1,000万円を投資するなら?おすすめの運用方法を紹介
1,000万円ものまとまった額が手元にある場合、投資してうまく運用すれば、さらに資産を増やすことができます。
しかし、ひと口に投資といっても、不動産投資や株式投資など、その方法はさまざまです。
近年では、非課税制度が適用される投資方法まで登場しています。
そこで本記事では、1,000万円を投資する際におすすめの運用方法を、注意点とともにお伝えします。
効率よく資産を形成したい方は、ぜひ参考にしてください。
Contents
まとまった額を投資することのメリット
500万円や1,000万円のように、まとまった額を投資する際のメリットとして、リターンが大きいことが挙げられます。
ある程度まとまった資金を投資する場合、投資商品の価値が上昇傾向にあるなら、適切に運用することで多くの収益を得られるでしょう。
とはいえ、投資したからといって、必ずしも資金を増やせるとは限りません。
投資で購入する商品は、市場や経済の影響を受けて、価値が上下するためです。
したがって、投資対象の特徴や、考えられるリスクに配慮して、安定的な収益を見込めるのかを判断する必要があります。
多くの資金を投資する場合、インフレによるリスクに備えられる点もメリットです。
インフレが起こると、物の価値が上昇し、お金の価値が目減りします。
つまり、手元に多くの資金を残しておいても、いずれ価値が低くなってしまうおそれがあるということです。
その点、価格の上昇が期待できる金融資産や実物資産に投資しておけば、インフレのリスクを回避できる可能性が高まるのです。
このあと紹介する“不動産投資”は、資産価値が下がりにくいといわれているため、インフレに強い投資方法の一つとして、覚えておくとよいでしょう。
1,000万円を投資するなら?おすすめの運用方法を紹介
1,000万円という大金を投資する場合、どのような運用方法があるのかは把握しておきたいところです。
以下では、おすすめの運用方法を7つ紹介します。
それぞれの特徴やメリットもお伝えしますので、ご自身に適した方法を選ぶ際の参考にしてください。
不動産投資
アパートやマンションなどの不動産物件を購入し、家賃収入を得る方法が、不動産投資です。
近年は、本業の傍ら、不動産投資を始める方も増えてきています。
不動産投資では、入居者が定着すれば安定した収入が見込めるため、「副収入を得たい」「定年後の収入源として、保険の代わりに運用したい」とお考えの方に向いています。
物件自体に資産価値があるので、家賃収入だけではなく、売却して収益を得ることも可能です。
ほかの資産運用と比べて容易に始められる点が注目されている一方で、目を背けられないリスクがあるのも事実です。
不動産投資においては、ご自身が所有する物件に住む人がいなくなると、想定していた収益に及ばない可能性があります。
あまりにも空室が目立つ場合は、管理会社と協力して入居者を探さなければなりません。
そのような事態を回避するためには、“募集条件を見直す”“部屋をリノベーションする”などの対策が必要です。
なお、詳しい内容は後述しますが、不動産投資を始める際には、1,000万円以上の初期費用がかかるのが一般的です。
資金が足りない場合は、金融機関から融資を受けられる“不動産投資ローン”への加入も検討するとよいでしょう。
無理なく返済できる計画を立てて、コツコツ運用していけば、長期的に安定した収益を得られるはずです。
不動産小口化商品
特定の不動産を小口化して、複数の投資家に販売される商品を、不動産小口化商品といいます。
たとえば、1億円の物件が100口に分けられている場合は、1口100万円から購入できます。
主に賃貸住宅や商業施設などが対象となっており、そこから得られる賃料や売却益が投資家に分配される仕組みです。
不動産小口化商品に投資する際、どのような事業形態で運用を進めていくのかも、知っておきたいところです。
複数の投資家から出資を募って行う不動産事業は、“不動産特定共同事業法”という法律に基づいて運用されます。
不動産小口化商品の事業形態は、この法律に則り、“匿名組合型”と“任意組合型”の2種類があります。
以下の表に、それぞれの特徴をまとめましたので、ご確認ください。
匿名組合型と任意組合型の特徴
匿名組合型 | 任意組合型 | |
1口あたりの投資金額 | 数万円程度~ | 100万円程度~ |
特徴 |
|
|
匿名組合型では、投資家が提供した資金をもとに、事業者が不動産を管理します。
投資家は、資金を提供したあとは不動産の運営に携わらなくて済むので、手間をかけずに資産運用できるというわけです。
