賃貸需要の調べ方とは?調べるときに注意すべき4つのポイント
賃貸物件の経営をする際に欠かせないのが「賃貸需要」の把握です。
賃貸需要、別名賃貸ニーズともいいますが、賃貸需要を知っておけば、経営に失敗することがありません。
自分で調べることもできますし、仲介管理会社にヒアリングして調査することもできるなど、様々な調査方法があります。
本記事では賃貸需要とは?をはじめ、賃貸需要の調査方法や調べるときの注意点について詳しく紹介します。
これから賃貸経営をしようと思っている方や検討中の方はぜひ参考にしてみてくださいね。
賃貸需要とは
賃貸需要とは、自身の所有する、もしくは購入検討中の物件の需要があるのかどうか検討するものです。
賃貸物件に限らず、世の中にはあらゆるサービス・商品がありますが、それらは需要が合ってはじめて供給することができます。
そのため、対象の物件もそのエリアや環境において、需要があるのか調べておく必要があるのです。
賃貸需要が高い物件は、空室率が低くなり、ローン返済もスムーズに行えるなどのメリットがあります。
反対に需要に見合っていない物件を購入すると、空室率が高くなったり、空室期間が長くなったりとデメリットが増えることも。
これらのリスクを回避するためにも、物件購入前に賃貸需要を把握しておくことはとても大切だといえるでしょう。
賃貸需要の詳しい内容について下記で紹介していきますね。
以下の記事では、不動産賃貸業の基本とそのメリットや始める流れを解説しています。ぜひあわせてご覧ください。
賃貸需要の高さは住環境が影響している
賃貸需要の高さは、住環境が影響しているといわれています。
住環境とは、物件周辺のコンビニやスーパー、商業施設、公園等のことです。
当たり前ですが住環境は、入居者に直接影響してくる事柄なので、賃貸需要に大きく関与します。
都市部では駅近だと賃貸需要が高くなる
東京や大阪といった大都市の中でも、駅から徒歩数分圏内といったいわゆる「駅近物件」は、賃貸需要が高くなる傾向にあります。
例えば駅から徒歩5分の物件と徒歩30分の物件があるとして、どちらの方が選ばれやすいでしょうか。
駅から近い方が、出勤時も時間に余裕が持てますし、寒い日・暑い日でも歩く時間が短くて済みます。
いわゆる「住みたい」と思う人が多いのは圧倒的に徒歩5分の物件なのは、容易に想像ができますよね。
また駅近の中でも、複数路線がある駅であれば、賃貸需要はさらに高まります。
単身者は利便性の高い立地を好む
独身の方や単身者は、利便性の高い立地を好みます。
例えばコンビニやファミレスが近いこと、ドラックストアやスーパーが近いことなどです。
これらを満たしている賃貸物件は賃貸需要が高まります。
細かい話になりますが、遅くまで営業している飲食店やテイクアウト可能なお店があれば、仕事帰りに寄って手軽に食事を済ませられるため、さらなるニーズを満たすことができるでしょう。
ファミリー層は子育てがしやすい環境を重視
子育てしているファミリー層は、子育てしやすい環境を重視します。
例えば近くに幼稚園や保育園がある、子どもが遊べるような公園がある、小児科があるなどは、ファミリー層の賃貸需要を大きく高めます。
また子どもがいるということは、安心安全な環境が欠かせません。
そのため人通りがある程度多いことや駅から近いこと、電灯や街灯の有無なども大切な要素です。
基本的には子どもにとって暮らしやすいか、安全かどうかなどは重視されるでしょう。
女性の一人暮らしは治安のよい地域
女性の一人暮らしに対する賃貸需要は、治安のよさや治安のよい地域が高くなりがちです。
もし仕事で帰宅時間が遅くなってしまったときでも、治安のよいエリアであれば安心して帰ることができます。
反対に自宅までの帰り道に、街灯がなかったり、パチンコや競馬場などがあったりする場合は、少々治安が悪くなる傾向があります。
キャバクラやホストクラブなど水商売が点在しているエリアも、ゴミが増えたり、不衛生になったりする事が多いので女性の一人暮らしには不向きかもしれません。
できれば教育施設や市役所・区役所などがある落ち着いたエリアがおすすめです。
賃貸需要を考える大切な理由
