大家になるには?流れや必要な資金と物件選びのポイントを解説
大家になって、家賃収入で生活したい。
そんな夢を持っている人も少なくないでしょう。
しかし大家になるには、何をすればいいのでしょうか?
大家になるメリット・デメリットや必要な資金、なる前に知っておきたいこととは?
ここでは、大家になりたい!という人向けにさまざまな情報を記載しています。
ぜひ家賃収入での生活を考えている人は、参考にしてください。
Contents
大家になる流れ
まず大家になるには、何をすればいいのでしょうか?
大家になるための手順を紹介します。
1.物件を探す
まず大家になるには、物件を探さなくてはなりません。
不動産会社に相談したり、インターネットで検索したりするなどして、収益の上がりそうな物件を見つけていきましょう。
一口に物件と言ってもたくさんの物件タイプがあり、物件タイプによっても経営に違いがあります。
下記記事では物件タイプ別にメリット、デメリットを解説していますので、ぜひ参考にしてください。
一棟収益アパートと区分マンション経営は何が違う?タイプ別のメリットとデメリット
2.ローンの打診
物件が見つかったら、融資がどのくらい下りそうか打診しておきましょう。
必要な金額の借入ができそうだったら、契約に進んでいきます。
3.購入申し込み
購入申込書を売主に提出します。
購入申込書の提出時に、値段など色々交渉するようにしましょう。
4.契約・ローン申し込み
売買契約(※ローン特約付き)を結んだら、借り入れを行います。
5.ローン契約
融資の審査に合格したら、ローン契約を結びます。
6.管理会社との契約
物件を手に入れたら、自主管理しない場合は、管理会社と契約を締結していきましょう。
契約を結ぶときは、管理会社の業務範囲(入居者募集はしてくれるか、清掃・設備管理はどれくらいの頻度でしてくれるかなど)・費用・契約期間・解約条件等をしっかり確認してから判を押すようにします。
契約書をしっかり確認しないで捺印したことで、のちのち大きなトラブルにつながることも少なくありません。
未然にトラブルを避けるためにも、契約書の確認は怠らないようにしましょう。
7.決済・引き渡し
代金を支払い、物件の引き渡しを行います。
8.アパート経営の開始
ここまで来たら、念願のアパート経営が可能です。
管理業務を始めて、家賃収入を得ていきましょう。
大家になるメリット・デメリット
では、大家になるメリット、デメリットはいったい何なのでしょうか。
ここでは、大家になる利点、欠点をお伝えします。
1.大家になるメリット
以下、大家になる3つのメリットです。
①家賃収入が得られる
大家になる最大のメリットが、毎月安定した家賃収入が得られること。
しかも家賃収入は不労所得なため、本業とは別にさらなる所得が手に入るのです。
基本的に、投資というとある程度の元手がないとできないもの、という印象がありますが、不動産投資の場合、金融機関から借りたお金で投資ができます。
リスクもありますが、その分上手くいったときは大きな効果を得られます。
以下の記事では、アパート経営で得られる収益など、アパート経営のメリットをさらに詳しく解説しておりますので、あわせてぜひご覧ください。
アパート経営とは?基本的な知識や概要について徹底解説!
②節税対策にもなる
相続税や固定資産税・都市計画税(※建物分の固都税は別途課せられます)、所得税・住民税といった税金対策にもアパート経営は有効です。
ある程度不動産投資が軌道に乗り、法人化すれば、ますますうまみを感じられると思います。
節税に関心のある人も、大家になることを検討してみるといいでしょう。
しかし、節税目的で大家になるのはあまりおすすめできません。
③少ない初期費用からでも始められる
「投資で稼ごうと思っても元手がないからできない…」と感じている人もいるかもしれません。
その点、不動産投資は比較的少ない投資で始められるといったメリットがあります。
土地を購入するか、どの程度のアパートを取得するかなどにもよりますが、大げさにいえば、自己資金0円からでも始められます。
必ずしも、「大家になるには、たくさんのお金を用意しなければならない」というわけではありません。
少ない元手で稼ぎたいと考えている人は、不動産投資を始めてみるのもいいと思います。
2.大家になるデメリット
大家になる2つのデメリットを紹介します。
①収入が減るかもしれない
空室や家賃滞納などが発生した際は、収入が減る可能性も出てきます。
家賃収入での生活を夢見る人は多々いますが、誰もが簡単に大家としての暮らしを成功させているわけではありません。
家賃収入は手取り金額ではなく、そこからローンの返済額や経費といったさまざまなものが引かれていきます。
その結果、赤字になってしまうケースもないわけではありません。
経営に失敗したら、現在の収入よりも減るかもしれない…。
そういったリスクを知ったうえで、不動産投資を始めるようにしましょう。
②災害などによって建物を失う可能性もある
火災や地震といった災害によって建物を失ってしまう可能性もあることを、覚えておきましょう。
とくに日本は地震などの災害大国です。
保険に加入する、耐震基準を満たした構造を選ぶ、メンテナンスを怠らないなど基本的な対策を必ず行うようにしましょう。
大家になる前に知っておくべきこと
大家になる前に知っておいたほうがいいことってあるのでしょうか?
