法
リスクを常に想定
運用にはリスクがつきものです。常にリスクを想定して、対処ができるものに関しては事前にリスクに備えておきましょう。
例えば不動産運用で考えられるリスクとしては、空室リスクや、家賃滞納リスク、大規模修繕のリスク、金利上昇や災害リスクといった外部的要因によるリスクが考えられます。
それぞれのリスクについて具体的にみていきます。
空室リスク
空室の期間が長期にわたると収入が得られずに経費ばかりかかることになります。資金繰りに余裕があれば問題はありませんが、資金繰りに余裕がなければ、最悪の場合、せっかく購入した不動産を売却せざるを得ない可能性もあります。
空室が長期間に及ぶにはそれなりの原因があります。周辺相場と比較して家賃が高くないか、間取りが古くないかなど原因を探ってみましょう。
必要であれば、家賃の改定や間取りを変える工事をするとよいでしょう。
下記記事では具体的な空室対策の方法を紹介しています。あわせてご覧ください。
アパートの空室対策アイディア13選!空室対策をする際の注意点も紹介
家賃滞納リスク
入居者から家賃が支払われない家賃滞納のリスクもあります。家賃滞納をされたときに備えるために、保証人をつけたり、保証会社をつけたりしましょう。
家賃滞納は本来得られるはずの家賃が得られないのに、入居者がずっといると他の方に入居してもらうこともできなくなります。
もし家賃滞納が何か月にも及ぶ場合には立ち退きも視野に入れて考えましょう。
立ち退きを進める場合には弁護士といった専門家を交えて進めることが重要です。
老朽化リスク
不動産は老朽化していきます。老朽した場合には修繕しなければいけません。水回りやエアコンといった空調設備、外壁塗装や屋根の塗装などさまざまな修繕費がかかります。
もし修繕せずにほったらかしにしていると入居者がなかなか決まらなかったり、アパートを売却するにも買い手が見つからなかったりとさまざまな面で支障がでてきます。
これらの修繕が5~10年スパンで発生します。
そのため、ある程度は修繕費として積み立てておくことをおすすめします。修繕費として積み立てをしておけば大規模修繕が発生したとしてもすぐに修繕ができます。
金利上昇リスク
アパート購入のさいに借入金をしている場合は金利上昇リスクも考えておく必要があります。固定金利で借り入れをしていれば、借り入れをしたときの金利が変わることがありませんが、変動金利で借り入れをしていると金利が上昇する恐れがあります。
金利が上昇すると毎月の返済額も上がります。そうなると返済が厳しくなり、売却せざるを得ない可能性も出てきます。
そのため、変動金利で借り入れをするときには金利上昇リスクを加味したうえで支払い余力を残しておくようにしましょう。
災害リスク
日本は災害大国と呼ばれています。災害としては火災や地震、台風に雪害などがあります。もし災害によってアパートの一部が壊れてしまったり、全壊してしまったりすると修繕費用を支払うのはオーナーになります。
そのため、火災保険や地震保険に加入して災害に備えておくことが必要です。
また購入するときにもハザードマップを確認してどういった災害に備える必要があるのか、建物の構造が耐震や免震構造になっているかも確認しておくとよいでしょう。
特に建物構造に関しては建物構造次第で損害保険料も割引になるため、確認が必要です。
出口戦略も考えておく
購入をする段階で出口戦略も考えておきましょう。
出口戦略としては、一定期間賃貸物件として貸し出したあとには売却をしてキャピタルゲインを得るのか、売却せずに相続対策も含めて所有しつづけるのか、いろんなケースがあります。
とるべき出口戦略次第で選ぶべき物件も変わってきます。また不動産経営の方向性も異なってきます。
規模を大きくしたら法人化
ある程度不動産経営の規模が大きくなった場合には、資産管理会社を立ち上げて法人化も視野にいれましょう。
通常の不動産経営であれば、不動産所得として家賃収入からかかった経費を差し引いて確定申告をする必要があります。ここで課税される税金は所得税になります。
日本の所得税は累進税率で所得が大きくなればなるほど、税率が高くなります。
一方で法人税は一定税率のため、法人化をして役員報酬や給料といった形で収入を得たほうがメリットになるケースもあります。
アパート経営で赤字が続いてしまう人の特徴
ここまではアパート経営を黒字化するための方法や注意点についてお伝えしていきました。
ここからはアパート経営で赤字が続いてしまう人の特徴についてまとめていきます。
放置する癖がついている
アパート経営は購入して、入居者が決まったらあとは放置すればいいというわけではありません。メンテナンスを怠ってしまうと空室リスクにつながる恐れもあります。
入居者から連絡があった時にはすぐに対応をする必要があります。
また情報収集を怠っていると周辺相場とかけ離れた家賃収入を設定してしまうといったことも考えられます。
そのため、日ごろから物事を放置してしまう癖がある方がアパート経営をすると赤字になってしまうかもしれません。
直近の利益を求めている
アパート経営は短期での運用ではなく、長期目線での運用が必要です。そのためはじめてすぐに収益を得たいという方には向かない資産運用になります。
資産運用で直近の利益を求めているかたは不動産運用以外の資産運用を検討したほうがいいでしょう。
不動産の勉強不足
不動産運用をするためには日々の勉強が必要になります。アパートを購入するときには周辺の相場を調べたり、物件情報を調べたりと情報のアップデートをしていかなければいけません。
また購入したあとも定期的に不動産会社に入居者の情報を確認したり、部屋のメンテナンスが必要ないかの確認をしたりと気を配る必要があります。
こういった情報収集を常にできるかたでなければ、赤字になってします恐れがあります。
アパート経営の黒字化までは人によって年数が違う
アパート経営で黒字化になるのかの年数は人によって異なります。不動産運用でどのくらいで黒字化にできるかはキャッシュフローをみることで大方予測ができます。
キャッシュフローは家賃収入から経費やローンの返済額、税金を差し引いたときに手元に残るお金のことです。
キャッシュフローが初期投資の金額を上回れば黒字化したと考えられます。キャッシュフローは物件価格や家賃収入の設定、かかる経費によって変わってくるため、黒字化にかかる年数も人によって異なってきます。
購入したい物件の場合、何年くらいで黒字化できるかはシミュレーションできるため、購入前に計算してみましょう。
また家賃収入で黒字化できなくても、売却してキャピタルゲインを得ることで最終的に黒字化になるケースもあります。
アパート経営を黒字化するためには
今回はアパート経営は何年で黒字化できるのかに焦点を当てていきました。ほかの資産運用と違って不動産運用の場合には初期費用が大きくかかります。
そのため、投資を始めた当初は赤字になってしまうことも多々あります。
しかしずっと赤字が続いてしまうとせっかく購入したアパートを手放さなければいけません。また手放したからといって必ず利益が出るわけでもないため、負債が残ってしまうこともあります。
そうならないように事前の下調べが大切になってきます。インカムゲインとキャピタルゲインの両方を考えて、アパート経営が黒字化できるようにしていきましょう。
株式会社マリモでは、長期に渡って安定したアパート経営をご提案するための、愛され続けるアパート造りを目指しております。
弊社の木造アパート経営の情報はこちらからご確認ください。