対して、投資家が集結して組合を作り、直接的に不動産を運営する事業形態が、任意組合型です。
運営の透明性が高まるというメリットがある反面、投資家同士の合意を図ったり、運営に関する課題にも向き合ったりする必要があることから、手間がかかります。
少々複雑な仕組みの不動産小口化商品ですが、リスクを分散して、一度に受ける損害を最小限に抑えられるため、1,000万円を手堅く運用したい方に適した商品です。
REIT
REITとは、不動産投資信託のことです。
“投資法人”とよばれる、特定の資産への投資や運用を目的として設立された、社団法人によって運用されます。
投資法人は、複数の投資家から集めた資金を、オフィスビルや商業施設など、さまざまな物件の購入資金に充てて運用します。
その際、1つの物件ではなく、複数の物件に分配され、リスクを分散できるのが特徴です。
REITを利用すれば、不動産のプロが運用のすべてを手掛けるため、投資家は物件の選定や管理の手間が省けるうえに、確かな成果を享受できるメリットがあります。
また、数万~数十万円程度の少額な資金から投資が可能なので、「1,000万円を一度に全額投じるのは心配……」という方にうってつけの商品です。
より堅実な資産の形成を望むのであれば、REITを選択肢に加えておくのも一案です。
株式投資
企業が、自社の活動資金を調達するために発行する証券を、株式といいます。
株式投資は、この株式を購入し、“保有しつづける”、または“売買する”ことによって、収益を得る資産運用の方法です。
投資家は、出資した株式を保有することで株主となり、企業の業績次第で配当金や株主優待などを得られます。
しかし、業績悪化で無配当となる可能性もあり得るので、一概に安定した収益が見込めるとは言えません。
また、保有している株式を売買して、ご自身の収益につなげる方法もあります。
株式は、取引期間中なら好きなタイミングで売買できますし、“安く買って高く売る”という取引をすれば、効率よく収益を得ることができます。
株式投資によって収益を得たいなら、企業の業績や事業内容をきちんと下調べしたうえで、将来的に価値が上がるかどうかを見極めることが重要です。
なお、株式の売買による資産運用は、専門的な知識が求められるため、初めて投資をする方にとっては、ややハードルが高いかもしれません。
1,000万円を株式に投資する場合、ある程度の知見を積むまでは、無理に売買せず、保有しつづけるのが賢明でしょう。
債券投資
国や地方自治体などの公共機関や民間企業が、資金調達するために発行する、“債券”に投資する方法が債券投資です。
債券とは、公共機関や企業が発行する、借用書のようなものだと覚えておきましょう。
株式投資と似ていますが、債券投資の場合は、償還期限が設けられています。
債券を購入したあとは、一般的に年2回、発行者から投資家に利子が支払われ、償還期限を迎えると、額面金額を受け取れます。
債券投資では、償還期限まで定期的に利子を受け取りながら運用していきますが、満期を待たずに、途中で売却することも可能です。
その際、債券の市場価値は、金利の動向や経済状況の変化によって変動するので、収益を得るには、国内情勢も把握しておかなければなりません。
また、債券投資のメリットとして、安全性の高さが挙げられます。
債券投資では、償還期限のあいだに債券の市場価格がどれだけ変動しても、満期を迎えれば額面金額が返還されることが約束されています。
1,000万円というまとまった資金を投資するなら、満期を迎えた際に手元に入る額がある程度決まっている債券投資を選べば、より安心して資産を運用できるはずです。
投資信託
投資信託とは、複数の投資家から集めた資金を一つにまとめて、投資のプロに、資金の運用を任せる方法です。
運用に際しては、国内だけではなく、海外も含めた株式や債券に分散されるのが一般的です。
投資家に配当される収益は、投資信託に投じた額に応じて異なります。
投資信託で資産運用するメリットは、なんといっても資産運用をまるごとプロに任せられることです。
ご自身に投資の知識や経験がなくとも、豊富なノウハウを持ち合わせた専門家が、国内外問わず、株式や債券を的確に運用してくれます。
くわえて、投資信託は透明度が高い取引ができる点もメリットです。
投資信託では、運用成績の信頼性を保証するために、監査法人や公認会計士などから定期的に監査を受けることが義務付けられています。
また、運用会社では、毎営業日、投資信託の価値を表す“基準価額”をホームページや新聞で公表しています。
値動きや資産価値をいつでも確認でき、監査によって公正な運用が約束されているため、投資家にとっても安心です。