ここでは、不動産投資を始める前に知ったらお得な4つの成功のコツを紹介します。
1.勉強しないで大家として成功することはできない
大家さんとして成功したいのであれば、まず不動産投資について学ぶことが大事です。
アパート経営で失敗する人のほとんどが、勉強不足です。
「絶対に儲かりますよ」などの営業マンの甘い言葉にのせられ、言われるがまま物件を買い、自分でとくに勉強することなく始めてしまうから、失敗してしまうのです。
そのような事態を避けるためにも、「大家さんになる」と決めたら、大家さんになるための勉強を始めましょう。
どのような職業でも、なろう!と思ったら勉強が大事です。
美容師さんや医者になりたい人が、専門学校や大学に行くように、大家さんになりたい人はスクールに通わなくても、インターネットや書籍、セミナー等を使って、念入りに知識を蓄えておく必要があります。
大家さんとしての知識を積み重ねるほど、選択肢が増えていくと思います。
空室が埋まらないなどのトラブルに見舞われたときも、「こうしよう」「ああしよう」といったアイデアが出やすくなるでしょう。
逆に、知識や情報が不足している人は、取捨選択することができず、手あたり次第なんでも行ってしまい、ますます収益が悪化する可能性が出てきます。
いつ何時どのような災難に襲われるか分かりません。
そんなときも適切に対処できるよう、大家としての勉強を続けていきましょう。
2.リスクについて学び、対策を練っておく
不動産投資にはリスクがつきもの。
空室リスク、家賃滞納リスク、資産価値の下落リスク、災害リスク、金利上昇リスクなどキリがありません。
しかし、それらのリスク一つひとつに対して、「万が一このような事態が起きたらどうするか」といったことを事前に考えておきましょう。
例えば、空室リスクに対しては、管理会社を変更するなどして、より良い住環境を提供する。
またフリーレント制を導入して、入居しやすい環境を整える。
金利上昇リスクに対しては、ローンの借り換えを行うといった具合です。
リスク対策をしっかりしておくことで、本当にこれらの事態が発生したとき、落ち着いて対処できます。
何か起こってからではなく、「〇〇が起こるかもしれない」といった状況で知識や情報を蓄える。
そのような日々の努力が、大家としての成功を約束してくれるでしょう。
3.管理会社は慎重に選ぶ
大家として成功するには、良い管理会社選びが欠かせません。
管理会社は大家さんにとって、大事なパートナー。
管理会社選びで、アパート経営の成否が決定するといっても過言ではありません。
実際にアパート購入して、入居者が入ると思わぬトラブルが続出します。
期日までに家賃が振り込まれない、共用部分が汚い、空室が埋まらない…。
それらの事態が起きるたびに、パートナーとなって力を貸してくれるのが管理会社です。
まず良い管理会社は集客力があります。
どのようなニーズが合って、どうやって呼び込めばいいのか、分かっているのです。
そして、何かあったときもすぐに対応してくれます。
「カギをなくした」「水漏れが発生した」「騒音がひどい」などさまざまな問題が発生したときも迅速且つ的確に対処してくれるでしょう。
ほかにも、事業規模や営業方針、説明の仕方など管理会社の特徴が出る部分はたくさんあります。
不動産オーナーとして成功するために、ぜひ信頼できる管理会社を選んでください。
4.集客にも力を入れる
大家さんになる際、「あんなアパートを建てよう」「こんな物件を購入しよう」など、物件についてはよく考え、検討してから、決断する人がたくさんいます。
しかし、アパートを建てれば、黙っていても、どんどん入居者が見つかるわけではありません。
「ここに、こんなにも魅力的なアパートがありますよ!」と宣伝する必要があるのです。
「それは不動産会社の仕事でしょ?」と思う人もいるかもしれません。
もちろん、契約時の業務内容に入居者募集も含まれていたら、不動産管理会社の仕事です。
しかしだからといって「すみません、まだ満室になっていなくって…」という言葉をただ聞き流すだけでいいのでしょうか?