ここからは賃貸需要を考慮することが大切な理由について解説していきます。
土地活用の選定がやりやすい
賃貸需要を知れば、土地活用の選定がしやすいというメリットがあります。
どのような土地をどのように活用すれば、賃貸物件が有効活用できるのかということです。
土地活用というと賃貸物件だけだと思われがちですが、物件以外にも駐車場や事務所など様々な活用方法があります。
もし交通量の多いところであれば駐車場に、人の多いところであれば不動産、会社が多いところであれば事務所や店舗としての活用がおすすめです。
賃貸需要に沿った活用方法にすることで、安定した収入が見込めるようになります。
建設計画が立てやすい
賃貸需要を把握しておくことで、建築計画も立てやすくなります。
例えば単身者が多いエリアということが賃貸需要として挙げられてきている場合、マンションはワンルームや1Kといった建設計画が立てられます。
もしファミリー層の賃貸需要があるのであれば、2LDK~などの間取りのマンションを作るべきです。
このように賃貸需要を調査しておけば、スムーズな建設計画になるでしょう。
リスクヘッジができる
賃貸需要の把握や動向を常に追っておくことで、リスクヘッジが可能です。
築年数の古いマンションはリフォームすれば、家賃を下げずに売り出すことができます。
また時期的な要素で家賃が変動している場合も、賃貸需要を知っておけば早めはやめに対策できるのです。
賃貸需要を知らなければ、落ちていた物件の価値も維持できる可能性があります。
今後の予測が可能に
賃貸需要の把握は、今後の不動産経営について予測が立てやすくなるのも魅力的なポイントの一つです。
都市部は昔から現在まで安定的な賃貸需要があるものの、地方のエリアになると賃貸需要は減少傾向にあります。
このような事態は今後ますます悪化すると予想されているため、賃貸需要の動向が不動産経営のカギを握ることになるのです。
賃貸需要を把握していると、いつまで経営していてOKなのか、いつから別の土地活用を検討すべきなのかが明確になり、経営悪化を未然に防ぐことができます。
賃貸需要の調べ方
ここからは賃貸需要の調べ方について解説します。
調べ方は主に以下の5つです。
- 賃貸需要ヒートマップを確認する
- 近所の不動産屋に聞く
- 現地調査をする
- 地域の都市計画を参考にする
- インターネットで調べる
賃貸需要ヒートマップを確認する
賃貸需要の調査方法の一つが、賃貸需要ヒートマップで確認することです。
賃貸需要ヒートマップとは、対象エリアの人口の動向や物件閲覧回数の数、空室率などを調べることができるツールのことで、視覚的に情報整理ができるのがメリットです。
エリアごとに簡単に確認できるので、わざわざ現地に足を運んだり、様々な情報から精査する手間がないのは嬉しいポイントといえるでしょう。
簡単に確認できるヒートマップですが、不動産会社が所有していることが多く、不動産会社が簡単に教えてくれるとは限りません。
もししっかり教えてくれる不動産会社であれば、安心してよいといえます。
近所の不動産屋に聞く
賃貸需要を調査するためには、近所の不動産屋に聞くことも手です。
地元の不動産屋は地域密着型なので、インターネットでは公開されていない情報や地元に根付いているからこそ知りえる実態を握っているケースは多いとされています。
直接足を運ぶことができない場合や遠方にいる場合は、電話で問い合わせてみるとよいかもしれません。
できれば実際に不動産屋に足を運び、直接交渉した方が聞き込みが成功する可能性が高いです。
現地調査をする
地元の不動産屋に聞き込みできない、インターネットからの情報が乏しい場合などは、現地に足を運び、調査するとよいでしょう。
物件の周りの施設環境はどうなのか、交通機関の状況、駐車場の有無などがその一例です。
実際に足を運び、土地勘や雰囲気を肌で感じ、リアルな生活を垣間見ることができます。
入居者や利用者といったターゲットの目線になり、現場を見られるのは経営する上でも、役立つ情報となるでしょう。
地域の都市計画を参考にする
地域の都市計画を参考にすれば、自ずと賃貸需要も把握することができます。