しかし、投資信託において忘れてはならないのが、手数料の存在です。
投資信託を購入する際だけではなく、運用中に継続して発生する手数料があるので、1,000万円全額を投資に充ててしまうと、別途資金を用意しなければならなくなります。
投資信託で資産を形成するときは、先んじて手数料がどの程度かかるのかを確認しておきましょう。
金(ゴールド)投資
世界共通の価値をもった“金”に投資して、収益を得る方法もあります。
金投資にはさまざまな方法がありますが、一般的なのは、インゴットやコインなどの現物を購入して、購入時よりも価格が上がったタイミングで売却する方法です。
金投資には、景気が落ち込んでも影響されにくいというメリットがあります。
株式や債券などの一般的な投資商品は、景気の悪化に伴って値下がりしてしまいますが、金は現物そのものに価値が認められており、資産として信用できるため値上がりします。
“有事の金”として、手元に置いて損はないはずです。
ただし、1,000万円の資金を投資する場合、金投資は複数の投資商品のなかの一つとして検討しましょう。
1,000万円分の金を現物で購入する場合、相当な量になりますし、盗難を防ぐために、安全な保管場所を確保しなければなりません。
金を保管する場合、銀行に預ければ安心ですが、別途、倉庫の利用料金が発生します。
そのため、購入する金はご自身で無理なく管理できる程度に抑えて、いざというときの助け舟として考えておくのがおすすめです。
非課税で投資するには?
ここまで、さまざまな投資方法を紹介してきましたが、どの方法においても、収益に対する税金を納める義務があります。
しかし近年、非課税で運用できる投資商品や、税額控除を受けられる投資の仕組みが登場し、注目を集めています。
以下で詳しく解説しますので、1,000万円という資金を合理的に増やしたい方は、参考にしてください。
新NISA
新NISAとは、“NISA口座(非課税口座)”で投資して得た収益が非課税となる制度のことです。
“少額投資非課税制度”ともよばれ、個人で資産運用したい方や、少額から投資を始めたい方に向いています。
一般的な投資で得た収益や配当には、約20%の税金が課せられます。
新NISAで資産運用すれば、それらの税金を納める必要がなく、発生した収益をすべて受け取れるのです。
しかし、無制限に非課税となるわけではありません。
非課税で運用できるのは、毎月一定の投資信託を積み立てる“つみたて投資枠”で年間120万円、投資対象が多い“成長投資枠”で年間240万円までと定められています。
つまり、年間で最大360万円までは課税されないということです。
原則、投資によって360万円の収益が出た場合は、税金として約72万円が引かれますが、新NISAなら、そうした心配は無用です。
決して少ない額ではありませんから、より多く手元に資金を残したいのであれば、新NISAの利用を検討するとよいでしょう。
投資初心者の方は、1,000万円をすべて投入するのではなく、そのなかの一部を新NISAに充てて、長期的に運用することを推奨します。
iDeCo
20歳以上65歳未満の、すべての方が加入できる個人型確定拠出年金が、iDeCoです。
私的年金制度の一つで、老後の資産の形成に役立ちます。
加入者が掛金を拠出して、株式や債券、保険商品などの金融商品を自ら運用します。
そこで得られた収益や掛金の合計は、満期まで積み立てられており、60歳以降に一括、または分割で受け取る仕組みです。
運用次第では、多くの資金が公的年金に上乗せされる可能性があります。
また、iDeCoでは、税制優遇措置が適用される点も、うれしいところです。
iDeCoで積み立てた掛金は、所得税控除の対象となるので、所得税と住民税が減税されます。
さらに、新NISAと同じく、資産運用で得た収益は非課税となり、全額が積み立てられるのです。
運用しているあいだだけではなく、満60歳を迎えて資産を受け取る際には、一括なら“公的年金等控除”、分割なら“退職所得控除”の対象となることから、節税効果が得られます。
このような制度も利用すれば、まとまった資金を効率的に積み立てておくことができます。
1,000万円を投資する際の注意点
1,000万円以上の資金を投資する際、まず念頭におかなければならないリスクとして、“元本割れ”が挙げられます。
資産を投じてから、一度も価格が下落せずに上がりつづけるということは、ほとんど起こりません。
なぜなら、投資商品の価値は、市場や経済環境の変化によって上下するものだからです。
投資の性質上、利益が出ることもあれば、損失となることもあります。