当然のことながら、不動産管理会社の営業マンは複数の案件を抱えています。
あなたのアパートだけでなく、AさんやBさん、Cさんなど大勢の人のアパートに入居者を入れなくてはならないのです。
営業マンも頑張って「このアパートいかがですか?」と案内してくれていると思いますが、入居者が「やっぱり、こっちのほうがいいな」となったら、そこでおしまいです。
別のアパートを紹介してしまいます。
このような事態を防ぐためにも、管理会社に任せすぎるのはやめましょう。
あなたの関心が薄いようでしたら、営業マンが手を抜く可能性もゼロではありません。
いい加減にするつもりはなくても、新しい物件情報が手に入ったら、どんどんそちらを紹介してしまうといったことはあり得ます。
忘れられないよう定期的に営業マンに会いに行ったり、入居したいという人を自分なりに探してみたりするのもいいと思います。
近年はWEB上で大家さんが直接入居者を見つけられるサービスも増えています。
アパートは建てたり、購入したりした時点で終わりではありません。
そこからがスタート。
多くの入居者に住んでもらえるよう、積極的に集客にも取り組んでいきましょう。
集客の重要性について説明してきましたが、集客に有効な手段の1つとして、共益費と家賃を分けることが挙げられます。
広告に掲載する際に、家賃の金額を安く見せることができるためです。
下記記事では共益費について説明していますので、こちらもぜひご覧ください。
アパート経営の共益費とは?家賃と分けるメリットと共益費の設定方法
アパート経営で大家になるために必要な資金
では実際に大家になるには、どれぐらいの資金を用意する必要があるのでしょうか?
自己資金0円でも大家になること自体は可能です。
というのも、大家になるための軍資金をすべて自分で用意する必要はありません。
融資が下りれば、自己資金がなくても大家になることはできるのです。
しかし、実際に自己資金0円で大家になるための資金をすべて貸してくれる金融機関を探すのは難しいです。
できれば物件価格の10%ぐらいは自己資金でまかないましょう。
自己資金として、最低でも100万円は用意しておきたいところ。
100万円あれば、1,000万円の物件を取得できる可能性が高まります。
1,000万円あれば、中古物件を中心にそれなりの選択肢を得られるでしょう。
でも、自己資金が多いほど、融資が下りる確率も高くなり、返済額も少なくなります。
多すぎる借り入れは失敗のもとです。
アパート経営には、それなりの初期投資がかかります。
できるだけ多くの自己資金を用意し、成功確率を高めましょう。
物件選びのポイント
大家として成功するための重要な物件探し。
ここでは、アパート経営を軌道に乗せるために欠かせない物件選びの6つのポイントを紹介します。
1.場所は良いか
アパート経営を成功させるうえで欠かせないのが、立地です。
駅や商業施設が近い、交通の便が良い等、利便性の高い立地のアパートを購入するといいでしょう。
良い場所にあるアパートは入居者が決まりやすいです。
できれば人口動向についても調べておくと◎。
さらに人口が増えそうな地域か、もうこれ以上流入はなさそうな土地か。
それによって、今後の収益が変わってきます。
不動産投資は、建てたら終わりではありません。
取得したあと、長い間、経営していく必要があるのです。
長期的に収益を得るためにも、将来性のある場所のアパートを選びましょう。
2.建物は新しいか
築年数も利回りや収益に大きく関わってくるポイントです。
築年数が古い建物は、修繕費用等がかかってきます。
表面利回りの良さにだまされずに、今後この建物に入居者を集めるにはどれくらいの経費がかかりそうか、判断していきましょう。
3.魅力的な物件か
スタイリッシュなデザインや最新の設備が揃っているなど、魅力的な物件に人は住みたいと思います。
物件を取得する前に、市場調査をするなどして、入居者のニーズを把握し、より多くの人が「住みたい!」と感じるようなアパートにしていきましょう。
例えば、新型コロナウイルスの影響で在宅ワークが増え、部屋の遮音性やインターネット環境の充実などが求められるようになりました。
「自分の仕事部屋が欲しい」と部屋数が多い間取りの物件も需要が増えています。
このように世の中の変化とともに入居者のニーズも変わっていきます。
そして、彼ら彼女らが「住みたい!」と思うような魅力的な設備等を備えている物件でないと選ばれる可能性は低いのです。
設備だけでなく、構造にもこだわりを持ちましょう。
木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造り、それぞれにメリット・デメリットがあります。