市区町村の都市計画・再開発事業計画を知っておけば、未来の人口の動向や地価の変化などが予想できますよね。
人口が増えれば住宅が増え、住宅が増えれば家賃の上昇や不動産価格の高騰もありえるでしょう。
賃貸需要の高まりも期待できます。
計画はあくまでも計画に過ぎないので、都市計画を前提に動いてしまうのは少々リスキーですが、予定を知っておくことでできる対策や読み取れる傾向があることは覚えておきましょう。
インターネットで調べる
賃貸需要は、インターネットでも閲覧することができます。
賃貸需要というサイトがあるわけではなく、SUUMOやライフルホームズ、アットホームなどの不動産広告サイト・ポータルサイトで調べられるのです。
調べ方はポータルサイトで条件を絞って検索、検索結果からわかる地域の家賃相場や最寄り駅などを、築年数や部屋の面積などを参考にします。
すでに世に出回っている物件ということになるので、情報の信憑性が高く、賃貸需要を知るには精度も高いといえます。
賃貸需要を調べるときに注意すべきポイント
賃貸需要を調べるときに注意すべきポイントについてご紹介します。
空室率
賃貸需要を調査する上で、最も大切といってもよいポイントが「空室率」です。
空室率とは、その名の通り、部屋の総数に対して空き部屋になっている割合のことを指します。
空室になりやすい物件としては、最寄り駅から遠い・築年数が古い・利便性が悪いなどがあらゆる原因が考えられます。
空室率が高いエリアの賃貸物件を購入しても、なかなか入居者が決まらないといった事態に陥るので、経営が困難になることも想定できます。
経営に直結する情報ですから、あらゆる条件で入念に調べておきましょう。
以下の記事では、具体的な空室対策の方法について詳しく解説しています。あわせてご覧ください。
アパートの空室対策アイディア13選!空室対策をする際の注意点も紹介
人口増加率や駅の利用者数
人口増加率や駅の利用者数といった情報も賃貸需要において欠かせないポイントです。
例えば、駅の利用者数が少ないということがわかれば、そのエリアに住む方の多くは車を所有していることがわかり、駅近よりも駐車場のある物件に需要がありそうなことが想定できます。
また人口が増加している地域であれば、不動産を持っていても資産価値が今後高くなっていく可能性があるなど、考察ができるわけです。
人口の増加率は小さい町ほど多少増えただけで割合的には大きく出るので、全体数と伸び率のバランスなど見て考慮しましょう。
ハザードマップ
ハザードマップとは、各自治体が公開している自然災害が起こったとき用の防災対策や避難経路を記したものです。
賃貸需要とは直接関係ないと思われるハザードマップですが、地盤が低い箇所や液状化が起こりやすい土地などが分かるため、知っておくことであらかじめ地震保険・火災保険等に加入し、備えることができます。
購入希望エリアがどのような自然災害が起こりえるのか、どのような対策をしておくとよいのかを判断する材料となりますよ。
物件周辺環境
周辺環境を知っておくことは、賃貸需要に大きくかかわってきます。
例えば単身者向けの賃貸物件を購入検討している場合、周辺に雇用環境があるかどうかをチェックしましょう。
雇用できる環境があればコンビニなど一人でも手軽に食事が準備できる施設などがあるかも、合わせて確認します。
ターゲット層が明確になったとき、その需要を満たせるかなど紐づいて考えていくことが大切です。
賃貸需要の調べ方が経営のカギを握る
賃貸需要の調べ方についてお伝えしてきました。
賃貸需要はそのネーミングからわかる通り、賃貸における需要を示す指標のようなものです。
不動産や駐車場などを取り扱うときは、その地域やエリアの需要を徹底的に知っておく必要があります。
需要を満たしてこそ供給が生まれるからです。調べ方においても自分で調べるか、ツールを使うなど様々な方法があるので、複数並立しながら調査していくと精度が高まるでしょう。
賃貸需要の調べ方が、経営のカギを握ることを覚えておいてくださいね。
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