それをあらかじめ頭に入れたうえで、どのように運用するべきかを考慮するのが重要です。
また、1,000万円あるからといって、大きなリターンを求めると、そのぶん元本割れのリスクが高まります。
はじめから大きな収益を得ようとするのではなく、比較的ローリスクで運用できる投資商品を選ぶとよいでしょう。
どちらがおすすめ?分散投資vs一括投資
投資による資産運用では、“分散投資”と“一括投資”という2つの方法を選べます。
分散投資とは、複数の投資商品を購入し、それぞれを運用する方法です。
1,000万円を投資する場合、分散して投資することで、損害を被るリスクを最小限に抑えて、安定したリターンを受け取れます。
一方、一括投資では、1つの投資商品に対して、手元の資産をすべて投入します。
一括投資するメリットは、投資額が大きいぶん、購入した投資商品の価値が上がれば、リターンも大きくなる点です。
そのため、短期間で大きな収益が望めるといえます。
上記を踏まえたうえで、1,000万円というまとまった資金を投資に充てるのであれば、分散投資を推奨します。
なぜなら、一括投資の場合は、リターンが大きい反面、購入した投資商品の価値が下がったときに想定される、損失額も大きくなるからです。
まとまった資金を投資する際は、投資先を分散して、安定した収益を獲得するのにくわえて、損失リスクに備えるのがポイントです。
なお、同じ業界に投資先を分散させるのは避けましょう。
市場や経済状況などが悪化したとき、その影響も同様に受けることになるため、「投資先の業界は限定しない」と頭に入れておいてください。
不動産投資が選ばれる理由
主な収入源があるうえで資産を運用している方や、投資初心者からは、安定した収益を得られ、節税効果も期待できる不動産投資が人気を博しています。
投資の世界には、“投資の基本は長期運用”という言葉があります。
不動産投資は長期運用が前提のため、ほかと比べると、投資に不慣れな方でも容易に始められる資産運用の方法なのです。
そして、不動産投資の主な収入源は家賃収入となるので、入居者がいる限り、安定的な収益が見込める点も、選ばれる理由でしょう。
建物や入居者の管理などは、管理会社に委託することもできますから、日中働いている方でも、煩雑な業務を省くことが可能です。
また、不動産投資では、節税効果も期待できます。
不動産を所有している場合、確定申告において、建物の修繕費や、管理委託費などは経費として計上できます。
収益から経費を差し引いた額に税金が課されるので、節税効果が期待できるわけです。
くわえて、もし不動産経営が赤字の場合、本業の収入と、不動産投資で得た損益を合算する“損益通算”という制度を使えば、給与所得から赤字分を差し引いて申告できます。
これによって、本業の所得を抑えられ、節税となるのです。
本業で1,000万円の資金を貯めて、投資による資産の形成を検討している方は、不動産投資を選ぶのがおすすめです。
【関連記事】不動産投資会社の選び方!失敗しない方法を解説
不動産投資に必要な初期費用
不動産投資を検討する際は、初期費用についても押さえておきましょう。
購入する物件によって異なりますが、不動産投資を始める際には、仲介手数料や各種税金などの初期費用が発生し、その相場は物件価格のおおよそ8~15%程度です。
たとえば、1,000万円の物件を購入する場合は、購入費用のほかに80万~150万円程度が初期費用としてかかります。
また、不動産投資ローンを利用するときには頭金が必要となり、物件価格の約10~20%程度が相場です。
不動産投資ローンの頭金は、初期費用と合わせて、物件価格の約18~30%程度の資金を用意しておくと安心でしょう。
なお、初期費用や頭金の額はあくまでも目安となる価格なので、参考程度に留めておいてください。
【関連記事】不動産投資の成功率はどのくらい?成功させるためのコツを解説!
1,000万円を投資する場合は、不動産投資がおすすめ!
今回は、1,000万円を投資する際のおすすめの運用方法を、注意点とともにお伝えしました。
投資による資産運用には、不動産投資や株式など、さまざまな方法があります。
1,000万円を投じる場合、これらの特徴や運用方法を踏まえたうえで、ご自身に適した方法を選ぶことが重要です。
なかでも、不動産投資なら、投資に不慣れな方でも容易に運用できます。
その際、安定した資産の運用を実現するためには、分散投資を選択して、大きな損失を回避することが大切です。
株式会社マリモでは、投資用の木造アパートを販売しています。
まとまった資金が手元にあり、不動産投資を検討している方は、ぜひお問い合わせください。