それぞれの特徴を鑑みたうえで、最適な物件を選択しましょう。
4.メンテナンスは行き届いているか
アパート経営を成功させるには、メンテナンスをおろそかにしてはいけません。
適切な物件の維持管理がされていないと、建物はすぐボロボロになり、入居者が集まらなくなってしまいます。
空室リスクを減らすためにも、物件の管理には目を光らせなくてはなりません。
定期的に修繕を行って、老朽化リスクを減らしていきましょう。
外壁などつい放置してしまいがちですが、見た目が汚くなるだけでなく、劣化しすぎると下地の補修工事まで必要になり、さらなる費用がかかることもあります。
そういった損失を作らないためにも、最初から修繕計画を立て、適切なメンテナンスを行っていきましょう。
5.競合物件はいないか
近くにある競合物件を調査することも大事です。
「どうやって調べればいいか分からない」と思った人は、不動産投資会社の営業マンに調べてもらったり、インターネットを使ったり、現地に足を運んだりするなどして、調査していきましょう。
近くに空室率の低いアパート・マンションがあれば、その物件はなぜ入居者が集まるのか調べてみます。
そして、自分のマンションやアパートと競合したとき、入居者を取られないか、シミュレーションするのです。
近くのアパート・マンションの立地や設備がほとんど同じで、家賃が自分のところよりも安かったら、そちらのアパート・マンションに引っ越してしまうかもしれませんよね。
自分に非はなくても、周囲により良い物件があれば、入居者はそちらを選んでしまいます。
自分の物件ばかり見て「ここは良いアパートだ」と悦に入っていてはいけないのです。
周囲の物件に比べて家賃は高くないか、見た目はキレイか、設備は劣っていないか、交通の便は悪くないかなど調べていきましょう。
同じことを入居者はしています。
アパートのオーナーも同様に、していかなくてはならないのです。
6.利回りは適切か
物件選びの際、利回りも重要なポイントです。
ただし、利回りの見方は難しく、重視しすぎると失敗してしまいます。
利回りはあくまで目安。
だからといって、おろそかにすることは許されません。
利回りには“表面利回り”と“実質利回り”の2つがあります。
表面利回りとは、年間家賃収入を不動産の購入価格で割って算出した利回り。
簡単に計算でき、広告などにも掲載されているので、チェックしている人も多いと思います。
〇表面利回りの求め方〇
表面利回り=年間の家賃収入の合計÷不動産の購入価格×100
しかし表面利回りは経費を一切勘案していません。
そのため、アパートの収益性を推し測る指標として、十分とはいえないでしょう。
表面利回りの代わりに利用したいのが、実質利回り。
実質利回りは、購入・運用時にかかった経費も考慮したうえで計算していきます。
実質利回りは以下の計算式を用いて、算出します。
〇実質利回りの求め方〇
実質利回り=(年間の家賃収入の合計-年間の経費の合計)÷(不動産の購入価格+購入時にかかった諸経費)×100
ある程度計算することで、利回りを求めることはできますが、どのくらい空室が発生するかなど分からず、実際に運営したとき数値がそのまま当てはまるとは限りません。
また実質利回りは、年数の経過によって低下していきます。
新築時は空室率も低く家賃が高かったアパートでも、時間がたつにつれて空室も増え、修繕費もかかり、家賃が下落する可能性もあるからです。
利回りは物件選びの際重要な指標の一つですが、信用しすぎるのも禁物。
高利回りの物件を見かけたら、「本当にこの利回りは正しいのだろうか」と疑う目を持ち、より正確な利回りを算出するようにしましょう。
利回りは、計算の精度を高めるほどに将来の見通しがたちやすくなるので、利回りの精度を高められるよう勉強することが重要です。
利回りの精度を高める要因として、建物の減価償却があります。
もし減価償却について詳しく知りたい場合は、下記記事をご覧ください。
アパート経営を行って大家さんになろう
大家になるにはどうすればいいのか、大家になるメリット・デメリット、必要な資金、事前に勉強しておきたいことなどについて紹介しました。
アパート・マンションの大家さんは不労所得が得られるうえ、節税にもなると魅力を感じている人も多いと思います。
大家になると聞くと「難しそう」「お金がかかりそう」などと感じるかもしれませんが、誰もが最初は大家初心者です。
知識を蓄え、経験を積み、継続することで、大家としての実績を上げていっています。
もし大家という仕事に魅力を感じているならば、ぜひとも挑戦してみてください。
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