アパート経営の家賃保証制度とは?メリットとデメリットと家賃保証契約の注意点
アパートオーナーになる過程で、一度は耳にしたことがあると思われる“家賃保証”という制度。
家賃が保証されるなんて、言葉だけ聞くと、すごく良い仕組みのような気がしますよね。
では、実際不動産投資における家賃保証とはどのような制度なのか? メリット、デメリットや、契約の際の注意点とは?
ここでは、不動産投資の際の家賃保証制度について解説します。
Contents
不動産投資の家賃保証とは
家賃保証とは、サブリース会社とオーナーの間で、交わされる契約です。
サブリース会社は、オーナーからアパートを一括で借り上げ、代わりに入居者を探します。
オーナーは“家賃保証”という条件で、たとえ空室があったとしても、満室時の85~90%程度の家賃を毎月サブリース会社から受け取れる仕組みです。
オーナーは手数料として家賃収入の10~15%ほどをサブリース会社に支払わなくてはなりませんが、自ら入居者を募集し、また家賃の徴収を行うことなく、毎月の家賃収入が定額保証されるため、賃料収入を安定させたい、入退去時の煩わしい業務を任せたいと思っている不動産オーナーにとってはうれしい仕組みといえます。
家賃保証のメリット・デメリット
家賃保証のメリットとデメリットを紹介します。
1.家賃保証のメリット
①空室リスクを抑えられる
アパートオーナーにとって気になるのが、空室リスク。
せっかく融資を受けてアパートを購入したとしても、入居者がいなければ、家賃収入は得られません。
当然のことながら、毎月ローンの支払いはせねばならず、赤字ばかりが膨らんでしまう可能性があります。
しかし家賃保証の仕組みを利用すれば、オーナーは入居率に関わらず、毎月、一定の家賃収入が保証されます。
入居者の増減に、一喜一憂する必要がなくなるのです。
満室状態のときは「もったいないな…」と感じるかもしれませんが、入居率のことを考えずにアパート経営ができるというのは、精神的な負担は減るでしょう。
空室を防ぐ方法やチェック項目とは
もちろん家賃保証制度を利用すれば、空室による赤字を防ぐことができます。
ですが、空室の対策方法も気になりますよね。
そんな方のために、アパートのオーナーが実践したい空室対策や空室対策を行う際にチェックしておきたい項目などをご紹介。
気になる方はぜひこちらをご参照ください。
②管理の手間を軽減させる
アパートオーナーになったものの、入居者募集や家賃徴収などの煩雑な管理業務はあまりしたくない、という人にも家賃保証制度はおすすめです。
というのも、家賃保証制度を活用する場合、基本的に、アパートの管理はサブリース会社が行うことになります。(※入居者管理(家賃保証)の他に別途建物管理費が必要な場合がありますので確認しましょう。)
オーナーはほとんど何もしなくてOK。
まさに“不労所得”といえる状態です。
ほかにも、本業が忙しく、とてもじゃないが管理業務にまで手が回らないといった人も、家賃保証制度を検討してみるといいと思います。
2.家賃保証のデメリット
①家賃をオーナーが決めることができない
家賃保証と聞くと、最初に決められた家賃をずっと支払い続けてくれるよう錯覚するオーナーもいます。
しかし最初は新築であるなどの理由で高値が付いた家賃も、入居状況によっては下げられることもあります。
家賃保証制度を利用した場合、オーナーであっても家賃を決める権限はありません。
管理を代行してくれている、サブリース会社にその権限も委譲することになります。
そのため、空室が続いているケースでは、2年毎の契約更新時などに、家賃の大幅値下げを一方的に突きつけられるかもしれません。
当然のことながら、家賃の総額が減ったら、オーナーが受け取れる収入も減ります。
人によっては「こんなはずじゃなかった」といった事態に陥るかもしれません。
家賃保証制度を使用する場合は、契約の内容などをしっかり読み込み、本当にその条件で問題ないか。
よく確認してから、利用しましょう。
②契約の更新がある
上記の家賃以外にも、2年ごとの契約更新時にさまざまな改定が行われ、当初のような有利な条件でアパート経営ができなくなってくる可能性があります。
また30~35年などの長期契約の場合、30年後、アパートがどのような状況になっているか。
オーナーですら分かりません。
手入れをしっかりしていない管理会社に依頼してしまったがゆえ、30年後、思った以上にアパートがボロボロになってしまい、入居者が見つからず、否応なく家賃の値下げに応じなくてはならない可能性もあります。
「こんな条件には応じられない!」と契約期間の途中に解約しようと思っても、色々と難しいケースがあるのです。
というのも、家賃保証の減額は決して正当な解約のための理由とは見なされず、それだけでは解約できないと契約書類で定められていることが多いです。
管理会社は、借地借家法にて、家賃保証額を下げることが認められており、たとえオーナーが納得できなくても、法律上は何の問題もありません。
そのため「解約はできません」と突き返される可能性が高いのです。
家賃保証契約の注意点
家賃保証契約を結ぶ際の注意点をお伝えします。
1.契約内容をしっかり確認する
まず大切なのが、契約内容をしっかり確認すること。
家賃保証契約を結ぶ際、業者側に有利な内容になっていないか、細かくチェックしましょう。
とくに20年以上など、長期の契約を結ぶ際は注意が必要です。
家賃保証といっても、管理会社は当初に設定した家賃額の何割かを払い続けてくれるわけではありません。
契約更新の際、家賃の減額を求められ、総収入が思った以上に低くなる可能性もあります。
サブリース会社によっては、高額な解約料を設定し、途中で解約したいと思ってもなかなかできないといったジレンマに陥ることも。
また会社によっては、条件が折り合わなかった場合、サブリース会社が一方的に契約を打ち切れるなどの文言が契約書に記載しているケースもあります。
一方的に不利にならないよう、すみずみまでチェックすることをおすすめします。
2.リフォームや原状回復などについて事前に話し合う
アパートは毎日使っていくなかで、徐々に老朽化していきます。
設備等の修繕が必要になることもあるでしょう。
そのための修繕費用やリフォーム費用などの積み立てに関しても、事前にサブリース会社と綿密に打ち合わせしておく必要があります。
というのも、それらの点について、何の話し合いもせず、数年後、ある日突然「リフォームのために100万円の支払いをお願いします」といわれても、「そんなの支払えない」となってしまうかもしれません。
その結果、家賃を大幅に下げられたり、トラブルに巻き込まれたりする可能性も出てきます。
どの設備が何年後ぐらいにリフォームや修繕が必要になるかは、だいたい見積もることができます。
不動産投資会社と、長期的な修繕計画を事前に立て、実際に問題が起きたときに困らないよう、修繕費の積み立てをしておきましょう。
以下の記事では、アパートの維持費・修繕費について解説しています。また、アパート経営を始めるうえで知っておきたい基礎知識も詳しく紹介しているのでぜひご覧ください。
3.さまざまな会社を比較検討する
家賃保証はサブリース会社を信頼して、一任する制度です。
信用できる会社と契約を結べればいいですが、悪徳会社に依頼してしまったら、せっかくのアパートが負の資産になりかねません。
トラブルが起きてから手を打とうとしても、「もう遅い…」といったケースも少なくありません。
複数の会社を比較検討し、最も信頼できそうな会社にお願いしましょう。
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